貯金1,000万円なら何年暮らせる?
1,000万円は年収に換算すると数年間分もあるため、仕事がなくても次の仕事を見つけるまで相当な猶予が持てそうですよね。
ただし、家族構成や生活する地域、消費スタイルによっても1,000万円という大金を消費する時間は人それぞれだと思います。
今回は世帯人数や地域別での生活費を計算した上で、1,000万円あれば何年暮らしていけるかを解説していきます。
単身者なら約3年9ヶ月分
総務省の家計調査をもとに1ヶ月の消費支出(家賃は別)を計算すると、単身者世帯では15.3万円となります。

家賃は一人暮らしの全国平均値である5万854円で計算。会社を退職して無職となった場合は国民健康保険料(7割軽減で計算)と国民年金保険料を自腹で負担する必要がありますので、それらを加えると1ヶ月の合計支出は約22万円となります。
1,000万円は一人暮らしの支出で換算すると、約3年と9ヶ月(44.9ヶ月分)の生活費です。一時的な生活防衛費として考えるのであれば、ほぼ問題ない金額もしくは多いぐらいだと思います。
現金だけで保管するとインフレの影響で価値が目減りしてしまうため、投資と貯金のバランスを考えた上で運用する方が良いでしょう。
夫婦なら約2年2ヶ月分
1世帯あたりの支出額は全国平均で約24万円となります。

一人暮らしの時と同様に家賃(10万円/月)と健康保険と年金保険料を加味すると、1ヶ月の合計消費支出は約38.4万円。1,000万円あれば約2年と2ヶ月(26ヶ月分)の生活費です。
生活防衛費として考えると、2年分の生活費は多すぎるかなと思います。一人暮らしの時と同様に投資や他の資産に回しながらお金を効率的に増やすことに利用するべきだと思います。
最適な現金比率について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
沖縄なら約2年9ヶ月分、さいたま市なら約1年10ヶ月分
各都道府県の消費支出を見ると、最も安い方は沖縄地方、高いのはさいたま市です。

両者の1ヶ月の生活費の差分は約14.8万円も違いがあります。1,000万円を生活費で換算すると、沖縄地方なら約2年9ヶ月分(32.8ヶ月分)となり、さいたま市なら約1年10ヶ月分(22ヶ月分)にしかなりません。

沖縄県で生活をするなら1,000万円は十分すぎる金額ですが、さいたま市に住みながらちょっと良い生活をされている世帯からすると、1,000万円では2年持たない金額となってくるため、貯金は他の地域に住む人よりも多めに考えておく必要があります。
生活防衛費を考える
今回の結果をまとめると以下の通りです。
【貯金1,000万円は生活費何年分か】
- 単身世帯:3年9ヶ月分
- 夫婦二人:2年と2ヶ月分
- 沖縄地方:2年9ヶ月分
- さいたま市:1年10ヶ月分
1,000万円を一般的な生活で考えると十分すぎる生活防衛費になります。個人の考え方にもよりますが、生活防衛費は1年間分程度あれば十分だと私は思っています。
しかし、半年分、3ヶ月分あれば良いと考える方にとっては貯金1,000万円は積極的に自己投資や資産運用に利用していく方が生涯の資産は増えやすくなります(もちろん、リスク管理は慎重に)。
都心や物価の高い地域に住む世帯にとっては少しだけ状況も変わってくるはずです。生活をどこでするのかによっても必要な資産が変わってきますし、他にも働きやすさや仕事の見つけやすさなども考慮しながら、必要な生活防衛費を蓄えておくことが必要だと思われます。