高配当株投資のデメリット

どんな投資にもメリットとデメリットがあり、100%儲かる投資はありえません。

今回は高配当株投資のデメリットについて解説をしていきます。

投資をする前に投資のデメリットに対してどう対応するのか、対応策を考えた上で投資を始める事ができれば、きっと運用成績は良くなるはずです。


高配当株投資のデメリット1「減配リスク」

1つ目のデメリットは、企業が毎年出す配当金額が減るリスク、なくなる危険があることです。

配当金の源泉は企業の業績です。

企業業績が悪くなれば配当金も減り、最悪「無配への転落」もありえます。


2022年8月に実質減配を発表した企業として話題になったのが、全国のガストやバーミアン、ジョナサンなどのファミリーレストランを展開するすかいらーくグループ。

同社はコロナ感染者数の増加と以下の事由により、2022年上半期において営業利益がマイナス24億円の赤字へと転落しました。

  • インフレ(物価上昇):41億円
  • 約100店舗の閉店:23 億円
  • 給与計算に関する臨時損失:20億円

コロナによって売上高がほとんど伸びない中、インフレの影響も深刻となり、配当金は一旦未定とされていますが、減配 or 無配の可能性は十分にあります。

すかいらーく決算資料
出典:すかいらーくグループ

すかいらーく以外でも2022年8月中に減配した企業は以下の通りです。

【8月減配を発表した企業】

配当金の減配は株価も同時に下がるため、高配当株投資はハイリスクハイリターンです。

こうならないためには、銘柄選択がかなり重要になります。


高配当株の銘柄選び

一般的な個別銘柄投資では企業の売上高、営業利益率、営業CFなどに注目しますが、高配当株投資に関してはそれらに加えて、過去の窮地(株価暴落など)で減配をしてないか、株主還元の姿勢が崩れていないかを確認する必要があります。

高配当株銘柄として有名な「花王」「NTT」「オリックス」「東京海上HD」などは明確な株主方針を発表している事が多く、安定的・継続的な配当の実施する姿勢があります。

NTTの配当金
出典:NTT2022年1Q決算資料

そういう銘柄選びや決算資料の分析が苦手な方は、投資信託や高配当ETFに頼るのも1つです。米国株に目を向ければ、税引き前の配当利回りで3%を超えるETFも珍しくありません。

以下の記事が参考になるかもしれませんので、お時間ある方は覗いてみてください。



高配当株投資のデメリット2「投資効率」

投資で課税される時というのは、投資スタイルにもよりますが長期投資なら10年や20年に1回行う売却時など、ほとんど課税されるタイミングはありません。

ですが、高配当株投資となると四半期ごともしくは半年ごとに配当金が支給されるため、年2〜4回のタイミングで配当金に対して税金が課税されます。


たとえば、株価が年4%成長する銘柄と株価が年2%+配当金利回り2%ある銘柄を比較してみます。

どちらもトータルリターンは4%です。

しかし、配当金が支払われる後者の銘柄は配当金に対して20%の税金がかかるため、実質のトータルリターンが約3.6%(= 売却益2.0% + 配当益2.0% × 0.79685)となります。

配当金をさらに同じ銘柄に投資すること(配当金再投資)を考えると、途中で余分な税金を取られてしまうのが高配当株投資のデメリットとなります。

配当金を現金として利用せず再投資100%で考えるならば、配当利回りより売却益利回りの成長が高い銘柄の方が余分な税金が取られず、資産を大きく成長させやすくなります。

「今は現金は必要ない」「老後にお金があればいい」と考える人は高配当株投資よりも成長株投資やインデックス投資の方が向いてる可能性はあります。


NISAや株価急落を狙う

高配当株投資の再投資効率を落とさない対策として、1つはNISAなどの少額非課税制度を利用する方法があります。

一般NISAであれば600万円、ジュニアNISAであれば400万円分の高配当株投資に対して、支払われる配当金に関しては税金が課税されません。

仮に投資資産600万円で配当利回り3%とするならば、課税される場合は14万円しか受け取れませんが、NISAであれば年18万円を非課税で受け取る事ができます。ジュニアNISAであれば制度改革次第ですが、2022年時点では最大18年間非課税で配当金を受け取れる仕様になっているので、そういう使い方も1つありだと思います。


もう1つ再投資効率を落とさない対策としては、株価暴落時など株価が安い時に高配当株へ投資する方法です。難易度は高いですが、株価の取得単価が小さいほど売却益が大きくなりやすく、配当金利回り(簿価の利回り)が高くなるため、たとえ配当金に20%の税金がかけられたとしても、取得単価が小さいほど気にならなくなります。

株価暴落時などは高配当銘柄を探してみるのも1つです。


高配当株投資のデメリット3「成熟期企業である」

企業が稼いだ利益の使い方としては、基本は以下の通りです。

【利益の使い方】
    1. 設備投資
    2. 債務の返済
    3. 買収
    4. 自社株買い
    5. 配当金

企業が成長期(売上が伸びて市場シェアが拡大中)の時には1から3に積極的にお金を使い、さらに大きな売上や新しい事業展開を進めていきます。

ですが、それができなくなると企業の成長サイクルとしては「成熟期」に突入します。

企業サイクル
出典:hajimeru01.com

成熟期とは、市場全体が伸びづらくなっていたり、新しい時代についていけない状態、投資機会が少ない状態を意味します。

そのようば場合は企業は設備投資をするよりも稼いだ利益を自社株買いや配当金など株主還元に利用することによって自社の株価を成長させる方が自社の利益につながりやすくなります。

ただし、企業サイクルとしては市場が縮小してしまうリスクや新しいテクノロジーなどに客が奪われてしまうリスクも発生しているわけです。


わかりやすい例で言えば、固定電話。

昔は黒電話に代表されるように電話は固定回線でするもので、移動中に持ち運べることはできませんでした。

しかし、PHSや携帯電話が固定電話よりも使われるようになり、2007年にはApple社が携帯電話とパソコンを合わせたスマートフォンを発表したことにより、固定電話市場の衰退は加速することとなります。

このように新しい技術が既存産業を駆逐する例は枚挙に遑がありません。

紙の本はAmazonなど電子書籍に駆逐され、カメラ業界はスマホ、スイーツ店はコンビニスイーツにやられ続けています。


強いビジネスモデルを見つける

高配当株へ投資をする場合は市場成長が長期的に見込める、もしくは衰退する可能性が低い産業であり、他の競合が真似することのできない参入障壁の高い技術や既得権益を保有する企業へ投資するのが得策です。


たとえば、NTTやKDDI、ソフトバンクが参入する通信事業の参入障壁はかなり高く、民間自業者が彼らと同程度の通信基地局を設置したり、国から周波数を割り当てられるためには何枚もの巨大な壁を突破する必要があり、早々に破られることがありません。

毎年の収益も去ることながら、ビジネスの構造自体が強いことがNTTやKDDIが高配当銘柄として注目される理由の1つになります。