家計における金融所得の水準は長期にわたって利子所得から配当所得へ移行しています。

家計における金融所得の推移
出典:日本証券協会

最近の企業決算や株式相場を見ていても「増配」を発表する企業ほど株価成長は早い気がしますし、FIRE(早期リタイア)や副業収入のキャッシュフローを維持するために高配当株投資を始める人も増えていると感じます。

今回は配当金で毎月20万円を受け取るためには、いくら必要なのか計算していきます。


配当金とは?

配当金とは、企業の個別株を権利確定日まで保有し続けることで受け取れる収入のこと。ETFや投資信託などを保有しても間接的に配当金を受け取れることがありますが、一般的には「分配金」と言われたりします。

上場企業全てが配当金を出すわけでもなく、時期によって配当金を減らしたり、出さなくなったりすることもありますので、配当金目的で投資をする際には「銘柄選び」がとても重要になります。

加えて、日本株の場合は配当金を出すタイミング(権利確定日)が年2回の企業が多い傾向にありますが、米国株でれば年4回(四半期ごと)に配当金を出す企業が多い傾向にあります。

配当金は企業の決算期によって支給されるタイミングが異なりますので、年2回でも投資する銘柄を増やせば配当収入が入る月を分散させることもできますし、米国の高配当銘柄で収入を分散させる投資方法も選択肢の1つだと思います。


月20万円の配当金

配当金を得るために考慮しておくポイントは「税金」と「配当利回り」です。

月20万円の配当金を受け取りたいと考える場合、その分の税金と再現性のある配当利回りを知っておく必要があります。

無理な配当利回りで計算してしまい、結果としてハイリスクな投資で資産をなくしてしまっては元も子もないですので、事前に確認していきましょう。


配当金にかかる税金

給料に所得税と住民税がかかるように、配当金にも税金がかかります。

配当所得にかかる税金は株式投資の売却益にかかる税金と一緒で「一律20.315%」です。

年間収入が100万円であろうが、1,000万円であろうが税率に変化はありません。

一般NISAやジュニアNISAなどの非課税制度を使えば税金は免除されますが、つみたてNISAを使っていたり、条件が合わない場合は税金の支払いを免れることはできません。

月20万円(年間240万円)の配当収入を得る場合、税引き前の利益(配当金)では288万円必要ということになります。


外国税も考慮

米国の高配当株や高配当ETFに投資をする際には10%の課税にも注意が必要です。

仮に1万円の配当金が支給される場合、米国では配当益に10%の税金がかかり、さらに日本の配当課税によって20.315%と二重課税が起きるため、投資家が最終的に得られる配当金は最初の配当金から約3割(28.2835%)減らされた金額となります。

配当金を米国株から受けるのか、日本株から受けるかで税率が変わりますので、注意が必要です。


配当利回りを考える

1998年から2022年までの約25年間の配当利回りを見てみると、2008年のリーマンショック以降は1%後半から2%前半で推移しています。

株式平均利回り


3%超えてれば「高配当」と呼ばれますし、3%を維持するのは簡単ではありません。

日本株の中で連続配当実績No1の「花王」の配当利回りは以下のように推移しています。

花王の配当利回り
出典:IRBank

最近話題の高配当株である「日本郵船」もずっと高利回りを維持しているわけではありません。

日本郵船の配当利回り
出典:IRBank

これらを考えると、狙うべき年間平均の配当利回りは1.5%から3%程度(税引き後なら1.2%〜2.3%程度)が妥当だと思われます。


結局、いくら必要か?

では最後に、先ほど解説した税率と配当利回りを使って月20万円の配当収入を計算し、必要な投資資金を算出してみます。

【月20万円の配当収入に必要な投資額】
    = 必要な投資額
    = 必要な年間配当収入 ÷ (配当利回り × 税率)
    = 240万円 ÷ (2.0% × 0.79685)
    = 240万円 ÷ 1.5937%
    = 1億5,059万円

膨大な金額となりますが、ざっくりと必要な額は「1.5億円」です。

株価上昇も加味すれば必要な額はもうちょっと少ないかもしれませんので、仮に年間の株価上昇率が税引き前で2%だとして20年間で1.5億円までの株式資産(配当利回り2%)を手に入れようとすると、必要な投資額は毎月45万円(配当金再投資込み)です。

投資シミュレーション
出典:新生銀行

途中で受け取れる配当金は全額再投資を想定していますが、毎月45万円を20年間投資し続けるのは結構至難の業ですよね。ですが、高収入だったり、節約上手な高収入夫婦であればもしかすると実現できるかもしれません。

少しでも参考になれば幸いです。