日経平均株価とは

日経平均株価とは、日本経済新聞社が東京証券取引所に上場する約2,000社の中から選定した225銘柄の株価から算出される株式指数です。


日経平均株価の計算方法

日経平均株価は225銘柄の株価を単純平均で求めるわけではありません。

「株価換算係数」を使って銘柄毎の株価の高低差を調整し、それらを足した合計数値を「除数」で割ってさらに調整します。株価換算係数も除数も変数のため、知らない人にとっては株価と構成比率の計算式がとても複雑でわかりにくいです。


算出方法の詳細は上記サイトに掲載されていますが、S&P500(時価総額加重平均)のようにわかりやすく透明性のある数字の方が指数としては理解されやすいと個人的には考えてしまいます。

なぜか特殊かつ複雑なルールを採用しがちな日本の悪しき文化のような感じです。


日経225の銘柄入れ替え

日経平均株価に組み入れられる225銘柄は年に1回だけ入れ替えられます。

セクター(業種)のバランスや市場流動性などが総合的に加味されて毎年3銘柄ずつ、10月1日に入れ替わるのですが、2022年10月からは運用ルールが変更され、年2回(4月と10月)に入れ替え時期が増えました。



これまでのルールにより2021年10月に入れ替わったのが以下の3銘柄です。

2021年の入れ替え銘柄

【組み入れ銘柄】
  • キーエンス(6861)
  • 村田製作所(6981)
  • 任天堂(7974)

【除外銘柄】
  • 日清紡HD(3105)
  • 東洋製罐GHD(5901)
  • スカパーJSATHD(9412)

日本の時価総額4位となるキーエンスや任天堂が去年まで日経平均株価に組み入れられてなかったというのは信じ難いです。これだけ成長した企業がもっと早く指数に組み入れられていれば、日本の株式市場はもっと早く大きく成長したのではないかと考えてしまいます。

加えて、指数は新陳代謝が大事です。

ETFや投資信託のベンチマークとしても利用されるわけですから、企業の実力を分け隔てなく考慮することで強い企業だけが日経225社に生き残れることになり、結果として指数も相場全体も押し上げる要因になるはずです。

相場が上がれば投資家の資産は増えますし、弱い企業は生き残れなくなる市場環境が大事だと思います。


そして昨日発表された2022年10月1日に入れ替わる銘柄が以下の通りとなります。

2022年の入れ替え銘柄

【組み入れ銘柄】
  • SMC(6273)
  • 日本電産(6594)
  • HOYA(7741)

【除外銘柄】
  • マルハニチロ(1333)
  • ユニチカ(3103)
  • 沖電気工業(6703)

時価総額が日本屈指のレベルとなる銘柄が組み入れられ、時価総額が低い銘柄が抜ける構造は昨年と一緒です。

日経平均など指数に組み入れられることで「ETFや投資信託などの買い注文が殺到し、価格が高騰しやすいのでは?」と考える投資家もいるかもしれませんが、実際には組み入れられる前から次に組み入れられる銘柄が予想されたり、組み入れ3週間前には今回のように発表されているので、実際は既に株価が折り込まれている可能性が高いです。

2021年10月に組み入れられたキーエンスの株価を見ても、リバランスされた2021年10月以降株価が上がってるかと言うと、それほどでもないことがわかると思います。

キーエンス株価
出典:Google Finance

次は日本の時価総額上位100に入る銘柄でまだ日経平均に採用されていない銘柄を調べてみました。

時価総額上位で組み入れられてない銘柄

日経平均に組み入れられていない時価総額上位銘柄


ドンキホーテで有名なパンパシフィック(7532)や半導体製造装置のレーザテック(6920)などもまだ日経平均には加えられていません。

来年以降、組み入れ頻度が年2回となれば毎年6銘柄の入れ替えが発生するわけですから、これらの企業が日経平均に組み入れられる日も近いと思われます。