テレビでは電気代の節約や副業、NISAなどの資産運用方法を解説するなど、個人の努力で収入UP(もしくは支出減)をすべきだという報道が多く、税金や社会保険料についてはあまり言及されません。

そもそも節約や投資をしなければ普通の生活すら出来ない状態も違和感を感じますし、理想は本業だけで豊かな暮らしが出来ることを目指すべきだと思います。

今回は税金や社会保険料によって、どれだけ手取りが減っているのかを解説していきます。


日本人の給料の推移

まずは1997年と2020年での平均給与(年齢別)の違いを確認してみましょう。

1997年と2020年の年齢別平均給与
出典:国税庁「民間給与実態統計調査」※1997年の年齢別データでは、60歳以上がひとまとめとなっており、60~64、65~69、70歳以上の平均給与は一律404万円で入力をしています。

民間給与実態統計調査は任意のアンケートではなく、国税庁が国民の確定申告(会社員なら年末調整したものを会社が代行で確定申告)したデータを集計したものなので、統計データとして最も信頼できるものです。

2022年8月時点で公表されている民間給与実態統計調査で最も古い年が1997年、最新データが2020年でしたので、今回はその年のデータを比較していくこととします。


2020年と1997年では約23年間の差があります。

子供と親世代との差(だいたい30年)まではいきませんが、23年間はそれに近しい期間です。

自分と親世代でお金の話になった際、親が給料の高さを自慢したり、貯金への絶対的信頼感(投資への不信感)を押し付けてくるなど、金銭感覚の違いに圧倒することはなかったでしょうか?

その理由は23年間で平均給与が大きく減っているからです。


全体平均では年間約34万円(1997年467万円、2020年433万円)の給与差がありますし、子育てが始まる30~35歳までの年齢においては、年間約50万円もの収入の差があったわけです。

年間50万円もの収入差があれば一軒家や車のローン返済も違ってきますし、消費が回って経済も豊かな状態となります。


なぜ手取りが減ったか

ただし、給与を比較する上で注意しなければいけないのは「手取りの違い」です。

手取りとは給料から税金や社会保険料などを差し引いた金額のこと。


たとえば、1997年の消費税は5%と現在の半分となりますし、健康保険料やその他給料から天引きされる社会保険料は23年前と比べると、かなり高くなっています。同じ給料を貰ったとしても23年前と比較すると、手取りはグッと小さくなってしまうんです。

加えて23年の間には物価上昇も起きており、1997年のディズニーチケットは5,200円でしたが、2020年でのチケット代は8,200円と3,000円も値上がりしています。


まとめると23年前と給料が同じであったとしても、以下の要因により手取りと実質賃金(物価上昇を加味した賃金)は大きく下がります。

  • 税金(消費税など)
  • 社会保険料(年金、健康保険、雇用保険など)
  • 消費者物価

上記を以下の条件で設定することで23年前と手取りがどのように変化したのかを計算してみようと思います。

  • 1997年の国民負担率36.3%
  • 2020年の国民負担率46.1%
  • 1997年→2020年のインフレ率2.37%

手取り減り過ぎ

上記条件のもと23年前との手取りの差を計算すると、以下のようになります。

1997年と2020年の平均給与の差
※60~64、65~69、70歳以上の平均給与差分は1997年時点での60歳以上の平均給与で計算しています。

全体平均としては、年間71万円もの差が生まれます。

23年前の同年代と比べて平均71万円も手取りが違うとなれば、生活がどれだけ楽だったのかを想像できるはずです。


繰り返しになりますが「私が若い頃はもっと稼いでたよ」と親世代に言われたとしても、そもそも親世代は稼ぎやすかったという時代背景を忘れてはいけません。

現在40代の手取りが400万円の方なら、23年前で換算すると手取りで482万円〜486万円の人と同水準という計算です。

逆に昔50歳の手取りが500万円の人は現在手取りで換算すると407万円の人と同水準なので、時代背景を加味した差で考えるのが妥当となるわけです。


どれだけ節約や副業を頑張ったとしても税金と社会保険料、控除撤廃で年間35万円以上の差をつけられてしまえば、個人の努力ではどうしようもありません。

日本政府が税金と社会保険料を上げ続けてきた結果、今の給料が形成されていますので、私たち国民はその実態を十分理解していく必要があるはずです。


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