時価総額は13兆円を超え、12期連続で増配を達成したNTT
配当利回りは株価3,783円に対して、3.1%予想と安定した高配当株として投資を検討する人は多いはずです。
今回は決算資料を見る前に、NTTがどんな会社なのか事業内容をまとめていきます。
NTTの事業内容

NTTの事業は主に以下の4事業に分かれます。
【NTTグループの事業セグメント】
- 1. 移動通信(総合ICT)事業:
NTTドコモを中心とした携帯電話サービスを提供、ahamoもこの事業に含まれます。
- 2. 地域通信事業:
NTT東西が提供するフレッツ光(固定の光インターネット回線)
- 3. グローバル・ソリューション事業:
NTTとNTTデータがクラウドサービス、データセンタサービスを提供(先ほど紹介した画像では長距離・国際通信事業とデータ通信事業で2つに分かれてます)
- 4. その他事業:
NTTアーバンソリューションズの不動産事業、NTTアノードエナジーのエネルギー事業
移動通信(総合ICT)事業
移動通信(総合ICT)事業とは、NTTドコモを中心とした携帯電話(スマホ)事業です。
NTTの携帯電話契約数は年々上昇傾向となり、2011年から2022年までの推移を見ると、3G回線が減少し、2020年からは5G回線契約が拡大しつつあります。

2022年1Qまでの決算資料を見ると、5G回線の移動ブロードバンド契約の進捗がわかります。

2021年3月末時点で309万件だった5Gの契約数が2022年6月末時点では1,378万件までに拡大し、今後も5Gの需要が増していく可能性が高くなっています。
総務省が発表する移動系ブロードバンドの契約数推移を見ても2013年より右肩上がりの状況は続いており、市場全体として拡大傾向にあるため、ここからの利益拡大も当面は揺るがない事業基盤となりそうです。

加えて、NTTドコモは他の通信会社に比べて若干ではありますが、解約率は低い傾向にあります。

地域通信事業
地域通信事業とは、光インターネット回線など固定ブロードバンドを提供する事業です。
NTTのブロードバンド契約数は移動も固定も右肩上がりで進捗しています。

ですが、固定ブロードバンドは移動ブロードバンド比べて成長率が低くなってるのが現状です。

日本の人口減少がどんどん進んでいけば、住居や事務所での固定光回線の需要は減少傾向に転じてしまう危険性もあります。そこで、NTTでは農畜産業にICTを活用する研究を進めています。
出典:NTT アニュアルレポート2021ビジネスでの通信利用が進めば、新たな産業に生まれかわり、人口減少する日本だからこそ価値のあるビジネス展開とも言えます。
2022年1Q決算資料を見ると、直近のフレッツ光(固定回線のみ)の契約数は減少傾向に落ちいています。対してプロバイダやひかり電話などの別サービスとのセット販売になる光コラボでの契約数が伸びているのが現状です。

2021年時点では、NTTの営業利益の約24.5%を占める地域通信事業ですが、今後どのように進捗していくのか、投資をするなら予想を立てておきたい部分となります。

グローバル・ソリューション事業
グローバル・ソリューション事業とは、文字通り国内外の通信に関わる事業です。
カナダにある空港のシャトルバスをオンデマンドで送迎する通信システムや、働く場所や端末を選ばない柔軟な働き方に合わせた業務環境を提供する「ゼロトラストセキュリティサービス」などを担当する事業です。
事業規模は営業収益で3兆円を超えています。
出典:NTTクラウド市場はAmazonやMicrosoftが牽引するように活況な市場となっており、NTTが提供するシステムインテグレーションサービスもその恩恵を受ける可能性があると思います。
ただし、既存の回線事業と比べると営業利益率が低いのは気になります。
NTTは元国営企業
NTTの前身は「日本電信電話公社」といって国が運営する国営企業でした。
1985年に民営化されましたが、大株主は財務大臣となります。

保有割合で見れば、34%も財務大臣が保有する企業となっています。