MUFGの事業内容

三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)がどんな会社なのか。

2022年1Qの決算資料を見ると、MUFGの営業純益は3ヶ月で4,291億円に達しています。

事業別営業純益
出典:MUFG

稼いだ4,291億円の事業内訳が市場、GCIB、など合計7つの事業から収益を上げていることがわかるはずです。

まずはこれら事業の詳細を説明していきます。


デジタルサービス(DS)

デジタルサービス(DS)事業とは、国内の個人および法人を対象としたインターネットバンキングや投資診断サービス(Money Canvas)を提供する部門です。

ネットバンキング継続利用者
出典:MUFG

2021年末時点ではインターネットバンキングの利用者は800万人を超え、店頭での口座開設よりアプリ経由での開設数が上回っています。


法人リテール(R&C)

法人リテール事業は国内の個人および法人を対象とした貸出、資金決済、資産運用や相続・不動産など幅広い金融サービスする部門です。

普段私たちが利用する銀行窓口やATMなどの利益はR&C部門に集約されます。


グローバルCIB(GCIB)

グローバルCIB(コーポレート&インベストメント・バンキング)とは、世界中の大企業を対象にした投資や貸出、社債受託販売などを請け負う部門です。

GCIB
出典:MUFG


グローバルコマーシャルバンキング(GCB)

グローバルコマーシャルバンキング事業とは、ダナモン銀行や・ヴィエティン銀行などアジアを中心とした国外のパートナーバンクにて法人や個人への金融サービスを提供する部門となります。


コーポレートバンキング(JCIB)

コーポレートバンキングとは、日本の大企業へ資金を貸し出す部門です。

MUFGでは貸し出す対象によって担当する部署がことなり、以下のように把握することができます。

【貸出の対象と担当】
  • 大企業(国外):GCIBが担当
  • 大企業(国内):JCIBが担当
  • 一般企業と個人(国外):GCBが担当
  • 一般企業と個人(国内):R&Cが担当


受託財産(受財)

受託財産部門とは、退職金やお金持ちの財産を運用する部門です。国内外の個人から資産を預かって資産運用するだけでなく、企業年金制度の運営など企業を支援する事業も含まれます。


市場

MUFGの市場事業とは、預かった顧客資産(銀行預金)を使って債券や株式の売買および運用を行う部門となります。顧客向けのビジネスとMUFGの資産と負債を運用するトレジャリー業務が主なビジネスです。


日本一の資産を持つMUFG

次はMUFGのバランスシート(貸借対照表)を見ていきましょう。

MUFG-BS
出典:MUFG

MUFGの総資産は2022年6月末時点で386兆円です。

これは日本企業の中で最も多い総資産となります。

世界ランキングで見ると、2022年では第6位となり、MUFGは超リッチな企業となります。



銀行の預金は負債

バランスシートに話を戻しますが、一般的な企業が現金を保有する場合は通常「資産」として計算しますが、銀行業の場合の現金の多くは顧客からの預かり資産であり、MUFG側から見ると「負債」として扱われます。反対に銀行が貸し出す住宅ローンや法人への融資については資産として扱うので、銘柄分析が慣れていない方であれば、ややこしく感じるはずです。

負債のうち、個人預金が89兆円、法人預金が78兆円も占めており、日本人のお金の動向が反映されていると言えます。

一般的に銀行預金が増える時は個人や企業がリスクを取りたくない時や政府が給付金をばら撒くまど、経済が不景気気味です。反対に預金が減る時というのは、企業が設備投資をしたり、個人が旅行や買い物などの消費に活発になる時で、好景気時に多くなります。

貸出金と預金の推移
出典:MUFG

1990年以降、日本に好景気などあったのかと考えてしまいますが、あくまでも一般的な理解です。