投資信託に対する意識調査
2022年8月、野村アセットマネジメントが20歳以上の24,153名を対象にした「投資信託に対する意識調査」を公開しました。実施は2022年3月22日〜28日となります。
投資信託を保有する理由
調査によれば、投資信託の保有者率は20代から50代までは前年比でプラスとなっており、中でも30代の増加傾向が高くなっていました。

対して、60代、70代においては他の年代に比べると比較的高い保有者比率ですが、前年と比べると減少する結果となっています。
加えて、投資信託を保有するキッカケが「預金金利が低いから」がどの年代においても比較的高い理由となっています。

別の質問で投資信託を利用する理由を調査したところ、過半数以上が「預金しておくよりも利益が得られる可能性が高いから」と回答しています。

預金と投資は全然違う
たしかに銀行金利と投資信託の利回りを考えれば、投資信託を保有し続ける方が資産形成は大きくなりやすいかもしれません。
ですが、預金と投資信託は似て非なる金融商品です。
「預金 = 投資信託」と考えてしまうのは危険ですので、今一度預金と投資信託のメリット、デメリットを比較しておきましょう。
<銀行預金のメリット>
- 預けている資産は短期的に減らない
- 銀行が倒産しても1,000万円まで保証される
<銀行預金のデメリット>
- インフレにより長期的に目減りする
- 金利の相場は0.001%と低すぎる
<投資信託のメリット>
- 預金より利回りが良い
- 長期的な資産運用は成功率が高い
- 販売会社および運用会社が破綻しても信託財産に影響はない
<投資信託のデメリット>
- 必ず株価が暴落する
- 引き出す時に資産が減る可能性がある
特に注意して頂きたいのは、投資信託のデメリットです。
銀行預金よりもリターンが高い分だけ、投資のリスクも高くなります。過去の株価暴落(ITバブルやリーマンショック)を見れば、資産が半分近くまで下落する可能性があり、預金を投資信託へ移動させる金額が大きいほど、万が一のリスクも大きくなってしまいます。
ただし、この短期的には投資信託のデメリットは大きいものになりますが、人生を長期的に考えると、銀行預金にも大きなリスクがあります。
預金と投資リスクの違い
銀行預金のリスクとは、インフレによる資産の目減りです。
インフレとは、モノ(商品やサービス)の価値が上がること。
例えば、ディズニーの1DayPassチケットが36年前3.900円だったのが、2022年時点では7,900円から9,400円の間(日によって価格が変動する)で販売されています。
「サービスの価値が上がる」ということは、「お金の価値が下がる」こととイコールです。36年前であれば1万円でディズニーに2回は行けたのに、今日現在では1万円あっても1回しか行けません。つまり、1万円の価値が下がり、ディズニーチケットの価値が上がった(これをインフレといいます)と考えられます。
今7,900円〜9,400円のディズニーチケットは36年前は3,900円で販売されていたんですよね。万年デフレの国で来園者数も価格も右肩上がりにできる企業はコロナ後も強いんじゃないかなと思います。 pic.twitter.com/4rH2uIvFX3
— Gaz(ガズ)@ブログ更新中 (@gazooblog) June 11, 2022
世の中のモノの価値は比較的緩やかに上昇していくのが一般的ですので、お金の価値もインフレに合わせて緩やかに下落していきます。
銀行預金でお金を貯め過ぎてしまうと、銀行預金に預けているお金の価値が長期的に目減りしていくことは過去の長い歴史から見ても、ほぼ確実です。
銀行預金とは、このインフレの影響を受けてしまうため、長期的に保有し続けることでリスクが高い金融商品となっていまいます。
ここまでの話をまとめると、以下の2つをバランスよく保有することが大切になります。
- 預金:
短期的には資産が減らないが、長期的にはインフレで資産が減ってしまう
- 投資信託:
短期的には大きく資産が減ってしまう可能性が高が、長期的には資産が増えやすい
どちらか1つだけだと、お互いのリスクをカバーすることができません。
貯金と投資の最適な割合
先の調査でも積立投資をしない理由として「投資する資金がないから」が最も多くあがりましたが、最適な現金と投資の比率を勉強することによって、本当にお金がない状態なのか、それとも実は投資余力がある状態なのかを見極めることができるようになります。
詳しくは以下の記事でまとめていますので、よろしければご覧ください。