麦わら帽子は冬に買え

株式投資の「安い時に買え、高い時に売れ」という相場の格言がいくつかあります。

その1つが「麦わら帽子は冬に買え」という相場の格言です。

【麦わら帽子は冬に買え】
    麦わら帽子やサンダル、スノーボード、冬のコートなど季節によって大きく需要が増す商品に関しては、オフシーズンに購入後オンシーズンで売却することで安値で仕入れて高く売ることが出来ます。
    投資においても需要が高まっている銘柄に手を出すと高値でつかまされることがありますが、需要が高まる前であれば安値で仕入れることが出来ますし、需要が高まった後に売却すれば、利益を生み出しやすくなります。

その他にも「安物買いの銭失い」「人捨てれば我取り、人取れば我興う」「金儲けの秘訣は、人が買ってくれというときに買い、人が売ってくれというときに売ること」「人捨てるとき、我これを拾う」という格言が存在し、昔の歴史書や格言として伝えられています。

投資に限ったことではありませんが「安い時に買って高い時に売る」という行為は利益を生むために欠かせない要素です。


安い時に買って高い時に売る

肝心なのは、投資ではどうやって「安い時に買って高い時に売る」ことが出来るかです。

投資には様々な技法やスタイルがありますが、今回はメジャーなテクニカル分析の1つである「移動平均線」で解説したいと思います。


余談ですが、移動平均線には「単純移動平均線(SMA)」「指数平滑移動平均線(EMA)」「加重移動平均線(WMA)」と種類がありますが、今回使うのは単純移動平均線です。

それぞれの違いを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。



S&P500と移動平均線

まずは2022年8月10日時点での米国の代表的な株価指数に200日移動平均線を引いていきます。

200日移動平均線とS&P500


移動平均線の基本として、移動平均線の下側に株価がある場合は「売り優勢」となり、移動平均線から株価が離れるほど「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を示すものとされています。

加えて、株価というのは移動平均線に近づくことと遠ざかることを繰り返す習性があります。


直近の株価を見ると、S&P500は6月中旬付近で売られ過ぎた株価が習性通り、移動平均線に近づいています。

200日移動平均線を投資の判断材料とするならば、4月以降から8月10日までのS&P500は売り優勢(もしくは、買われすぎていない)と判断できるため、安値で仕入れられる可能性が高いと言えます。

ただし、200日移動平均線を投資判断に用いて良い投資家は長期目線で投資をする投資家のみです。


短期の移動平均線

次は同じS&P500に25日移動平均線を引いてみましょう。

25日移動平均線とS&P500


25日移動平均線を引くと、8月10日時点でのS&P500の価格は移動平均線よりも上にあります。

移動平均線よりも株価が上にあるということは、先ほどとは判断が逆で短い期間においては「買われ過ぎ」と判断することができます。

買われ過ぎた株価はどこかで調整され、今後移動平均線に近づいていく可能性があります。

そのため、短期で売買を繰り返したい投資家にとっては今買うのは「高値で掴んでしまう」可能性が高くなりますので、購入タイミングを遅らせるか、長期目線に切り替える必要があると言えます。


まとめ

今回は投資の鉄則である「安く買って高く売る」を判断する方法の1つとして、移動平均線を紹介しました。

内容をまとめると、以下の通りです。

【まとめ】
  • 「安く買って高く売る」は投資の鉄則
  • 移動平均線で売買の優勢度合いを図る
  • 移動平均線から株価が離れるほど後の株価は調整されやすい
  • 8月10日時点の株価は長期で見れば安く、短期で見れば高い

世の中には様々なテクニカル分析があり、ファンダメンタルで判断することもできるため、移動平均線はあくまでも投資判断の1つにしか過ぎません。

ですが、ご自身の投資の時間軸を見直したり、自分の投資スタイルを考え直すキッカケとして見て頂ければ嬉しいです。