VIXの季節性
投資家の心理状態を表すVIX指数(Volatility Index、通称:恐怖指数)には季節性があるのはご存知でしょうか。
上がりやすい時期、値動きが発生しにくい時期を知っておくことによって、相場の揺れに動じず冷静な投資判断が出来るはずです。
今回は過去の値動きとともにVIX指数の季節性について解説をしていきます。
直近の値動き
まずは過去5年間のVIX指数の値動きを見ていきます。

上記は2018年から2022年までの月末終値の推移となりますが、VIX指数が30を超えたのは、以下の8回
【VIXが30を超えた月】
1月:2021年
2月:2020年、2022年
3月:2020年
4月:2020年、2022年
6月:2020年
10月:2020年
2018年は年末にかけてVIXが上昇し、2021年は1月が30を超えていました。
しかし全体的に見ると、2020年と2022年以外の3年間に関しては30を超えることがなく、あまり季節性も感じられないように思えます。
5年という期間の中では、VIXの規則性や季節性については十分に観測できないため、期間を伸ばして検証してみることにします。
平均騰落率
以下は過去30年間の平均騰落率と騰落率の中央値です。

1月、2月、7月、8月、10月、12月においてVIXは上昇しやすく、中でも8月の騰落幅が最も大きくなっています。
過去の最大値と最小値を見ても、8月のVIX上昇には季節性があると考えて良いと思います。

ただし、あくまでも規則性の話であって、将来必ずそうなるということではありません。
8月のVIXが上昇し、思わぬ方向にS&P500や米国株が変動するかもしれませんが、8月は変動しやすい時期ということを念頭におけば、焦ったトレードもしにくいはずです。
上がりやすい時期と下がりやすい時期
先ほど紹介したデータを元に上がりやすい時期を考えると、以下の通りです。
【上がりやすい時期】
- 1月
- 2月
- 6月
- 7月
- 8月
- 10月
- 12月
【下りやすい時期】
- 3月
- 4月
- 5月
- 11月
特に8月と2月には注意が必要ですね。VIXが急激に上昇すると、相場が荒れて「狼狽売り」「高値を掴まされたり」する可能性が高くなっていきます。
冷静な判断をするためにも激しい値動きには慣れておく必要があると思います。