全世界株式インデックスファンド
つみたてNISAで全世界株式インデックスファンドを投資先に選ぶ人は少なくないと思います。
【主要な全世界株式の投資信託】
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全世界株式(楽天VT)
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- SBI・全世界株式(雪だるま全世界株式)
- eMAXIS全世界株式
ただし、上記銘柄全てが同じベンチマーク(運用目標とする基準)ではありません。
全世界株式のベンチマークは2種類存在します。
【全世界株式のベンチマーク】
- MSCI ACWI
- FTSE Global All Cap Index
上記ベンチマークの大きな違いは投資対象になります。
MSCI ACWIとFTSE Global All Cap Indexの違い
MSCI ACWI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル・オールカントリー・ワールド・インデックス)は先進国23カ国及び新興国23カ国に上場する大・中型株を対象に2,895社(2022年6月末時点)で構成された指数です。
対して、FTSE Global All Cap Indexは全世界の大型株から小型株まで9,399社(2022年6月末時点)を網羅している株価指数となります。
よってFTSE Global All Cap Indexの方が対象銘柄が多く、世界中の小型株まで網羅しているベンチマークです。
セクター | MSCI | FTSE |
情報技術 | 20.86% | 20.43% |
金融 | 14.46% | 14.35% |
ヘルスケア | 12.95% | 12.25% |
一般消費財 | 11.06% | 13.55% |
資本財 | 9.4% | 13.14% |
通信 | 7.93% | 3.12% |
生活必需品 | 7.61% | 6.64% |
エネルギー | 4.99% | 5.13% |
素材 | 4.77% | 4.28% |
公益 | 3.17% | 3.40% |
不動産 | 2.81% | 3.70% |
2022年6月末時点でのセクター比率で見ると、FTSEは資本財セクターの比率が高く、MSCIは通信セクターの比率が若干高くなっています。それ以外のセクターにおいては似ているポートフォリオです。
次は投資先の国で見ていきます。
国 | MSCI | FTSE |
米国 | 60.63% | 59.23% |
日本 | 5.45% | 6.15% |
中国 | 4.14% | 3.97% |
英国 | 3.9% | 4.11% |
カナダ | 3.18% | 3.15% |
その他 | 22.7% | 25.77% |
MSCIは米国と中国への投資比率が若干だけ高く、FTSEは日本やその他の国への投資比率が高くなっています。ただし、それほど大きな差ではないため、どちらも似たようなポートフォリオと見るべきです。
運用実績の違い
両者のパフォーマンスを比較すると、ポートフォリオ通り似た実績になっています。
集計期間 | MSCI | FTSE |
3ヶ月 | -15.66% | -15.6% |
YTD | -20.18% | -20.0% |
1年間 | -15.75% | -15.9% |
3年間 | 6.21% | 6.5% |
5年間 | 7.00% | 7.2% |
10年間 | 8.76% | - |
設定来 | 5.41% | - |
ETFで比較
もう少し細かく見るために両者の指数に連動したETFで検証してみます。
【各指数に連動するETF】
- MSCI ➡︎ iシェアーズ MSCI ACWI ETF
- FTSE ➡︎ Vanguard Total World Stock ETF (VT)
Google Financeで両者のチャートを確認すると、ほぼ一緒の動きであることもわかりました。
出典:Google Financeまとめ
全世界株式インデックスを投資先として選択する際「小型株を含めるべきか」という議論について、2022年6月末時点での結果を見ると、正直どちらでも運用パフォーマンスは変わりませんでした。
一般論で言えば、小型株よりも大型株の方がボラティリティは低く、安定していると言われます。
堅実に運用されたい方は大型株、多少でもリスクを取って運用実績を伸ばしたいと考える方は小型株を含めたインデックスを選択していくという考え方が良いのかもしれません。