レバナス投資から学ぶ2つの失敗

投資において最も重要なことは、過去の失敗から学び、自分の投資ルールを最適化していくことだと思います。

失敗から何も学ばず、同じ失敗を繰り返して資産を減らす人は投資家に向いてないです。

最近話題のレバナス投資からも私たち投資家は学べることが2つあると思いましたので、それらをまとめていきます。


ここまでの運用結果

まずは2018年10月から2022年6月までの3年9ヶ月間、毎月1万円をレバナスとS&P500へそれぞれ投資した結果から見ていきましょう。

レバナスS&P500比較

最終的な利益は以下の通りです。

【iFreeレバレッジ NASDAQ100】
    22年6月末の運用残高:543,309円
    運用益(税引前):+93,309円

【eMAXIS Slim米国株式(S&P500)】
    22年6月末の運用残高:641,730円
    運用益(税引前):+191,730円

税引前の運用益はレバナスよりもS&P500が2倍以上上回る結果となりました。

この期間での投資結果としては、S&P500が圧勝したと言えるでしょう。

レバナスが大敗した理由が2つあると思います。


レバレッジは長期に向かない

1つ目は再三言われていることですが、レバレッジETFは長期投資には向きません。

以前、日経平均株価でレバレッジ効果を検証したことがありますが、その際もレバレッジ倍率が高いほど儲からない結果となりました(将来の株価を保証するものではありません)。

レバレッジ比較

加えて、金融庁でもレバレッジETFは長期投資に向かないと、注意喚起を以前から出しています。


2012年以降から2021年末までは急激な株価成長が見られたNasdaq100指数ですが、上昇相場から遠のくと急に株価が成長しなくなる結果となりました。


レバナスは集中投資だった

Nasdaq100は指数(インデックス)として捉えられがちですが、セクター比率を見るとGAFAMや情報技術セクターなどへの偏りが強く、セクターの分散性がS&P500や世界株に比べて低くなっています。

QQQ portfolio
出典:invesco

上記はNasdaq100指数に連動するETF「QQQ」のポートフォリオですが、情報技術(informationTechnology)セクターへの投資が50.33と半数以上を占めており、レバナスは情報技術セクターへの集中投資と言えます。


そして2022年上半期は情報技術セクターが最も日の目を見ずに、XOMやCVXなどのエネルギーセクターが牽引するトレンドとなりました。


セクターパフォーマンス
(2022年7月6日まで)
セクター 年初来リターン
エネルギー13.71%
公益事業-3.28%
生活必需品-8.01%
ヘルスケア-11.90%
素材-17.49%
金融-17.99%
資本財-19.11%
不動産-20.91%
通信-26.10%
一般消費財-28.99%
情報技術-30.74%

情報技術セクター、一般消費財、通信以外のセクターが成長している時、レバナスの成長は鈍ります。

市場サイクルを考えれば、同じセクターが長い間トップを走り続けることは、ほとんどありません。

そのトレンドを無視してレバナスの株価上昇を盲信してしまうと、投資はハイリスクになってしまいます。


まとめ

ここまでのレバナスの動きから学べることは、レバレッジ効果と情報技術セクターへの投資を盲信し過ぎないことです。

強い上昇が期待できないのであれば、レバレッジを止めて現金比率を高めたりすることも1つ。

市場のトレンドが読めない場合は資産の分散比率を高めることも投資の常套手段です。

失敗から何も学ばず「情報技術セクターは今後必ず上がるはずだ」と盲信し過ぎると、後で取り返せないほどのマイナスになる可能性を考えられなくなってしまいます。


投資で大切なのは、生き残ること。

大きなリターンを狙い過ぎると、大損につながる可能性が高くなってしまいます。