S&P500はAppleやMicrosoftなど時価総額の大きい銘柄に株価が連動しやすい特徴を持っています。

では、セクターで見た場合にはどのセクターとの相関関係が強いのかが気になったので調べてみました。


S&P500とセクターETFの相関関係

以下はS&P00に連動するETFであるVOOとの相関係数を一覧にした表になります。


米国セクターETFの相関係数(2010年10月-2022年5月)
Ticker 相関係数 年間リターン
VOO1.0013.86%
VCR0.9315.90%
VIS0.9212.04%
VGT0.9018.71%
VAW0.8810.94%
VFH0.8711.91%
VHT0.8315.34%
VOX0.787.23%
VDC0.7211.76%
VNQ0.709.80%
VDE0.666.33%
VPU0.4111.57%

相関係数は「1に近いほど相関が高く、0に近いほど相関が低い」という見方をします。

VOOとの相関が高く同じような値動きをするのは一般消費財セクターETF(VCR)や資本財セクターETF(VIS)、対してVOOと値動きが似てないセクターは公益事業セクターETF(VPU)やエネルギーセクターETF(VDE)ということになります。

一般的には±0.4より数字が小さいと「相関がない」と判断しますが、今回のセクターETFはすべて相関があると考えられます。


相関が低い = 分散効果が高い

相関が低いということは、一方の株価が大きく下げても、もう一方の株価はそれほど下げなかったり、上がったりするような現象が強くなるということです。

今回、相関が低かったVPUとVDEをVOOの値動きと比較すると、以下のようになります。

VOOとVPUとVDE(2022年前半)
出典:Google Finance

今年2022年の相場ではVOOが12.99%下げたのに対して、VPUとVDEの株価は上昇しています。

あくまで市場サイクルの1つですが、GAFAMやTesla、NVIDIAのような銘柄が含まれるセクターは今年のような相場に弱く、原油が高騰したり、インフレが高まるとエネルギーセクターや公益事業セクターは強いということです。

ポートフォリオの分散効果を高めつつ、資産減少を抑えたいという投資家は相関の低い銘柄を調べてみるのも1つだと思います。

その際は長期での値動きにも注意しておきましょう。

VOOとVPUとVDE(長期)
出典:Google Finance

先ほどの銘柄を長期で見ると、2010年以降はVOOとVPUはあまり大きな下げがありません。

ですが、VDEに関しては市場のサイクルにかなり影響を受けており、値動きが激しくなっています。

また最初で紹介した表にあるようにVDEの年間平均リターンは6.33%とVOOに比べてかなり低くなっていました。

長期で資産を動かす場合には十分に気を付けておきたいリスクとなります。