子供の養育費
子育てに関するお金って結構かかりますよね。
日本学生支援機構の調査結果によれば、公立と私立学校にかかる費用と教育外でかかる費用は以下の通りです。
年齢 | 公立 | 私立 | 生活費 |
0歳 | 0円 | 0円 | 93万円 |
1歳 | 0円 | 0円 | 88万円 |
2歳 | 0円 | 0円 | 94万円 |
3歳 | 22万円 | 50万円 | 104万円 |
4歳 | 22万円 | 50万円 | 120万円 |
5歳 | 22万円 | 50万円 | 116万円 |
6歳 | 22万円 | 50万円 | 122万円 |
7歳 | 32万円 | 160万円 | 111万円 |
8歳 | 32万円 | 160万円 | 106万円 |
9歳 | 32万円 | 160万円 | 113万円 |
10歳 | 32万円 | 160万円 | 113万円 |
11歳 | 32万円 | 160万円 | 124万円 |
12歳 | 32万円 | 160万円 | 127万円 |
13歳 | 48万円 | 140万円 | 153万円 |
14歳 | 48万円 | 140万円 | 153万円 |
15歳 | 48万円 | 140万円 | 161万円 |
16歳 | 45万円 | 96万円 | N/A |
17歳 | 45万円 | 96万円 | N/A |
18歳 | 45万円 | 96万円 | N/A |
19歳 | 60万円 | 131万円 | 66万円 |
20歳 | 60万円 | 131万円 | 66万円 |
21歳 | 60万円 | 131万円 | 66万円 |
22歳 | 60万円 | 131万円 | 66万円 |
合計すると、公立で約2,960万円、私立では4,540万円程度もの養育費が必要になります。
家計資産の相場
一方、子育て世代の金融資産残高を見てみると、30代では中央値400万円となっています。
年齢 | 平均値 | 中央値 |
20代 | 292万円 | 135万円 |
30代 | 591万円 | 400万円 |
40代 | 1,012万円 | 520万円 |
50代 | 1,684万円 | 800万円 |
60代 | 1,745万円 | 875万円 |
70代以上 | 1,786万円 | 1,000万円 |
仮に30歳で出産するとなると、約430万円の労働収入と400万円程度の金融資産を持った状態で子育てが始まることとなるわけです。
子育て費用を工面する
労働収入だけで養育費を工面できない場合、金融資産を切り崩す必要が出てきます。
その際、つみたてNISAやジュニアNISAのような非課税口座を先に取り崩すべきか、それとも課税口座から取り崩してNISAは投資を継続するべきか。
資産を取り崩す優先順位に悩む人も多いはずです。
おそらく、考えられる打ち手は以下の5通りです。
【養育費捻出の打ち手】
- 1. 課税口座だけ投資を止める
- 2. 新規投資を全て止める
- 3. 課税口座だけ取り崩す
- 4. 非課税口座だけ取り崩す
- 5. 全金融資産を取り崩す
養育費があまりかからない場合は1番の方法で養育費を工面するのが最も資産を減らすことが少なくて済みます。
そして養育費がかかりすぎる場合には、5番を選択するしかありません。
問題は2番から4番の選択です。
資産を全部取り崩す必要はないが、どの資産から手を出す方が効率良く資産を守ることができるのか。
それを今回は検証していこうと思います。
NISAと課税口座どちらから取り崩すべき?
それぞれの家計状況によって、どれぐらい養育費がかかるのか、資産をどれぐらい保有しているのかで結果は大きく変わってしまいます。
その点はご了承ください。
今回は以下の設定で検証することにします。
【家計資産状況の設定】
必要な養育費:80万円/年
非課税口座資産:200万円
非課税口座への投資額:40万円/年
課税口座資産:200万円
課税口座への投資額:40万円/年
金融資産の平均成長率:5%(税引前)
非課税口座の種類:つみたてNISA(20年後も入金は継続されるものとする)
※計算が複雑になるため、課税口座の含み益はないものとします。
投資資金を全て養育費に充てる
まずは子供が0歳になった時点で年間80万円使っていた投資資金を全て養育費に充て、今後つみたてNISAや課税口座への新規投資を一切しない場合の資産推移を見ていきましょう。
400万円あった金融資産は年率5%の株価成長によって、子供が22歳になる時点では1,057万円にまで成長する可能性があります。
課税口座の資産推移は利益に対して20.315%の税金が加味される分だけ、非課税口座の資産推移よりも遅くなります。
最終資産はそれぞれ、つみたてNISAの資産額が585万円。
課税口座の資産額が472万円(税引き後)となります。
課税口座だけを取り崩す
次はつみたてNISAの投資は年間40万円を継続し、課税口座から毎年40万円を取り崩す場合の資産推移です。
課税口座から毎年40万円の資産を取り崩すと、200万円あった課税口座資産は6年目にして残高0となります。
つみたてNISA口座への投資は6年目となると満額40万円を投資することができなくなります。
つみたてNISAの6年目の投資額は約30万円、7年目以降は養育費が足りなくなるため、つみたてNISAの新規投資は7年目でストップです。
それでも最終資産は先ほど投資を全て止めた場合よりも多い1,187万円まで到達する見込みです。
非課税口座だけ取り崩す
最後は非課税口座にある資産を取り崩す場合の資産推移です。
200万円あったつみたてNISA口座の資産を取り崩すと、こちらも6年目で残高が0となります。
6年目の養育費はつみたてNISA口座から取り崩した後27万円足りなくなります。
そのため、6年目の課税講座への投資額は約13万円で7年目以降は新規投資ができなくなります。
最終資産は検証したパターンの中では最も少ない933万円となりました。
まとめ
子育て費用を捻出するために金融資産の取り崩しを考える場合、
大前提としては投資額をなるべく減らさず、資産の取り崩しも最小限に抑えるのが一番です。
ですが、資産もしくは投資費用から子育て費用を充てるなら「非課税口座への新規投資はやめず、課税口座資産の取り崩しから始める方が将来の資産は増えやすくなりそうです。
ただし、株価が急激に変動することもあるので、必ずそうなるとは言い切れないこともご理解ください。
参考になれば幸いです。