VIX30押し目買い投資戦略

最近、VIX指数が30以上になったら「買い場」というツイートを見ました。



【VIX(恐怖指数)とは】
    VIX(Volatility Index)とは、未来の株価が大きく変動しそうな時に上がる指数です。
    別名、恐怖指数とも言われています。
    指数(数値)はS&P500先物のオプション取引から算出され、機関投資家が未来の株価に対してリスクヘッジをかけるほど、数値が上昇します。逆にリスクヘッジ(オプション取引)が少ない時のVIXの値は低くなります。

実際に高いパフォーマンスが期待できるのか、自分で検証してみようと思います。


検証する条件

今回検証するデータの条件としては、以下の通り。

【検証する条件】
    投資先:S&P500
    比較対象:毎日千円の積立投資
    投資時期:VIX30を超えた日の終値
    投資期間:2000年1月3日~2022年4月26日
    投資金額:その日までの積立投資と同等額
    為替:その日のドル円レートを参照

投資時期と金額については補足すると、例えば積立投資で10万円分投資した日にVIXが初めて30を超えたとすると、VIX30投資では積立投資と同等額である10万円を同じ日に投資します。

また2回目にVIX30を超えた日の積立投資の総投資金額が15万円だとすると、2回目のVIX投資は5万円を同じ日に一括投資するという手法で二つの投資金額を揃えて検証していきます。

もっと簡単に言えば、積立投資もVIX30投資もどちらも投資額は一緒で、投資するタイミングだけが違うという状況下で検証を行うこととします。


投資結果

では次に両者の資産推移を見ていきます。

VIX30投資1


水色のグラフがVIXが30を上回った時にだけ投資をした資産推移、ピンクのグラフが毎日千円ずつS&P500へ投資をした資産推移となります(灰色はその日までの投資金額です)。

見ての通りですが、VIXのタイミングを見て投資するよりも毎日千円ずつ投資をしている方がパフォーマンスが一貫して高いことがわかります。

VIX30投資が積立投資のパフォーマンスを上回る時期はほとんどありません。


なぜこのようなことが起こるのか。

主な理由が2つありますので、それらを解説していきます。


複利で差が開く

VIX30投資2


上記は2000年1月3日~2022年4月26日までの間、VIX30投資と積立投資の資産差の推移です。

長い間VIXが30を超えなければ、積立投資とVIX30投資の差はどんどん広がっていきます。

しかし、VIXが30を超えて一括投資が完了すると、赤い矢印があるように一気に両者の資産差が縮まります。

繰り返しになりますが、VIXが30を超えない期間においては毎日積立投資との差がどんどん広がり、VIXが30を超えた時点で一括投資をすると、両者の資産差が縮まっているということです。


そして注目するべきは、時間が経つごとに両者の資産差が徐々に広がっているというところです。

VIX30投資3


VIXが30を超えて投資をするたびに、どんどん0からの距離が遠くなり、資産差が開いていることがわかります。

たった千円ですが、少額でも先に投資をしている方が時間によって複利効果が大きくなり、資産差が開きます。

資産の差は時間をかけるほど大きくなり、後から挽回しようとするほど不利です。

つまり、タイミングを見極めている間に「投資をしない期間」を作り過ぎてしまったことが、1つ目の敗因ということになります。


時期の偏りが大きい

2つ目の敗因はVIXが30を超えるタイミングは、偏りが大きいことです。

2000年1月3日から2022年4月26日までの間、VIXが30を超えた日数を調べてみました。


VIXが30を上回った日数
回数 発生率
2000年14回5.56%
2001年60回24.19%
2002年95回37.70%
2003年42回16.67%
2004年0回0.00%
2005年0回0.00%
2006年0回0.00%
2007年4回1.59%
2008年83回32.81%
2009年122回48.41%
2010年31回12.30%
2011年80回31.75%
2012年0回0.00%
2013年0回0.00%
2014年1回0.40%
2015年5回1.98%
2016年3回1.19%
2017年0回0.00%
2018年11回4.38%
2019年0回0.00%
2020年105回41.50%
2021年12回4.76%
2022年25回31.65%
合計693回12.34%

すると、約22年間でVIXが30を超える確率は12.34%

8日1回のペースでVIX30を超える可能性があり、全体で見ればまずまずの結果だと思います。

しかし、1年ごとに超えた日の日数を見ると、1年間で全く超えない年もあれば、120回以上超える年もあり、超える時期と超えない時期の偏りが大きいこともわかるはずです。

こうなると、投資をしない期間が長くなってしまい、結果として安値で買うチャンスを逃してしまいます。

VIXが30を超える頻度に加えて、間隔が開き過ぎてしまうことが積立投資に勝てなかった要因の1つになります。


まとめ

今回の内容をまとめると、以下の通りです。

【今回のまとめ】
  • VIX30で投資するより、毎日積立する方が投資効率が良かった
  • タイミングを図ることで投資している期間が短くなり、複利を活かせない
  • VIXが30を超える時期には偏りがあり過ぎて、投資機会を逃してしまう

VIXだけに関わらず、タイミングを測って投資をするのは難しい投資手法です。

以前、S&P500の騰落率を使って投資をする方法も検証していますので、よろしければ以下の記事もご覧ください。