給料の何割を貯金する?

突然ですが、皆さんは毎月の給料のうち何%の金額を貯金に回すことが出来ていますか?

投資の名著でもあるバビロン大富豪の教えでは、「収入の10分の1を貯金せよ」というメッセージがありますが、実際に10%の金額を貯金できる人というのはとても少ない気もします。



日本の貯金比率を調査

内閣府HPに掲載されている「家計可処分所得・家計貯蓄率四半期別速報」を参考に日本人の貯蓄率をグラフにして見ると、以下のようになります。

日本の貯蓄率


日本の貯蓄率の平均値は4.8%、中央値はわずか3.3%(国民平均ではなく、上記貯蓄率データの平均と中央値になります)。

1994年からコロナ前となる2019年まで日本の貯蓄率は、急激な減少傾向を辿っていました。

1994年の貯蓄率が12.3%に対して、大底となる2014年の貯蓄率は0%を下回って、マイナス1.3%にまで下がります。

貯蓄率がマイナスになるということは、給料だけでは生活費を賄うことができずに、貯金を切り崩さないと生きていないことを意味します。


そんな状況も2020年3月以降コロナで外出できなくなると状況が一変し、貯蓄率は二桁台となる11.8%まで回復。

数字だけ見れば、バブル期となる1990年代と同等の水準です。

2019年(貯蓄率2.8%)と2020年を比較すると、4倍以上の金額を貯金に回せている計算となります。

ただし、貯蓄率が高いからといって喜べる状況ではなく、将来への不安は大きくなり国民の支出が冷え込むことで、経済はさらに減速していく可能性が高まっています。


米国の貯金比率を調査

次は世界一の経済大国である米国の貯蓄率を見ていきましょう。

米国の貯蓄率
出典:FRED

米国の貯蓄率は平均すると5〜7%付近を推移しており、2005年以降、途中2013年で一気に落ち込む時はあっても、緩やかな回復傾向です。

コロナ渦では政府の財政出動により国民の貯蓄率は一気に潤いますが、その後またすぐに貯蓄率が低下し、経済が周り始めています。


1990年以降、急激に貯蓄率が下がった日本と緩やかに貯蓄率が回復してきた米国のGDP(国内総生産)を比較すると、成長差は明らかです。

日米のGDP比較
出典:tradingeconomics.com

まとめ

今回の要点をまとめて見ると、以下の通りです。

【貯蓄率のまとめ】
  • 日本の貯蓄率は4.8%程度
  • コロナ前は貯金できない時代あり
  • コロナ渦は日米ともに貯蓄率が上昇
  • 米国の貯蓄率は5~7%で回復傾向
  • 貯蓄率10%を達成できたのはバブル期とコロナ渦だけ

経済成長している米国でさえ、貯蓄率を10%に保つのは難しい結果となりました。

ましてや一般的な日本人が貯蓄率10%を維持することは相当ストイックな節約をするか、平均年収以上に稼ぎを作るかということになります。

たかが貯蓄率10%と侮ってしまっては達成するのも難しそうです。