キャシーウッド氏率いるARK社が電気自動車メーカーのテスラの株価が2026年までに$4,600に達する見込みであることを発表しました。


テスラ株価
出典:Google Finance

2022年4月18日の終値は$1,004.29

ARK社の予想は4年後、今の株価の4.5倍になると言っています。

すごいですよね。。。まあ予想なので確実に当たるわけではありません。


今回はARK社が発表している内容を出来る限り完結にまとめていきます。


2026年Teslaの株価予想

$4,600にまで達するとされる株価予想はある程度の幅があります。

リーマンショックやITバブルのような弱気相場(ベア相場)では、$4,600を達成するのは難しく、$2,900程度以下になる可能性は25%程度あると予想さています。

テスラ株価予想
出典:ark-invest.com

逆に株価が好調(ブル相場)だった場合は$5,800まで達する可能性も25%はあると発表しています。


ベアとブル相場の結果

ARK社はベア相場とブル相場でのテスラの業績も予想します。

相場別予想
出典:ark-invest.com

自動車の生産台数はベア相場でも約10倍、ブル相場なら約20倍近い生産台数を確保すると予想し、運転手なしの完全自動運転型の配車サービス(Autonomous Ride-hail Revenue)が実現すれば約61兆円(1ドル = 127円換算)の売上が見込める予想です。


ARK社の分析結果

ARK社が2026年までに株価$4,600を達成する要因をもう少し詳しく見ていくと、以下の要因があると主張しています。

【テスラ株を押し上げる要因】
  • ロボタクシー事業の開始
  • 生産コストの効率化
  • 自動運転の市場規模


ロボタクシー事業の開始

2026年までのテスラの株価を大きく上昇させる要因は「ロボタクシー事業」だと主張しています。

【ロボタクシーとは】
    完全自動運転された配車サービス(UberやLyftのような事業)のこと。

完成すれば、人(運転手)を使わずに全てロボットが人や物を運ぶため、低コストかつ交通安全性の高い事業が成立します。

既存のタクシー業界、長距離輸送、宅配、郵便などの市場を席巻することにより、相当な収益と利益率を得ることができると予想されます。

2026年時点での売上、EBITDA(税引前の純利益に支払利息と減価償却費を加えた利益)、期待値は以下の通りです。

テスラ売上予想
出典:ark-invest.com

ロボタクシー事業の開始年

ARK社はテスラがロボタクシー事業を開始する年を以下のように予想しています。

ロボタクシー事業開始年
出典:ark-invest.com

最も可能性が高いのは今から2年後となる2024年。

イーロンマスク氏は度々予想を外しますが、ARK社は2026年までにロボタクシー事業が開始されていると主張します。


そして2023年末から2026年までにロボタクシー事業が開始された年毎の株価達成率は以下の通りです。

テスラ成長率と株価予想
出典:ark-invest.com

上記は生産台数の年間成長率を100%にした場合です。

参照先のHPでは「年間成長率」の変数20%〜150%の間で調整することができます。

興味がある方は本記事の最初にある外部リンクをクリックしてみてください。


生産コストの効率化

ARK社はテスラの生産効率にも言及しています。

以下のグラフは前年度の設備投資額を車両生産台数で割った数値です。

テスラ生産コスト
出典:ark-invest.com

1台あたりの設備投資額が2017年$84,000と比べると、2021年時点では10分の1以下となる$7,700にまで下がっています。

そしてARK社の見立てでは、2026年までに$7,000と予想していた生産コストが今回の検証では$2,000にまで下がる可能性があると主張しています。


自動運転の市場規模

テスラの株価を押し上げる3つ目の要因は自動運転の市場規模です。

ARK社の分析によれば、自立走行型のライドシェア(ride-hail)の市場規模は11兆ドルから12兆ドルと推測しています。

完全自動運転型ライドシェアの市場規模
出典:ark-invest.com

ARKの調査では、仕事に関連する移動には時給と同程度の料金を支払う可能性が高く、旅行や仕事以外のことであれば、その半分近くになるとのこと。

ただし、最も市場規模が大きいのは、旅行者向けの市場です。

低所得者および旅行者向けの料金設定は最も低い1マイル当たり$0.25(約32円)ですが、市場規模は5兆ドルの想定です。

その他の市場と1マイル当たりの料金設定は以下のとおりです。

【料金設定と市場規模】
    既存の自動運転:$2~$4/mile
    米国西部:$1/mile($990B = 約126兆円)
    高所得者:$0.6/mile($2.4T = 約307兆円)
    一般的な配車需要:$0.5/mile($2.75T = 約352兆円)
    低所得者 or 旅行者:$0.25/mile($5T = 約640兆円)
    ※()内は市場規模


主要要因以外について

2026年にテスラの株価が$4,600を達成するための主な要因ではないものの、以下の事項も多少は加味されているとのこと。

【株価上昇の小さい要素】
  • ビットコインの保有
  • テスラのエネルギー事業
  • AI事業
  • ロボット事業

ビットコインを48,000枚保有するテスラですが、テスラ株に与える影響(株価上昇率)は5%もないそうです。

企業のビットコイン保有量
出典:CoinGecko

EV事業以外のエネルギー事業、AI事業、ロボット事業においても2026年までに株価に影響を与える可能性は低いという見積です。