日本の株式譲渡益課税

昔、日本の株式譲渡益の税率が非課税だった時があったそうです。

今の税率が20.315%(所得税15%、住民税5%、復興税0.315%)なので、昔の人は景気も良くて、相当良い思いをしたはず。

過去の株式譲渡益課税については、財務省のHPに掲載されています。


全部見ると長くなってしまいますので、要点だけを抜粋して以下にまとめす(財務省のHPは和暦だったり、本当に見ずらくできてますね。。)

【株式譲渡益課税の沿革】
    1947年:総合課税、最大88%
  • 総合課税(他の所得と合算した課税所得に税率をかけて算出する課税方式)
  • 所得税+住民税の最大税率は88%

     ↓
    約6年後
     ↓

    1953年:原則、非課税
  • 原則、非課税
  • 事業類似のもの等は総合課税

     ↓
    約36年後
     ↓

    1989年:原則、課税化
    <以下のいずれかの方式を選択>
  • 申告分離課税26%
    [所得税20%、住民税6%]
  • 源泉分離選択課税20%
    (みなし利益方式)

     ↓
    約14年後
     ↓

    2003年:軽減税率採用で10%へ
  • 申告分離課税への一本化
    (源泉分離選択課税の廃止)
  • 上場株式等に係る税率引下げ(26%⇒20%)
    [所得税15%、住民税5%]
  • 上場株式等に係る軽減税率(20%⇒10%)
    [所得税7%、住民税3%]

     ↓
    約11年後
     ↓

    2014年:軽減税率廃止で20%へ
  • 軽減税率を2013年末もって廃止
  • 一般NISA開始



非課税だった時の株価がヤバすぎる!

非課税だった期間は1953年から1989年のちょうど日経平均株価が"世界最強"と言われていたあの頃。

その時が非課税期間だったとは。。。。

スクリーンショット 2022-04-17 17.45.00
出典:macrotrendsのチャートに期間を追記

この期間に株式投資が非課税だったなんて、おかしすぎる。。というか羨まし過ぎます!

取引回数や売買金額が多かったり、事業類似のもの等は総合課税だったようですが、それでもですよね。


さらに2003年から2013年までの11年間は軽減税率適応で税金が今の半分って。

昔の人は年金や銀行金利だけじゃなく、株式でも相当恵まれていたんですね。

逆に今の若者は不遇過ぎます。。。。オワタ\( ˆoˆ )/


軽減税率と入れ替わるNISA

NISAは2013年までの軽減税率廃止と入れ替わる形で導入された制度となり、軽減税率10%と比べると大分劣って見える気がします。

日本の金融資産を有効活用するためにも1億円以下の利益は全部非課税とかにして頂きたいのが本音ですが、最近では金融所得課税を上げようという検討がされているので、難しそうです。


周辺国の税制と比較

シンガポールやマレーシアなどのアジア周辺諸国を見ると、キャピタルゲイン税を取らない国は少なくありません。



海外から優秀な人材を集めて自国の経済を発展させるには、このように思い切った政策が必要となるはず。

直近25年間のGDP推移を見ても、シンガポールは日本より成長速度が速くなっています。

SingaporeGDP


今後の税率は上がるか?

日本の株式譲渡益は今後どうなるかですが。

多分、上がりますよね。



まともな有識者であれば、金融所得課税なんて意味がないことは明白です。


以前記事にまとめたことがありますので、よろしければ上記記事をご覧ください。