高校で資産運用の授業開始

2022年4月より高校の家庭科で資産運用の授業が開始されたことは株クラ界隈では有名な話。

資産運用は開始年齢が早いほど有利であり、投資教育がなかった世代においては「もっと税金のことを知っておけば良かった」「投資を知っていたらもっと早くから始めたかった」と嘆く大人は少なくありません。

そういう中で社会人になる前からお金の知識を習得できることは、非常に有用です。


高校の授業が退屈過ぎる

高校での授業開始に向けて、金融庁では高校生および教職員に向けた資料や授業動画をそれぞれ公開しました。


これらの資料を使って、日本全国にいる300万人近くの高校生が授業を受けると思われます。

その動画がYouTubeに掲載されていますので、まずは1つ目の動画をご覧ください。



正直に私の感想を申し上げると、退屈すぎて最後まで全部を見ることが出来ませんでした。。。制作者の方には申し訳ない限りです。

私はスライドを確認すれば大抵の主張は予想することができますので、途中からは動画をスキップさせながらスライドだけを確認して全体の流れを把握したという感じです。


これらの資料を高校生に見せて「金融知識を習得させる」には、結構ハードルが高いと思われます。

偏差値が高く成績優秀な金融庁職員の方々が作った資料ですので、きっと頭の良い人であれば理解は十分できるのかもしれません。

しかし、大半の生徒は途中で興味を失って挫折してしまう可能性は高いのではないでしょうか。


アニメや漫画を活用

知識が少ない高校生に関しては、いきなり細かく教えるよりも、全体像を把握してもらう方が先だったりすると思いますし、今だったら漫画やアニメを使ってわかりやすく解説してる書籍や動画を使う方が賢明に思います。

その代表的な例でいえば、両学長のYouTubeチャンネルではないでしょうか。



金融庁の資料を見た後でこちらを確認すると、情報量は少ないものの、内容はしっかりと入ってくるため、学習効率はこちらの方が圧倒的に高いのではないかと想像します。

他にも漫画で書いた資産運用の書籍は沢山出版されていますので、そういう書籍を教材として利用する方が資本主義社会を理解する上でも大切だと思っています。


資産運用の目的

なぜ高校生のうちから資産運用の知識が必要でしょうか。

高校生で給料(バイト代)を稼ぐ人は少ないと思うし、老後を考えるにしても早過ぎると考えてしまうかもしれません。

私なりに高校生が資産運用を学ぶ理由は以下の通りです。

【高校生に資産運用が必要な理由】
  • 資産運用は家計管理から始まる
  • 資産運用は習慣が大切
  • 大半が会社員になる

資産運用は家計管理から始まる

資産運用と聞くと、大抵の方々は株式や不動産などへ投資をすることだと考えてしまいます。

ですが、それは大きな間違いです。

資産運用の第一歩目は「家計管理」となります。

家計管理とは、毎月の支払い内容を確認し、不要な支払いを無くして節約をしたり、優先順位の高いものにお金を回していく作業のことを言います。


過去の記事にも書きましたが、1億円以上の資産を持つ人のうち95%は倹約家であるということがわかっています。

つまり、お金持ちほど無駄なものにお金を使ったりしません。

言い換えれば、無駄なものにお金を使い続けると、お金持ちにはなれないということです。

高校生で収入がなかったとしても、親からのお小遣いや家計の支出を意識し、親の家計管理をサポートする能力を育むためには、高校生のうちから教育を受ける意味が十分にあります。


資産運用は習慣が大切

もう1つ高校生のうちから資産運用を学ぶ意味があるとすれば、それは資産運用の習慣を持つことです。

「投資や節約は知識があれば誰でも出来る」と考えているかもしれませんが、実際はそうではありません。

年収が高くても投資資金を作る事が出来ない人もいれば、毎月一定額を貯金することが正解とわかっていても給料全額を浪費してしまう人もいます。

金融知識が沢山あっても投資が下手な人は沢山います。

資産運用は知識があるだけではダメなんです。

だからこそ、知識と一緒に節約や投資行動を取れるように、高校生のうちから継続して習慣をつけておくことが大切です。


たとえば、部活の道具を買うにしても店舗で買うべきか、楽天やアマゾンで買うべきか、中古を探すべきかなど、あらゆる競合会社の価格と品質をリサーチする癖をつけておけば、自分が社会人になった時でも、その習慣によって、良いものを安く手に入れることができたり、自分の手元に多くのお金が残るようになります。

他にも家の暖房を上げたいと思った時に、エアコンを買うのか、こたつを買うのか、ヒートテックを買うのかなど、普段から支払い方法を工夫する習慣を持っていれば、自分の力で給料を手にしたときの家賃の問題や食費、通信費、交際費など、お金の悩みがずっと少なくなるはずです。

このような習慣を社会人になってから始めようとしても、結構不可能だったりします。

もしくは給料が安定する30代から始めようとか、住宅ローンの返済が終わった後に始めようなど、将来に希望的観測を持ち込むと、いつまでも始められずに、人生が終了していきます。

出来る限り早い高校生のうちからトレーニングしていくことが重要です。


大半が会社員になる

最後に高校生が資産運用を勉強する理由は会社員になる時に役立つからです。

高校生の多くは将来どこかの会社に属して、給料を得て生活をしていくはず。

その時に資産運用の知識は大きく役立ちます。


それは、会社においても家計管理が超・超重要になるからです。

会社の場合は家計管理という言葉を使わず、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書などをまとめて「財務」という言い方をしますが、やってることは家計管理とよく似ています。

会社の売上は家計でいう給料の部分に該当しますし、会社の人件費や売上原価などは家計でいう生活費です。

このような感覚を持って会社の財務や企業分析が出来るようになると、就職や転職の際の企業分析、仕事においても会社のコスト管理や競合分析などにおいて役立ちます。

高校生のうちから家計管理を身につけておくことによって、ゆくゆくは社会の仕組みの根幹を学ぶことにもつながりますので、是非若いうちから注力しておくべきなのが、資産運用だと思います。