米国株へ投資する理由

昨今の投資ブームでは、日本株よりもGAFAM、NVIDIA、Teslaなどを中心とした米国株へ投資する人の割合が増えています。

なぜ日本株よりも米国株なのかを説明していきますので、「米国株と日本株どちらに投資するべきか」と悩まれている方は、是非参考にして頂ければと思います。


米国株の圧倒的成長

米国株と日本株の株式指数を比較すると、日本株に比べて米国株の方がここ最近では急激に成長しています。

S&P500,TOPIX
出典:Google Finance

直近5年間のパフォーマンスでは、東証株価指数(TOPIX)が+23.66%の成長に対して、米国大型株(S&P500)の成長率は+90.41%と約4倍近い変化を見せています。

なぜ日本株よりも米国株の方が成長しているかというと、理由はいくつもあります。

その1つが「会社の役割の違い」です。


米国企業の役割

米国企業の役割は「会社の利益を大きくして、株主に利益を還元すること」です。

だからこそ、会社の利益が減る、株価が落ちる、配当金が少ないなどの理由につながる経営幹部やリーダーがいれば、即解雇することも普通です。


米国企業には、個人の生活を保護するような役割はありません。

あくまでも、会社の利益が優先されます。

逆に言えば、会社の利益を大きくした経営者や貢献度が高い従業員に関しては多額の報酬が支払われることも、米国の企業文化と言えるでしょう。


雇用は政府が守る

じゃあ、米国企業で働く従業員は「誰が守るの?」ってことですが、それは「政府」です。

世界大恐慌が起きた1930年代の米国では、ニューディール政策で失業者の大量雇用を創出したり、2020年3月に起きたコロナウイルスによるバンデミック以降では、IMFの発表によると4兆ドル(約476兆円)規模の経済対策を行い失業率をコロナ前まで回復させるなど、政府が強力にバックアップする役割があるわけです。



【米国企業の役割 まとめ】
  • 利益追求と株主還元が目的
  • 雇用は政府が責任を取る

日本企業の役割

一方、日本での会社の役割は米国同様に「利益を追う」という目的もあるのですが、それに加えて「労働者の生活を保護するような社会福祉的な機能」も同時に求められてます。

それは労働基準法16条から始まり、年功序列、終身雇用などの制度があるように、能力に関わらず社歴が長ければ給料は高く、若くてパフォーマンスの高い社員よりも高い報酬をもらうことが「当たり前」とされていますよね。

岸田総理大臣が企業に賃上げを求めたように、政府は国民の雇用を守る事を企業へ責任転嫁するのも日本の文化です。



これらの制度を従業員目線で考えると、人生のライフステージを考えれば、歳を取るほど養育費や住宅ローン、介護費用などのお金が必要になっていくので、年齢を重ねてから減給されるリスクやリストラされてしまう危険が低いという点がメリットだと思います。

しかし、会社側から見ると、能力に比例せず給料が支払われるため、怠けてしまう人が出てきたり、無駄な給料を払い続ける分、企業の利益が圧迫され、設備投資や優秀な人材への投資が滞ってしまい、結果として企業の長期的な成長が妨げられることになります。

【日本企業の役割 まとめ】
  • 雇用を守りつつ利益も追求
  • 政府は企業へ責任転嫁している

会社の役割の違い

日米の企業役割の違いを考えると、雇用を守りながら利益を出さなければいけない日本企業が米国企業よりも高い成長率を維持するのは、至難の業です。

加えて、世界の労働賃金や物価が上昇している中、日本は25年間デフレが続いているわけですから、今後も円安が進み、海外の商品を輸入するにもコストが嵩んでしまい、結果として貧乏になるわけです。

このような情勢を考えると、日本株への投資よりも米国株投資に利があると言わざるを得ません。