VT経費率の引き下げ

2022年2月25日、世界の大手資産運用会社であるバンガード社が取り扱うETFの経費率(信託報酬)を引き下げることを発表しました。


手数料が変わるETF銘柄は全部で24銘柄。

日本で取り扱いがないETFも多く含まれていますが、24銘柄中18銘柄は経費率が0.01%以上下がると発表されていました。

2022年2月時点で楽天証券でETFの取り扱いがあり、かつ今回の変更対象となった銘柄は以下の通りです。


経費率が変更となる銘柄
ティッカー 変更前 変更後
VWOB0.25%0.20%
VSS0.11%0.07%
VWO0.10%0.08%
VT0.08%0.07%
BNDX0.08%0.07%
VEU0.08%0.07%
VXUS0.08%0.07%

上記のETFの中で最も馴染み深いのはVTではないでしょうか。

VTは2008年に設定されたETFですが、取り扱い当初の経費率は0.3%でした。

2013年には0.19%となり、2020年には0.09%から0.08%へ変更され、今回も0.01%下げています。

設定当初から考えれば、VTの経費率は0.3%から0.07%へ更新され、4分の1以下になっているわけです。

人気の投資信託である楽天VT、SBIVTのマザーファンドとしても利用されるVTの経費率が下がったということは、いずれ投資信託の信託報酬にも影響がある可能性は高いと思われます。


経費率が安いバンガード社

バンガード社の発表によれば、2025年末までに10億ドルのコスト削減を株主に還元することを目標とし、今回の変更は2021年10月期以降、投資家にとって3,420万ドルの純費用削減となるとのこと。

バンガード社は今までに積極的にETFにかかるコストを下げ続けた結果として、今の地位を確立していると言っても過言ではありません。

世界で最も有名なS&P500に連動するETFはステートストリート社のSPY、ブラックロック社のIVV、そしてバンガード社のVOOになりますが、最安値の経費率である0.03%に最初に下げたのもバンガード社でした。

バンガード社は運用資産を拡大させていくととともに、経費率を下げて、投資家へ還元していく姿勢が成功した結果、今の地位を築き上げたと言えます。


1998年から2019年までの市場シェア率を見てみると、2000年まではステートストリート社が最大勢力でしたが、2000年以降はブラックロック社の市場シェアが拡大していきます。

ETF  market share
出典:morningstar

その後、後追いとなったバンガード社は2006年以降から徐々に拡大し始めて、今ではブラックロック社に次世界2位の資産運用会社を確立しました。


コスト減は利益増と同じ

経費率が削減されるということは、それだけ投資家のリターンが大きくなることと一緒です。


以前の記事で、信託報酬が0.1%違うだけで20年後の利益が大きく変わってくることをまとめましたが、30年、40年と運用期間が長くなるほど大きなリターンを得ることになります。

運用資産が大きくなるほど手数料の影響は大きくなるため、手数料を下げてくれるETFや投資信託を運営する資産運用会社は長期的に重宝されます。

もしETFの条件が何もかも一緒なら、現在まで積極的に手数料を下げてきてくれた、そしてこれからも下げてくれるであろうバンガード社を投資先として選ぶ意味は大きいと思います。