レバナスの意味とは
レバナスとは、株価指数Nasdaq100に対してレバレッジをかけた投資信託やETFのことを意味します。
Nasdaq100とは:米国ナスダック市場に上場する銘柄のうち、金融株を除いて時価総額が高い上位100社で構成される株価指数。平均株価は時価総額加重平均(時価総額が大きいほど構成比率が大きくなる計算方法)で算出されます。
日本で「レバナス民」や「レバナス投資」が流行り始めたのは、2021年2月頃です。
出典:GoogleトレンドGoogleトレンドを見ると、ナスダック100指数が上がるたびにレバナスの検索ボリュームも増えていました。
ETFで言えばTQQQが有名ですが、日本の大手ネット証券会社である楽天証券やSBI証券、マネックス証券では取り扱いがありません。
そこで日本人が投資する選択肢として入ってくるのが、以下の投資信託(レバナス)となります。
- 楽天レバレッジNasdaq-100
- iFreeレバレッジ NASDAQ100
レバナス投資信託を比較
二つの銘柄の特徴の違いは、主に「手数料」です。
比較項目 | 楽天 | iFree |
設定日 | 2021/11/17 | 2018/10/19 |
ベンチマーク | Nasdaq100 | Nasdaq100 |
レバレッジ倍率 | 2倍 | 2倍 |
為替ヘッジ | あり | あり |
購入手数料 | 3.3% | 2.2% |
信託財産留保額 | なし | なし |
信託報酬 | 0.77% | 0.99% |
純資産総額 | 424億円 | 2,282億円 |
楽天レバレッジNasdaq-100の方が購入手数料は高くなっていますが、信託報酬はiFreeレバレッジ NASDAQ100の方が上です。
実質コストについては実際に運営してみないとわかりませんので、次のシミュレーションを参考にして下さい。
レバナス一括投資のシミュレーション
実質コストの比較にもなる両者のパフォーマンスを楽天レバナスが設定された2021年11月17日から比較すると、以下の通りになります。

両者の騰落率に大きな違いはありません(積立投資の場合は購入手数料が大きな負担となる場合があります)。
2021年11月17日から2023年9月8日までの最終騰落率は以下の結果となりました。
- iFree:-31.79%
- 楽天:-32.93%
445日間(営業日換算)でのパフォーマンスは楽天レバナスの方が1.14ptだけ下回った結果です。
2021年11月から投資をすれば両者共に2022年12月には資産が4割以下となることを経験し、その後大きな上昇相場が来ても資産は元値を超えません。
この結果から投資するタイミングがとても重要となることが分かるはずです。
S&P500とレバナスの積立投資をシミュレーション
次は超人気の投資信託「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」とiFreeレバレッジ NASDAQ100の積立投資を比較します。

積立期間は2018年10月から2023年8月までの約4年11ヶ月(59ヶ月)です。
毎月一万円ずつ(合計59万円)投資をすると、iFreeレバレッジ NASDAQ100の運用実績は98.4万円に対して、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の運用実績は98.9万円とわずかに下回る結果となりました。
レバナスがS&P500の運用成績を最も大きく引き離したのが2021年11月となり、運用資産の差はダブルスコアに近い46万円にもなります。
ただし、その後見ての通り資産額は大きく減り、2022年5月時点ではS&P500に抜かれてしまいます。
大きな上昇相場を味方につければこれほど心強い銘柄はありませんが、逆回転すると大きく資産を減らす諸刃の剣であることは言うまでもありません。
レバナス一括投資(ETF)でシミュレーション
最後にレバナスETFとして長い歴史を持つTQQQとQQQの一括投資を比較して終わろうと思います。
まずはTQQQとQQQの基本情報を比較していきましょう。
比較項目 | TQQQ | QQQ |
運用会社 | ProShares | invesco |
設定日 | 2010/2/10 | 1999/3/10 |
ベンチマーク | Nasdaq100 | Nasdaq100 |
レバレッジ倍率 | 3倍 | なし |
経費率 | 0.95% | 0.20% |
AUM | $18,328.5 M | $203,666.0 M |
QQQはITバブル前に設定されたETFですが、TQQQはその10年後、ITバブルとリーマンショックが終わった後に設定されたETFです。
楽天やiFreeのレバレッジ倍率は2倍でしたが、TQQQのレバレッジは3倍となり、より値動きが激しくなります。
日本で取り扱いができるようになれば売買手数料や為替の影響もありますが、今回は2010年3月を0%として2023年8月末までの基準価格の変動率だけを比較していきます。

上記のグラフの通りTQQQが圧倒的なパフォーマンスを出しているわけですが、最も高いころで2021年12月に14,290%を記録します。
2010年3月時点で100万円を一括投資したと仮定すると、11年9ヶ月後には資産が1億4,390万円となる計算(為替は考慮せず)です。
ただし、その後の下落相場で資産は大きく目減、2023年9月までの変動率は6,987%(最高地点から52%減)で着地します。
一方でQQQの2010年3月から2023年9月までの変動率は776%で約24年間で資産が8.7倍となる計算です。
TQQQと比較すると物足りなさがでますが、2022年以降の下落相場に耐えられる投資家がほとんどいないことを考えると、十分妥当な数字とも捉えられます。
これまでの検証(シミュレーション)からレバレッジの怖さと夢のような資産推移を見ることができましたが、くれぐれもレバレッジがかかった投資先へ資産を預ける際にはご自身のリスク許容度を十分に見極めてから始めることが重要です。
決して無理だけはしなうようにお願いします。
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