株価暴落時の積立投資シミュレーション
積立投資を開始直後、株価が暴落したらどうしようと考える人もいるはず。
今回はリーマンショック時に積立投資をした場合、投資した資産額がどのように変化していくのかをシミュレーションしてみました。
以下のグラフはリーマンショック時(2007年8月31日から2013年8月31日まで)の6年間、毎月1万円ずつ合計73万円を投資し続けた場合の資産推移(赤線)となります。

青い線となるS&P500の価格は2007年8月31日時点で1,527ドルを付けていますが、その後2009年2月1日に735ドルとなり、株価は-51%も下落します。
その時までに投資された17万円分の投資額(グレー色の線)は約10万円の資産(赤い線)となってしまい、運用損益は-40.32%を記録します。
おそらく、この辺で多くの人の心が折れかかるはずです。
今回の積立シミュレーションで投資額を運用資産が下回る期間は合計で3年8ヶ月間(44ヶ月間)もありました。
【運用資産が投資額を下回った期間】
①2007年10月~2010年2月
②2010年4月~2010年12月
③2011年6月~2012年1月
④2012年4月
6年間(72ヶ月間)の投資において、半分以上の期間が資産マイナスになっていても投資をす続けることができる人は、積立投資の耐性がある人と言えるはずです。
一括投資 VS 積立投資
では次に一括投資をした場合と、積立投資をした場合の資産推移(シミュレーション)を見ていきましょう。

オレンジ色の線が2007年8月31日に73万円を一括でS&P500に投資をした場合の資産推移になります。
対して、赤線が先ほどと同様に毎月1万円ずつ積立投資をした場合ですが、資産残高は2011年3月31日時点でほぼイコールの46万円となります。
この時、積立投資では44万円の投資に対して2万円の運用益が出ている状況ですが、一括投資の方は72万円の投資に対して26万円の損失が出ている状況です。
その後、相場が回復するにつれて積立投資の資産が増えていきますが、一括投資の方は2007年の高い時に資産を購入しているので、運用益が中々上昇していきません。
今回のシミュレーション期間においては、積立投資の最終資産額が109万円に対して、一括投資の場合は68万円となり、一括投資は大きく差を開けられる結果となりました。
ポイントをまとめると、以下の通りとなります。
【積立シミュレーションの結果まとめ】
- 資産が-40%になることもある
- 3年以上損失が続くこともある
- 暴落期間は一括より積立投資が良い
株価暴落時の積立投資シミュレーション 2
次は、リーマンショック時だけでなく、期間をもっと遡ってITバブル時から積立投資をした時の資産推移(シミュレーション)を見ていきます。

上記は2000年2月から2013年12月までの167ヶ月間(約14年間)毎月1万円ずつ投資をし続けた場合のシミュレーション結果となります。
先ほどリーマンショック直前から投資を始めた場合と比べると、明らかに運用資産が投資額を下回る期間が長いことがわかります。
今回のシミュレーションでは、2008年6月から2012年12月まで約55ヶ月間(4年7ヶ月間)ずっと資産が投資額を上回りません。
暴落が起きる局面では、過去の資産が大きいほど資産がマイナスからプラスになるまでの期間が長くなります。
そして最も資産が減るタイミングは、2009年2月に-50.03%を記録します。この時までに投資している金額は109万円ですが、資産額は54万円となりました。
【積立シミュレーションの結果まとめ2】
- 運用資産が多いほど回復は遅い
- 資産減少率も高い