投資で失敗する人の割合
投資が失敗に終わる人の割合がどれぐらいいるか。
それは投資先や運用時期にもよりますし、失敗の定義でも変わってきます。
例えば、為替FXやBitcoinFXのような短期トレードなら9割以上は投資元本が減った経験をするでしょうし、つみたてNISAでS&500に投資をしている方であれば、今ならほぼ100%利益が出ているはずです。
ちなみに、日本全国の297の金融業者を対象にした金融庁のデータ(2019年12月末時点での投資信託の運用損益別顧客比率)によれば、運用益が0%以上となった顧客の割合は66%で、運用益がマイナスとなった顧客の割合は34%となっています。
出典:金融庁この結果を業態別で見ていると、私たちがよく利用しているネット証券は平均より高く運用益がプラスとなっている割合は69%でした。

最も投資信託で顧客に儲けさせている金融機関は、投資運用業者の82%。
最も顧客に損をさせているのは、(対面)証券の53%という結果です(あくまでも2019年12末時点の結果であることを忘れずに)。
投資信託で失敗する人
投資信託は数ある投資商品の中でも「ミドルリスク」と認識されるほど、ハイリスクでもなければ、攻めと守りをちょうど良く掛け合わせた堅実な投資商品の1つです。
2020年に実施された5,000人を対象としたインターネット調査では、大きな金融資産を持っている投資家ほど、投資信託の保有率が高いことがわかっています。

そんな投資信託への投資で失敗する人は、いくつかの特徴があると思われます。
銘柄選びで失敗する
先ほど金融庁の資料でもわかるように、銀行や郵便局などの窓口で投資信託を購入している方はネット証券で購入するよりも運用資産がマイナスになる可能性が高くなっています。
なぜ損をする割合が高くなるかというと、それは窓口業務の人が営業する投資商品のほどんどは「手数料の高い投資商品」だからです。
【毎月分配型】【予想分配金提示型】と書かれた投資商品は、購入手数料が3%程度で、信託報酬(保有中にかかる運用手数料)は1〜2%程度となっていることが多い投資信託です。
他のインデックスファンドと比べると手数料は割高で、手数料が高いほど運用益にはマイナスの影響を与えます。
投資信託への投資で失敗しないためには、そういう商品を避ける知識が必要です。
銀行によっては投資信託の営業と合わせて「退職金プラン(高利回りな定期預金)」を勧めてくることがあります。
退職金プランを1年間もしくは数ヶ月間だけ運用する代わりに、投資信託を購入する条件を提示してくる金融業者もいますが、そういう誘いに乗ってしまうと、割高な手数料を取られやすくなります。
余剰金以外で投資する
投資信託で失敗する人の特徴、二つ目は大きなリターンを狙い過ぎて、大金を投資に回してしまうことです。
投資界隈には「余剰金以外で投資をするな」ということは有名で、生活費や借金で投資をすると、投資に失敗する確率は上がります。
まず、生活費で投資をすると、絶対に勝たなきゃいけないという心理が働きます。
株価が暴落した時には資産のマイナスを許容できずに狼狽売り(本来売ってはいけない局面で株を手放してしまうこと)をしてしまいます。
これを防ぐためには、最適な貯金と投資の比率を守り続けることです。
上記の記事では、現金比率の計算方法を書いていますので、ご覧下さい。
長期投資で失敗する人
投資信託へ投資をするのであれば、基本的な戦略は長期的な運用です。
最近投資先として最も流行っているS&P500やVTIなどの運用成績はどれも右肩上がりのため「長期的に運用していれば、いつか必ず資産はプラスになる」「途中で売らない限りマイナスにはならない」と信じている投資家は少なくないと思います。
ですが、長期運用においても、いくつかのことを気をつけない限り、投資で失敗する可能性はあります。
長期的な右肩下がり相場
出典:Yahoo! Finance上記は日経平均株価の長期チャートです。
1990年に起きたバブル以降、最高値を更新していないため、1989年から2009年までの約20年間は長期投資をしても報われなかった時代となります。
このように「長期投資なら儲かる」というのは、時代によって変わります。
今後20年間が右肩上がりの相場になるのか、それとも右肩下りの相場になるのかは誰もわかりません。
万が一、右肩下がりの相場になった場合は長期投資では勝てません。
この「長期投資でも勝てない相場がある」ということを理解しておくことが重要です。
ちなみに日経平均株価ほどではありませんが、皆さん大好きなS&P500にも同じような時代があります。
相場 | 最高値まで | 最大騰落率 |
世界大恐慌 | 25年間 | -86% |
石油ショック | 7年間 | -48% |
ITバブル | 7年間 | -49% |
世界金融危機 | 6年間 | -57% |
コロナショック | 6ヶ月間 | -31% |
1929年に起きた世界大恐慌では、3年間かけて株価が-86%まで落ち込んだ後、最高値を更新するまでに約25年という長い時間をかけています。
株価暴落後は記録的な上昇相場になるのですが、株価が80%以上も下落した後に株式市場を信じて長期投資ができた人がどれぐらいいたのかを想像すると、多くないのではないかなと思います。
またITバブルと世界金融危機(リーマンショック)は連続で来ていますので、二つの株価暴落をつなげると約13年間も米国市場の株価が低迷し続けました。
世界で最も株価の右肩上がりが信じられているS&P500でも、長期的に右肩下がりになる相場はありましたし、今後訪れないという保証はありません。
万が一、そうなってしまったら長期投資では勝てないので、注意が必要です。
ちなみに、過去の暴落相場の理由などを以下のYouTubeでまとめています。
お時間がある方はぜひご覧下さい。
資産は分散する
もう1つ、長期投資で失敗する人の特徴を解説します。
それは資産を分散させない人です。
株式だけじゃなく、債券や不動産、仮想通貨など色んな資産を持っておくべきだとは思いますが、そういう話ではありません。
最近ではFIREブームだったり、ミニマリスト生活をしながら、給料のほとんどを投資に突っ込む人も少なくないと思います。
投資以外では全くお金を使わず会社を退職するまで暮らせたとしても、株価が暴落して大部分の資産が泡のように消えてしまった場合、その人には何が残るでしょうか。
投資以外でも友達を作ったり、家族のために頑張ったり、大好きな趣味を極めるなど、投資以外にもお金を使うことはたくさんあります。
そういう自己投資をサボってしまい、投資にだけ全集中すれば、資産が大きくなればなるほど、資産運用が失敗した時のダメージが大きくなります。
長期投資は時間がかかる分、資産も大きくなりやすいので、資産運用と同じぐらい人生において頼れる人や好きな作品、役立つスキルにお金を使っていくべきだと思います。
そういうものがあれば、万が一資産運用が失敗に終わったとしても誰かが助けてくれたり、再起するための武器になったりする可能性が高くなります。
長期投資は投資に盲信しないことも重要です。
資産運用の失敗例
資産運用の失敗例として最も多いのは、情報収集だと思います。
SNSで情報が仕入れやすくなった分、ランキング上位の投資先に目を奪われたり、インフルエンサーが進める商品を調べずに申し込みしてしまう人も少なくないと思います。
情報収集としておすすめのは、本です。
よろしければ、上記の本をご覧下さい。