つみたてNISAの銘柄選びで悩んでいる方向けに、おすすめ銘柄や選び方のコツについて解説します。

紹介したおすすめ銘柄の運用実績(2022年2月末時点まで)を比較していますので、最後まで見て頂けると嬉しいです。


投資初心者おすすめの銘柄

2021年10月時点で金融庁の許可を受けているつみたてNISA銘柄は、201銘柄も存在します。

その内訳は以下の通りです。

【つみたてNISA対象商品】
    インデックスファンド:173本
    アクティブ運用投資信託:21本
    上場株式投資信託(ETF):7本

インデックスファンドは、日経平均株価やダウ平均株価など、有名な株式指数に連動して株価が動く投資信託(個別株の詰め合わせパック)のことです。

たとえば、米国の有名な株式指数S&P500に連動する投資信託は、AppleやMicrosoft、Amazon、Googleなど米国の大企業500社の株価と連動して価格が動きます。

日経平均に連動する投資信託であれば、東京エレクトロンやファーストリテイリング、ソフトバンクGなどの株価に連動して投資信託の価格が動きます。

アクティブ運用の投資信託はファンドマネージャーと呼ばれるチームが市場調査を行って、個別に銘柄を選定し運用している投資信託です。株価はファンドマネージャーの力量によって左右されます。

ETFは市場に上場しているため、株価がリアルタイムに動きます(投資信託は1日1回しか、価格が開示されません)。


ここからは201銘柄も存在するつみたてNISA対象商品の中から、銘柄を選ぶ条件について解説します。


条件1:手数料が安い

つみたてNISAの銘柄選びのコツは、とにかく手数料(信託報酬)が安い銘柄を選ぶことです。

一般的な投資信託では、買付手数料、信託報酬、解約手数料という3つのコストが発生しますが、つみたてNISAの対象となる投資信託では、買付手数料と解約手数料がすべて「無料」となります。

そのため、手数料は信託報酬のみです。


信託報酬とは、資産を預けている期間かかり続けるコストのことで一般的にアクティブ運用の投資信託よりもインデックスファンドの方が安く設定されています。

2022年1月時点で調べた信託報酬の相場は以下の通りです。

【信託報酬の相場】
    インデックスファンド:
     0.0938% ~ 0.66%
    アクティブ運用の投資信託:
     0.88% ~ 1.65%

アクティブ運用投資信託の信託報酬が高くなる理由は簡単です。

ファンドマネージャーの人件費や市場調査費、売買コストなど、投資信託を運用するためのコストがインデックスファンドよりも高くなるからです。


ちなみに、信託報酬が0.1%違うだけで、20年後の資産に3.4%(100万円を運用するなら3.4万円)も影響する可能性があります。


上記記事をご覧頂ければ、「信託報酬がたった0.1%違うだけで失う利益がある」ということがわかるはずです。

注意点として、信託報酬(運用コスト)が高い方が株価が上がりやすいなど、運用コストとパフォーマンスは比例しませんので、そこは勘違いしないように注意して下さい。

投資初心者がつみたてNISAの銘柄を選ぶ際は、173本あるインデックスファンドの中から銘柄を選定するの方が賢明です。


条件2:分散性が高い

株式市場は世界中で行われています。

中でも最も市場規模が大きいのがニューヨーク証券取引所やナスダックがある米国です。

国別の株式時価総額シェア


米国は世界全体の株式市場の半分以上を占めており、次に大きいのが日本、中国、英国と続きます。


投資を始める場合、どの国に投資をするのが最も効率的かを考えるかもしれませんが、投資初心者ほどどこかの国に集中して投資をするべきではありません。

どこの国が飛躍もしくは急落しても助かるように自分の資産はなるべく多くの国に分散させておくべきです。

    「卵は一つの篭(かご)に盛るな」

投資界隈では、有名な格言の1つです。

万が一、1つのカゴに卵を持った状態でカゴを落としてしまった場合、全ての卵が割れてしまいます。

複数のカゴにいくつかの卵を分けておけば、割れない卵でてきます。

投資でも1つの国や1つの銘柄に資産を集中させると、損失額が大きくなるという教訓として、上記の格言が使われます。


世界の株式指数として有名なMSCI World Indexを参考にしてみると、以下のような割合で世界の株式に投資をしています。

MSCI ACWI
出典:MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)

MSCIの投資基準は様々ですが、時価総額が高く、流動性がある企業ほど組み入れられやすいのは事実です。

そういう基準をもとに考えると、投資資産の多くが米国株式に集まります。

具体的な企業で言えば、AppleやMicrosoft、Amazon、Teslaなどの大手企業です。

初心者ほどMSCI World Indexのように世界中の株式を保有しておく方が賢明です。

また、年齢が高い方は株式だけではなく、債券にも資産を分散させることも有効だと思います。


条件3:政治リスクを避ける

条件の3つ目は政治的にリスクが高い国や戦争が起きやすい国の株式を避けるということです。

独裁国家として有名な中国では、鶴の一声によって株価が暴落することも珍しくありません。

たとえば、2021年に中国政府は未成年のオンラインゲームを規制する法律(週3時間以上ゲームができないルール)を立てた後、オンラインゲーム大手であるテンセントの株価が下落しています。

テンセント株価
出典:Google Finance

2021年の中国では、仮想通貨関連サービスも規制されて、中国に集中していたマイニング工場も中国を撤退するなど、政府の意向で産業が簡単に潰されるリスクが消えません。

そういう国に投資する場合は短期的な視野が必要不可欠となり、投資難易度は高くなります。

中国など新興国株については大きな成長も見込める可能性がありますが、投資経験が少ないうちは、できる限り政治的なリスクを背負わないことも必要です。


つみたてNISAおすすめ銘柄

ここまで紹介した条件に当てはまる銘柄かつ、私が良いと思える銘柄を紹介していきます。


eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

投資のことはよくわからないけど、老後の不安などで資産運用を始めてみたいという方にお勧めなのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という銘柄になります。

ファンドの詳細
項目 詳細
設定日2018年10月31日
ファンド種別インデックスファンド
ベンチマークMSCI ACWI
信託報酬0.1144%
実質コスト0.175%
純資産総額4,079億円(2022/1/6)
為替ヘッジなし
分配金なし(再投資型)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をお勧めする理由は、世界中の株式へ資産を分散できるという点です。

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
出典:三菱UFJ信託銀行

2021年3月時点では、資産の半分以上を米国企業へ投資しているものの、50カ国の国と地域に資産が分散されています。

万が一、米国だけで株価が暴落したとしても他の国に資産を振り分けている分、暴落するリスクを軽減しているわけです。


eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とよく比較される銘柄に「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」という銘柄があります。

雪だるま(全世界株式)との大きな違いは信託報酬とベンチマークです。

信託報酬は雪だるま(全世界株式)の方が安く、ベンチマークはFTSE Global Equity Indexとなります。

FTSE Global Equity Indexは世界の大型株と中型株以外に、小型株も含まれており、MSCI ACWIの組入銘柄が約3.000銘柄なのに対して、9,000銘柄も組み入れれています。

世界の小型株の成長も利用したい方は雪だるま(全世界株式)を選ぶべきですが、大型株で安定的に資産を増やしたい方はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がお勧めです。

【全世界株式の良い点】
  • 世界中の株式に資産を分散
  • 大企業と中型企業が対象
  • 安い信託報酬

良いところだけ書いてもあれなので、悪い点も書きたいのですが、正直あまり思い当たらないぐらい隙のない商品です。

挙げるとすれば、「世界株式 vs 全米株式」のように米国中心の投資信託とパフォーマンスを比較されやすいという点です。

最近(直近10年ぐらい)では、GAFAを中心に米国企業の株価が急激に伸びているので、米国株式100%の投資信託と比べると、パフォーマンスは多少見劣りしてしまいます。

しかし、その分リスクは分散しているわけですから、リスクを取ってリターンを狙いに行くのか、どの世界が成長しても良いように世界株でリスクを分散させておくのかは、投資家の性格次第だと思います。

また、米国株式100%の投資信託と信託報酬を比較すると、分散している分だけ若干コストが高くついてしまいます。

投資をするなら、その点も理解しておくべきです。

【全世界株式のリスク】
  • 米国株と比較されやすい
  • 分散するほど高コスト


楽天・全米株式インデックスファンド

米国の大型株から中小型株まで、米国全体に投資をしたい方は「楽天・全米株式インデックスファンド」がおすすめです。

ファンドの詳細
項目 詳細
設定日2017年9月29日
ファンド種別インデックスファンド
ベンチマークCRSP US Total Market Index
信託報酬0.132%
実質コスト0.162%
純資産総額4,734億円(2022/1/6)
為替ヘッジなし
分配金なし(再投資型)

楽天・全米株式インデックスファンドのマザーファンドがバンガード社が運営するVanguard Total Stock Market ETF(ティッカー:VTI)のため、通称「楽天VTI」と呼ばれています。

楽天VTIの組入銘柄数は4,093銘柄(2021年10月末時点)。

時価総額ベースで米国企業全体の約9割を網羅しており、米国企業のほぼ全てに投資をしていると言っても問題ありません。

世界の時価総額ランキングを見ても明らかなように、Apple、Microsoft、Amazon、Meta(旧Facebook)など、米国市場は新しい産業やテクノロジーが生まれやすい国として有名です。

今後も米国企業からGAFAをひっくり返すような新しいテクノロジー企業が生まれる場合、VTIに投資することによって彼らの成長を早い段階で利用することが可能です。

世界全体の成長速度よりも米国企業全体の成長速度の方が向こう20年、30年見ても速いと信じれる場合は、世界株式より楽天VTIのような米国企業100%の投資信託へ投資するとリターンを受けやすい可能性があります。

【楽天VTIの良い点】
  • 米国企業全体に投資ができる
  • 中小型株の成長も取り込める
  • 世界より成長が速いかもしれない

楽天VTIにおいても、あまり隙のない投資商品です。

あえてリスクをいうのであれば、米国全体にかかるリスクが起きた時は資産の大きな減少を避けられなくなります。

それが竜巻や東日本大震災のような地理的なリスクなのか、それとも戦争や市民運動のような政治的なリスクなのかはわかりません。

万が一、国土全体に及ぶような危機が起きた場合は大ダメージを受けてしまうので、回避するためには世界株式など資産を米国以外にも分散させておく必要があります。

ただし、資産を分散することによってリターンが減少(機会損失)するなどのデメリットもありえますので、どちらを取るかは投資家のリスク許容度次第です。


SBI証券でも楽天VTIに対抗した「SBI・V・全米株式インデックスファンド」という銘柄があります。

信託報酬0.0638%(実質コスト0.0938%)と楽天VTIより安いため、楽天経済圏(楽天市場や楽天ふるさと納税など)を利用しないのであれば、投資コストを安く抑えられるため、こちらもおすすめです。

【楽天VTIのリスク】
  • 米国が潰れると危険
  • SBIの信託報酬が安い(楽天経済圏を含めて総合的にコストを判断すべき)


eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

米国企業の中でも大型株にだけ投資をしたいという方は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおすすめです。

楽天証券のつみたてNISA積立件数ランキングでも長いこと1位を独占している銘柄となります。

ファンドの詳細
項目 詳細
設定日2018年7月3日
ファンド種別インデックスファンド
ベンチマークS&P500
信託報酬0.0968%
実質コスト0.1214%
純資産総額9,619億円(2022/1/6)
為替ヘッジなし
分配金なし(再投資型)

米国の大手企業に投資をするeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は先ほど紹介した全世界株式やVTIと比べて、GAFAM+Tesla、NVIDIAへの投資比率が高くなります。

GAFAM比率(2021年11月末時点)
銘柄 全世界株 VTI S&P500
Apple3.8%4.9%6.2%
Microsoft3.4%5.2%6.2%
Amazon2.3%3.0%3.8%
Tesla1.3%1.9%2.3%
Alphabet2.4%3.6%4.1%
NVIDIA1.2%1.3%2.0%
Meta1.1%1.6%2.0%
合計15.5%21.5%26.6%

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のGAFAM+Tesla、NVIDIA比率が15.5%なのに対して、VTIは21.5%、S&P500が26.6%と最も投資比率が高いのがS&P500となっています。

構成比率が高ければ、彼らが成長した分だけ株価が上がりやすくなります。

他にもウォーレンバフェット率いるBerkshire HathawayやJPMorgan Chaseなど、米国大手企業の成長を何より信じている方にとってeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はおすすめです。

さらに信託報酬も他の投資信託と比べると安くなっているため、GAFAMの成長を邪魔することがありません。

【S&P500の良い点】
  • GAFAM比率が高い
  • 信託報酬が安い

欠点としては、VTIと同じように米国への集中投資となるため、地理的・政治的なリスクは同じようにあります。

またS&P500への投資は世界中を見ても非常に人気があるため、現在の株価が高く評価され過ぎて、急落する時には大きく下落してしまう可能性もあります。

【S&P500のリスク】
  • 米国が潰れると危険
  • 評価され過ぎ?


eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

そろそろ老後も近いので株価が暴落すると困るという方におすすめなのが「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」です。

ファンドの詳細
項目 詳細
設定日2017年5月9日
ファンド種別インデックスファンド
ベンチマーク東証株価指数、MSCIコクサイ・インデックス、MSCIエマージング・マーケット・インデックス、NOMURA-BPI総合、FTSE世界国債インデックス、JPモルガンGBI‐EMグローバル・ダイバーシファイド、東証REIT指数、S&P先進国REITインデックス
信託報酬0.154%
実質コスト0.22%
純資産総額1,315億円(2022/1/6)
為替ヘッジなし
分配金年1回決算時

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は以下8つの資産に均等割合(8等分)で投資する投資信託です。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
出典:三菱UFJ信託銀行

株式以外に国内外の債券と不動産に投資をしているため、今まで紹介したどの銘柄よりも分散されたポートフォリオを組むことが可能です。

株式が上がり過ぎたり、不動産価格が下がり過ぎた場合、資産の均衡が崩れますが、その場合でも比率を一定に保つようにリバランスを勝手にかけてくれるため、どこかの資産だけにポートフォリオが偏ってしまうこともありません。

【8資産均等型の良い点】
  • 資産の分散性が高い
  • リバランスしてくれる

分配金については年1回決算時(4月25日)に分配金を決定するとなっていますが、「信託財産の成長を優先し、原則として分配を抑制する」という方針により、今までに分配金が支払われた実績はありません。


2018年末や2020年3月に起きた株価暴落でも、債券と株式の相関があまり見られない傾向にもあると思います。

債券や不動産に資産を分散させたからといって、資産が守られるか(資産価値が減りにくくなるか)はわかりにくいという相場もあるため、一概に株式100%はリスクが高く、債券や不動産を持っておくべきだとは言い難いという意見も理解しておくべきです。

【8資産均等型のリスク】
  • 分配金は期待できない
  • 分散 = 安心ではない


ひふみプラス

日本株を中心に独自の戦略で銘柄を選定しているのが「ひふみプラス(ひふみ投信)」です。

日本の底力を信じている方にとって、おすすめの投資先になると思います。

ファンドの詳細
項目 詳細
設定日2008年9月30日
ファンド種別アクティブファンド
ベンチマークなし
信託報酬1.0780%
実質コスト1.23%
純資産総額4,643億円(2022/1/6)
為替ヘッジなし
分配金なし(再投資型)

ひふみ投信は2008年から設定されたアクティブファンド。

2018年1月までの9年3ヶ月間で株価は5倍に成長するほど、凄まじい実績のある投資信託です。

ひふみ投信 基準価格推移
出典:レオス・キャピタルワークス

2021年11月末時点での組入銘柄は287銘柄。

ひふみ独自の銘柄選定により日本の中小型株が過去のように爆発的な成長を見せれば、大きな資産増も期待できるかもしれません。

【ひふみ投信の良い点】
  • 10年で株価を5倍にした実績
  • 中小型株へ全体の4割を投資

ひふみ投信の組入銘柄(2021年11月末時点)を見ると、トップには「ソニー」「東京エレクトロン」「トヨタ自動車」などの大型株が56%組入られており、東証一部の市場比率は78.65%となっていました。

ひふみ投信はTOPIXに連動した投資信託ではありませんが、TOPIXに似たようなパフォーマンスになってくる可能性が高いです。


ひふみ投信はアクティブファンドのため、手数料がインデックスファンドと比べて高く設定されています。

今後もTOPIX(東証一部の全銘柄の時価総額平均)と株価が似てくるのであれば、TOPIXに連動した投資信託に手数料負けする可能性もあるかもしれません。

【ひふみ投信のリスク】
  • 信託報酬が高い
  • 大型株の比率が大きい


おすすめ銘柄の実績

ここまで紹介した5銘柄の運用実績(2018年1月以降)を比較すると、以下のようになります。

つみたてNISAおすすめ銘柄の運用実績


投資金額は年40万円の毎月均等割です。

2018年1月以降に設定された投資信託に関しては、投資金額が同じになるよう年間の残り期間で投資上限40万円を均等割し、翌年から3.3万円ずつ毎月積み立てる想定でパフォーマンスを計算します。


2022年2月末時点、それぞれの銘柄に5年間で166万円投資した結果を表にすると以下の通りです。


おすすめ銘柄の運用結果(2022年2月末時点)
銘柄名 運用損益 運用資産
オルカン+37.37%228万円
VTI+45.90%243万円
S&P500+47.13%245万円
バランス+15.15%191万円
ひふみ+5.47%175万円

最も大きく成長したのは米国大型株へ投資をするeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

運用損益が+47.13%となり、166万円の投資に対して+78万円の利益が出ていることとなります。


対して最もパフォーマンスが伸びなかったのが、ひふみ投信です。

運用損益は+5.47%

166万円の投資に対して、わずか9万円の利益という結果です。


所感

2020年3月コロナウイルスで相場が下落後、各指数上昇相場が続きましたが、バランスファンドについては債券比率が重荷となって、他の基準価格についていくことは難しく、結果として運用パフォーマンスは大きく離される結果となりました。

しかし、2021年12月から2022年2月までの下落幅はオルカン12ポイント、VTIが15ポイント、S&P500が14ポイント下がる中、バランスファンドの下落率は6ポイント程度に留まっています。

バランスファンドは上がりにくい反面、下落相場では価格が落ちにくい特性が今回の相場では表れているので、一概にパフォーマンスが高い方が良いというのではなく、投資家の投資スタイルに合わせて銘柄を選んでいくべきと教えてくれるような相場だと思います。


ひふみ投信に関しては、2020年10月以降の日本市場の影響を受けて上昇相場から離れますが、直近の運用成績はTOPIXをも下回る状況となっています。

2021年12月にはデンソー、メルカリなどの大型株を組み入れたことにより、基準価格を下げるのに影響していそうです。


【12月末時点の組入銘柄TOP10と年初来パフォーマンス(2022年2月末まで)】
    トヨタ自動車:-4.45%
    インターネットイニシアティブ:-19.79%
    Microsoft:-10.74%
    デンソー:-18.29%
    東京海上HD:-0.42%
    東京エレクトロン:-15.83%
    メルカリ:-34.31%
    ソニーグループ:-21.14%
    ミライトHD:2.34%
    味の素:-6.50%

特にメルカリの株価下落が大きく、2022年1月からメルカリが組入銘柄上位からは外れ、富士電機が組み入れられていました。


銘柄選びは短期的な相場の結果で判断するものではありません。

しかし、米国の大型株は2020年3月も2022年以降の下落相場でも強く、上昇相場では一気に上昇しています。

今後の銘柄選択に少しでも参考になれば、幸いです。