情報過多は危険

2021年もそろそろ終わりに近づき、2022年の経済見通しやレポートなどが各調査会社やアナリストから出始めています。


年末年始は2021年の投資成績を振り返りながら、来年以降の資産配分を考えたり、今後の投資テーマとなる「脱炭素化」「半導体不足」などの社会問題を解決する銘柄を探すなど、投資の勉強をするにはうってつけの機会になるはずです。

ですが、今回私が言いたいのは

「年末年始ぐらい投資から離れて、ゆっくり休日を楽しんでください。」

ということです。

普段から銘柄分析されている方、SNSで情報収集の習慣がある方は、せっかくの大型連休ぐらい投資から離れるべきだと思います。

特に、SNSでの情報収集には気をつけてほしいと思っています。


2番底が来ましたか?

その理由の1つ、2020年に起きたコロナショック後の「2番底」に投資機会を阻害された人は多かったと思います。

時にはスマホの通知をミュートして、情報を遮断して下さい。

休息で養われる感覚は、偏りすぎた投資バイアスを緩ませる機会になるはずです。


投資バイアス

バイアスとは、偏見のことです。

投資界隈で言われる偏見には以下のようなものがあります。

  • プロスペクト理論
  • 認知バイアス
  • アンカリング
  • フォン・レストルフ効果


プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、不確実性ある状況下での意思決定モデルです。

たとえば、無条件で100万円を手に入れられるゲームと、確率50%で200万円受け取れるゲームがあった場合、人は前者の無条件で100万円を受け取れる方を選択しやすいと言われています。

にも関わらず、200万円の借金を無条件で100万円にするゲームと、50%の確率で借金が全額免除になるゲームを選ばせると、なぜか後者の不確実性の高いゲームを選択しがちというのが人間の行動です。

投資は投資先の将来性や企業の業績などによって判断されるべきですが、プロスペクト理論を応用すると、人間の投資判断は自分の投資成績によっても判断が変わる場合があるということです。

    投資で負けている時こそ「含み損分を取り戻したい」という心理が強く働きます。

このような偏見に惑わされてしまうと、良い投資はできません。

偏見をなくすためには、一度離れた位置から自分を見直す必要がありますし、普段の情報収集方法も含めて俯瞰して見つめ直す機会が必要になります。


認知バイアス

認知バイアスとは、思考の癖みたいなものです。

なんの根拠もなく過去の自分を正当化(恒常性バイアス)したり、過去に起きたことが全て予測可能であったかのように考えてしまう(後知恵バイアス)など、認知バイアスには様々な種類があります。


たとえば、投資前はどの銘柄にするか相当悩んだにも関わらず、いざ1つの銘柄に投資し始めると「投資するならこの銘柄が一番おすすめ!」と豪語してしまう人がいます。

それは今抱えているリスクを過小評価して、過去の自分の投資判断を正当化させるバイアスが少なからずかかっている可能性が高いです。

ビットコインを保有する人に「ビットコインは保有すべきか?」と聞くと、大抵はやんわりと自己責任を匂わせつつも過去のチャートを説明しながら「保有すべきだ」と答えると思います。

少なからず誰しもバイアスは持っているものです。

ゲーム好きの人にアプリに課金すべきかと質問すれば当然課金を勧めてきますし、漫画好きな人に漫画を買うべきか聞くと流行っているおすすめ漫画をいくつも紹介されてしまいます。

思考の癖を洗い落とすには、一旦そのもの自体から離れて俯瞰してみることが必要だと思います。

投資で儲けようと情報を集めすぎていると、「灯台下暗し」で身近なチャンスを見落としてしまうはずです。


誰が一番儲かりますか?

投資界隈では有名な話ですが、フィデリティの調査によれば最も投資パフォーマンスの良かった投資家の属性は「運用していることを忘れている人」だったと言われています。

有名な投資書籍「敗者のゲーム」に”インデックスファンドは長期的にほとんどの機関投資家を打ち負かす。”と書いてあるように、決められたルールに忠実に投資をする方が過去の歴史においてはパフォーマンスが良かった経緯もあります。


長い歴史に裏打ちされたルールや規則を思い出すためにも、年末年始ぐらいは一旦投資から距離を置くのも1つだと思います。