2021年12月20日、日本銀行は資金循環統計(速報)を発表しました。
資金循環統計とは、日本の各部門(金融機関、法人、家計)の金融資産や負債の推移、預金や貸出を記録した統計データです。
今回はそのデータを参考に日本の現状を解説していこうと思います。
日本の家計資産
Yahoo!ニュースにも取り上げられるように日本の家計資産(個人の金融資産)合計は、2021年9月末時点で1,999.8兆円となり、後わずか2千億円で大台の2,000兆円を目前にしています。
参照元:日本銀行日本の家計資産は米国に次ぐ世界2位の規模となっており、2019年時点では3位以降インド、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、韓国と続く。
さらに日本の家計資産で注目して頂きたい点は金融資産項目(現金や株式、保険など)の構成比と成長率です。
参照元:日本銀行上記の表にある一番右側「2021年9月末残高(兆円)(構成比(%))」を見て頂くと、日本の家計資産の大部分は現金および預金で全体の半分以上(53.6%)を占めており、次に多いのが保険商品(18.9%)です。
そして投資信託(4.5%)や株式(10.9%)などの金融商品をほとんど持っていないことがわかります。
多くの日本人は貯金や保険商品の購入には積極的ですが、投資商品(株式や投資信託)に関してはとても消極的です。
その結果として、個人資産が成長しづらく、貧乏になっていくという背景があります。
それを過去の記事で詳しく説明しているので、興味にある方は以下の記事をご覧ください。
もう1つ、先ほどの表で注目て欲しい点があります。
それが、投資信託および株式の前年比です。
参照元:日本銀行投資信託に関しては2021年3月末時点で前年比33.9%も資産額が増加しています。6月末では28.3%、9月末では24.0%と比率は落ちていくものの、他の資産と比べると圧倒的に資産額が増えているのがわかります。
この現象は株式においても同じことが起きています。
コロナ以降、貯金はたった3.7%しか増えていない中で、株式や投資信託は24%以上も資産が増えているということです。
長期的に前年比寄与度を見てみると、リーマンショックが起きた2007年後半から2009年前半までは株式や投資信託の資産は大きくマイナスとなっていますが、それ以降はプラスに作用することの方が多くなっています。
参照元:日本銀行今後の対策は?
これらのデータから学べることは、「貯金を少なくして株式や投資信託の資産比率を上げると長期的に資産が増える可能性が高い」という点だと思います。
このまま貯金ばかりしていると資産は増えていきません。
では、どのぐらい貯金を減らせばいいのでしょうか。
日本人の平均金融資産は1,000万円とされていますが、中央値は400万円程度。
そして、全体の15%以上は貯蓄ゼロ世帯という状況です。
当然、人によって投資比率は異なりますし、全く投資ができないという状況の方もいると思います。
そこで最適な貯金比率について考えた記事がありますので、気になる方は是非以下の記事をご覧下さい。