2020年はコロナショックで株価が戻ってこなかったエネルギーや観光業銘柄があったり、SPACという仕組みが流行るなど、様々なくそ株?がありましたが、2021年はどうなったでしょうか。

私の独断と偏見で2021年これはと思う日本株をランキング形式で紹介していきます。


5位:グローバルウェイ(3936)

グローバルウェイ
参照元:Google Finance

2021年7月時点では40円台だった株価が、11月には2,000円まで高騰。

値動きの激しさ、一瞬の灯火がわかります。

株価もさることながらですが、会長のツイートも大きな話題の1つではなかったでしょうか。


自社の株価についてツイートする会長というのは、相当珍しいと思います。

ましてやインフルエンサーのように注目され、自社の株価に大きく影響を与える会長というのも稀です。

会長のツイートが話題になったことで、さらに投資熱が加速し株価を押し上げていたと思います。

もちろん投資は自己責任なわけですから、参加者も理解した上で急上昇株に乗っていることだと思いますが、11月以降は大きく焼かれてしまい、大事な資産を減らしてしまった個人投資家が増えてしまったわけです。

「会長のツイートがなかったら参加してなかった」という方もいるかもしれませんが、それも結果論的です。

もしかすると、もっと大きく株価が上がったかもしれませんし、もっと早くに相場が下落していたかもしれません。

大切なのは今後も同じような銘柄を見つけた際、慎重に投資判断できるかです。

急上昇株を見て「まだまだいけるはず」と欲を出してしまうことはあると思いますが、これだけ急上昇すれば終わりが近いということ、決算の数字や市場のトレンドを長期的に考えた上で、リスクを許容できる分だけ少しずつ投資をしていくのが良い結果を生むと思います。

ただし、言うまでもありませんが普通はこういう銘柄には手を出さない方が賢明です。


4位:ヤーマン(6630)

ヤーマン株価
参照元:Google Finance

2020年に株価が大きく上昇した後、2021年はずっと下落基調だったヤーマン。

注目したいのは株価だけでなく、発売している製品「美容ローラー」についてです。


詳細は上記消費者庁の発表内容を確認頂ければと思いますが、電気の力で温めてもみ流す美容ローラー「トルネードRFローラー」で痩身効果に根拠がなく、景品表示法違反に該当するとして課徴金239万円の納付を消費者庁から命じられました。

サプリメントや美容家電、化粧品などヘルスケアに関わる製品では、当然「痩せる」「肌が白くなる」「シミが消える」など消費者に効果を訴求すればするほど、売上が上がりやすいという構造があります。

当然、訴求しすぎると消費者を騙したり、クレームに発展するため、企業は薬事法や景品表示法に抵触しないギリギリのラインで商品のキャッチコピーやビフォーアフターなどのコンテンツを制作していくわけですが、ヤーマンのような一流企業となると、会社名だけで信用してしまう消費者も多い可能性があります。

美容関連商品はただでさえ、製品の単価が高い傾向にありますので消費者側も気をつけるべきですし、投資となる場合は詳しい知識が必要なことは当然として、細心の注意が必要になります。


3位:海運株

3位は日本の海運株を代表する3社。

日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)です。

コロナ以降、定期船および不定期船の運賃が急騰したことで業績が好転、配当についても大幅上昇しました。

2021年11月末時点(集計期間:月次)の配当利回りランキングでも上位に位置しています。

配当利回りランキング
参照元:Yahoo!ファイナンス

しかし、各運賃指数の成長が鈍化し配当金の権利確定日が過ぎると大きく売られてしまい、10,990円をつけていた日本郵船の株価は2021年10月6日に7,370円をつけます。株価はマイナス32.93%。

過熱感のあった海運株なので、このような状況はある程度予想できたはず。

結果として配当利回りよりも株価が下がってしまい、塩漬け or 損失を確定した投資家は勝ち抜けた投資家よりも多かったんだと思います。


また今後の株価についてはわかりませんが、物流の運賃については世界経済の成長にも関わる重要なコストですので、原油などと同じようにいつまでも高いままを維持するものではないと個人的には思います。

限られた資源を安く使える方が経済は発展しやすいわけですし、運賃が高いままであれば様々な製品やサービス価格に影響を与え続けかねません。

今後も海運が右肩上がりで成長し続けるというのは、中々難しいことだと思います。


2位:MSCIから外れた日本株

2位も1銘柄だけではなく、企業群です。

今年5月にMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・イターナショナル)から日本株29銘柄が指数の組入銘柄から除外されました。

MSCIは世界的な株式指数で世界の株式市場や各国のバランスなどを図る上でもとても重要な株式指数の1つです。

その株式指数の構成銘柄から外れるということは、日本の株式市場自体の魅力が減っていると考えても過言ではありません。

ちなみに去年11月には21銘柄も除外され、世界から次第に置いてけぼりにされている日本株。

日銀が大きくETFで株を買い上げるので、海外の株式と比べると流動性が低いのに時価総額だけ大きくなったり、将来性を比較しても魅力的ではなくなっているのかもしれません。

最近では日本株より米国株の投資信託だったり、GAFAのような成長株に投資する投資家は増えていると思います。

では、今年MSCIに外された29銘柄の企業名と年初来リターンを見ていきましょう。


MSCIに外された日本株29銘柄
企業名 証券コード 年初来リターン
新生銀行830356.09%
丸井グループ825222.92%
東急不動産HD328916.73%
セガサミーHD646013.44%
日本特殊陶業533413.09%
西武HD902412.81%
九州旅客鉄道914211.09%
ふくおかFG83548.06%
アマダ61130.98%
エア・ウォーター40880.39%
九州電力9508-1.45%
京都銀行8369-3.01%
クラレ3405-3.52%
イオンモール8905-4.08%
山崎製パン2212-6.90%
太平洋セメント5233-9.71%
スズケン9987-11.23%
しまむら8227-12.31%
カルビー2229-12.39%
コカ・コーラ日本2579-14.75%
アルフレッサHD2784-16.33%
豊田合成7282-19.05%
中国電力9504-22.39%
日本空港ビルデング9706-22.76%
サンドラッグ9989-25.09%
帝人3401-26.92%
京浜急行電鉄8905-33.28%
名古屋鉄道9048-35.39%
京阪HD9006-47.14%

鉄道や電力、不動産などインフラ系の企業が多いように見受けられます。

コロナによる先行き感の不透明性や大株主比率が大きく浮動株が少ない銘柄が今回相次いで戦力外通告を受けたような印象です。

株価においても19銘柄(全体65%)がマイナス成長となっており、年初来でプラスになっている銘柄は3分の1程度(29社中10社)しかありません。


1位:日本のスーパーグロース株

最後は日本のスーパーグロース株と言われていた、エムスリー、MonotaRO、GMOペメントゲートウェイの3社です。

3社の業績は今年9月期の決算まで基本的に右肩上がりで成長しています。

モノタロウについても前年同月比で売上が120%越えが何度も出ており、超、超、超好調に業績が推移しています

モノタロウ月次
参照元:MonotaRO 公式HP

なのに株価が売られる理由は「地合い」だと私は思っています。

「業績が良いのに株価が上がらないこともある」のが投資の世界です。

投資では株価と決算とのギャップが大切で、優秀な成績を毎回出し続けている企業が好成績を上げても株価は評価されにくくなっていきます。

1杯目のビールは最高にうまいのに同じ味のビールを飲んでいると3杯目、4杯目には1杯目の感動は味わえないのと一緒だと私は思っています。(ちょっと例え方が下手くそで申し訳ございません。。)

つまり、投資家の見通しと実際の決算(企業業績)のギャップが大きいほど、株価は上向きに反応するわけです。

反対に赤字企業や大した業績を残せてない企業がちょこっと良い決算を出した場合には株価が急騰する可能性もあるのが投資市場です。


もう1つ、上記3社が下がる理由は市場トレンドが来年(2022年)以降はグロース株からバリュー株への動きが強いと考えている投資家が増えているようにも思えます。

コロナ以降は金融市場がお金ジャブジャブの状態となり、大量のお金が株式市場に流れ込んできました。

それらの資金は巣篭もり銘柄やハイテク銘柄へ流れ込み、株価を大きく押し上げたと思います。

しかし、コロナ収束の兆しが見えてくるにつれて投資家はテーパリングや利上げによってお金が調達しづらい世界を意識していきます。

すると、今までと同様にグロース株が伸びづらくなり、反対にコロナ禍で置き去りにされていたエネルギーやインフラ関連などグロース銘柄と反対のバリュー銘柄で儲けようと考える流れがきているように感じます。


米国の株式指数S&P500のセクター別のパフォーマンスを見ると、年初来リターンが最も高いのがエネルギー、金融、不動産だったりするので、この動きは来年以降強くなっていく可能性が高いです。

s&p500 sector performance
参照元:novelinvestor

個別で見れば、ハイテク銘柄でも高成長中の企業はたくさんありますが、2019年、2020年に強かった情報技術セクターは2021年は平均以下の株価成長となっています。

2022年は良い業績の企業に投資するだけでなく、地合いも意識していきましょう。


番外編

日本株ではないのですが、番外編として1つだけ紹介したい事例があります。

それは、インフルエンサーであるイケハヤさんとともに有名になったIRONという草コイン(仮想通貨)です。


詳細は当時の記事にまとめておりますが、騰落率とその期間が尋常ではありません。

SNSでの影響力が合間って日本人の被害額は結構出たのではないでしょうか。。

教訓としては「知らないものには手を出さない」

これ、めちゃくちゃ大事です。