ミーム株が続落
ミーム株とは、SNS(主に米国で流行っているReddit)を使ってインフルエンサーが特定銘柄の買い注文を煽ることにより、個人投資家の小さい買いがたくさん集まることによって、大きな株価上昇相場を作り出す株式銘柄のことを意味します。
特に注目されていたのはGameStop(世界規模でPCゲームを販売する小売業)という株式銘柄です。
GameStopは今年1月21日時点では1株あたり43.03ドルをつけていた株価が、わずか6日間で347.51ドル(+707.59%成長した)という経緯があります。

そんな投資熱が加熱しすぎているミーム株の熱が最近になって次第に冷めてきています。
話題となった3銘柄の直近の利回りを以下にまとめてみました。
期間 | GME | AMC | BBBY |
1日 | -13.92% | -15.31% | -6.49% |
5日 | -21.86% | -22.61% | -12.66% |
1ヶ月 | -34.55% | -45.55% | -23.26% |
6ヶ月 | -40.34% | -59.23% | -45.09% |
年初来 | 693.51% | 1,056.22% | -8.15% |
AMCは今年5月に大きい上昇相場を作った後、時間の経過とともに売られており、BBBYも今年1月と6月に買われた後は下落基調となっています。
ゼロサムゲームとは
ミーム株はアメリカを中心としたトレンドですが、日本でもTwitterやLINE、メルマガ、オンラインサロンなどを通じて小規模でも同じようなことが過去も今後も頻繁に起きてくると思うので、ミーム株から学べることというのは決して他人ごとではありません。
私がミーム株の一連の流れから学べると思うことは以下の点です。
- 短期的な上昇相場はゼロサムゲームになりやすい
- 騙す人と騙される人は絶対に居なくならない
ゼロサムゲームというのは、ゲーム理論の1つで参加者の利益と損失の合計がゼロになるゲームのことを意味します。
たとえば、2国間の為替取引ではどちらかのレートが上がれば、どちらかは下がります。
どちらも同じように上昇したり、下降することはありません。
自国通貨の価値が上昇すれば外国側の通貨は下落しますし、反対も然りです。
ミーム株も短期的な利益を得ているインフルエンサーや仕掛け人がいる一方で、大きな上昇相場につられて株を保有し続けている人というのは現在含み損を抱えるか、損失を確定させるしかありません。
言い方は悪いかもしれませんが、ミーム株の一連のトレンドは上昇相場に釣られた人からミーム株を流行らせた人へ資産が移動したということになります。
ミーム株のような現象は仕手株、価格操縦など様々な言葉で過去に何度もニュースなっていますし、今後も同じような事件は繰り返されるはずです。
「短期的にお金持ちになりたい」という根源的な欲望が人間から消えない限り、そういう仕組みを知らない投資素人が新しいカモ(養分)となって騙され続けますし、騙す方は短期的にお金を得られる手段として悪気なく繰り返すんだと思っています。
プラスサムゲームに参加
短期的な株式相場ではゼロサムゲームは当たり前のように発生しますが、米国株式市場(ダウ、ナスダック、S&P500)のような長期的に右肩上がりの投資市場ではゼロサムゲームになりずらいとされています。
世界の人口増加や主要国が国債発行などによってお金を印刷しまくっているので、株式市場に流れてくるお金の量は長期的に右肩上がりになりやすく、全員が得するプラスサムゲーム(ゲーム理論の1つで参加者の利益と損失の合計がプラスになるゲーム)になりやすいです。
投資初心者こそ、プラスサムゲームに参加するべきです。
ゼロサムゲームではお金や知識など力を持っている人の方が勝ちやすいため、投資初心者ほど負け戦になると思います。
勝ちやすい市場に参加して、いかに損をせずに勝ち続けるかが投資ではとても重要です。