株の売り時はいつ?

つみたてNISAで米国株に投資している方、GAFAなど今後10年や20年以上残っていくであろう銘柄を持っている方はきっと長期的な株価の右肩上がりを信じて、ずっと同じ銘柄を保有し続けると考えているはずです。

そういう方の出口戦略は以下の方法に集約されます。

  • 65歳(定年)以降、定額で売却
  • 万が一が起きた時に必要な分だけ売却
  • 死ぬまで売らない

S&P500やVTIなどの強い指標を持っている方にとって、上記の戦略は隙がなく、最適解と言えると思います。

最適解と言える理由は「トリニティ・スタディ」という研究からも明らかです。

詳しくは以下の記事をご覧下さい。


上記の研究はリーマンショックやドットコムバブルなど過去の大暴落も想定された数値となっており、再現性が高い研究です。

しかしながら、2000年のドットコムバブル以降は13年間も資産が最高値を更新しなかったわけなので、機会損失も計り知れません。

今後も出来るなら、リーマンショックなどで資産が半分以下になることは避けたいはず。


株価暴落を分析

過去の株価暴落(景気後退)は以下の順序で起こることが多く、今後も同じサイクルが発生する可能性が高いとされています。

    1. 過剰な利上げ
    2. 逆イールドカーブ
    3. 景気後退

2021年12月現在では、まだ利上げすら行われていませんので、景気後退までは時間があると予想されます。

ただし、利上げが連続して行われてくると、上記の1、2、3と進む可能性が高くなるということです。


イールドカーブとは?

イールドカーブ(利回り曲線)とは、償還期間ごとの債券利回りを結んだグラフです。

Yield Curve US
参照元:wsj

上記は2021年12月9日時点での米国国債(1ヶ月債から30年債まで)の債券利回りを線で結んだグラフです。

グラフの形が短期国債利回りに比べて長期国債利回りの方が高く右肩上がりになっているので、通常通りの順イールドカーブとなっています。

このような順イールドカーブの状態から、過剰な利上げをしていくと、債券価格が崩れてしまい、短期国債の利回りが長期国債の利回りを追い越して、右肩下がりのグラフになると、「逆イールドカーブ」という形が発生します。

この逆イールドカーブが発生すると、かなりの確率で景気後退が発生します。

米国10年債 - 2年債
参照元:FRED

上記のグラフは米国国債10年利回りから2年債利回りを引いた値の推移です。

グラフが0よりも下回ると逆イールドカーブが発生していることになりますが、景気後退(灰色に塗られている部分)の前にはほぼ必ず逆イールドカーブが発生していることがわかります。

コロナショック、リーマンショック、ドットコムバブル、ブラックマンデーなど、どの暴落でも短期国債利回りが長期国債を上回ると景気後退が始まりやすいことが理解できるはずです。


今後、FRBはテーパリングを開始しつつ金利を引き上げるはずです。

それと合わせて、現在のイールドカーブが緩やかにフラット化(長期国債の利回りの下落 or 短期国債の利回り上昇)が促進されます。

フラット化が進みすぎて、逆イールドが発生しやすくなった時には私たち投資家は株を売って暴落を避けるべき時がくるかもしれません。


何度も繰り返しますが、今回は過去のシナリオを解説したものです。

必ず景気後退の前に逆イールドが発生するというわけではなく、可能性の話なので贔屓目に見て頂けると助かります。