皆さん、こんにちは。Gazです。
破壊的イノベーションをもたらす企業へ投資する上場投資信託「ARKK(ARK Innovation ETF)」は2020年のコロナショックにおいて大流行したETFの1つと言えます。
Twitter界隈でもARKKに申し込むためだけにサクソバンク証券の口座開設を進めた人も少なくないはずです。そんな大流行したARKKですが、2021年7月時点において投資家にどれほどの利益をもたらしているのか、そして今後どうなるのかについて考えてみたいと思います。
ARKKとは
ARKKとは、金融、エネルギー、自動運転、DNA技術などの分野において、技術的改善および新しいテクノロジーを持った製品やサービス開発を行う企業へ積極的に投資するファンドであり、資産の65%以上をファンドの投資テーマである破壊的イノベーションに関連する企業の国内および海外の株式に投資することによって資本の長期的な成長を目指しています。
ARK社は自動運転とEVをテーマにした企業であるテスラに最も積極的に投資するファンドであり、2020年テスラの株価成長に合わせて見事なパフォーマンスを記録するとともに大きな話題を呼びました。
ARKK | NAV | Market Price |
3 Months | 9.44% | 9.03% |
YTD | 5.09% | 5.06% |
1 Year | 86.59% | 86.41% |
3 Year | 45.26% | 45.21% |
5 Year | 48.36% | 48.55% |
Since Inception | 34.27% | 34.29% |
上記のパフォーマンスは年換算となりまして、トータルリターンではありません。5年間のパフォーマンスであれば1年間で平均48%も成長し続けてきたということになります。
ただし、驚異的な成長を記録しているARKKですが、直近の株価は思わしくありません。
参照元:ark-funds.com2021年2月をピークにして、株価は一時的(2021年5月頃)に100ドルを下回ります。
破壊的イノベーションは投資家に利益をもたらすのか
ARKKのような「破壊的イノベーション」が投資家に利益をもたらすかどうかは、企業に成績となる「決算」に関わってくると私は信じています。
つまり、将来においてARK社が保有する企業の決算が常にプラスで上がっていくのであれば、そのプラス幅に応じて投資家は利益を得ることになりますし、逆に何かの不足の事態によって企業の存続が難しくなったり、順調に企業が業績を伸ばせなくなることがあれば、投資家は大きな損失を被ることになるという、とても単純な話です。
TESLA($TSLA)
参照元:TeslaテスラはARK社が最も注力する企業でARKKでも全体の10.14%(2021年7月29日時点)を占める企業です。
テスラ決算
— Gaz(ガズ)@資産運用ブロガー (@gazooblog) July 26, 2021
・時間外で株価は+0.97%
・営業利益(Operating margin)が大幅改善
2020-2Q:5.4% → 2021-2Q:11.0%
・生産台数:206,421、納入台数:201,304
YoY+151%と右肩上がり成長するもQoQでは半導体不足などの影響により伸び悩んでいる。
将来の生産台数について1点注意点↓ pic.twitter.com/iQrtT2PT1D
決算後すぐにツイートしましたが、2021年2Qの決算発表はとても良い決算でした。売上が伸びているにも関わらず営業利益が大幅に改善していましたので、さすがというとことです。
ただし、1点懸念点としてはテスラ社でも包み隠さず発表しておりますが「半導体不足」の問題です。QoQで見ると売上成長率は以前よりも低成長となっており、その主な要因が材料不足によるところです。
こればかりはテスラ社の問題でもありませんし、他の自動車メーカーおよび半導体を必要とする企業全部に関連することとなりますので、2022年、2023年以降の半導体メーカーの生産量がどのように改善していくかが問題となります。
ROKU
参照元:rokuROKUとはAmazon Fire TVのように動画ストリーミングサービスを展開する企業です。WIFi環境があれば、テレビに端末を刺すことで簡単にコンテンツを視聴することができます。米国ではFire TVやAppleTVよりもROKUの方がブランディングに成功しており、大きくマーケットシェアを伸ばしています。
ROKUの収益源は視聴者の課金と企業からの広告収入になります。端末販売の利益はほとんどありません。その売上は綺麗な右肩上がりとなっています。

2021年8月4日には最新の決算発表(2021年2Q)があるので、それも楽しみですね。
Teladoc Health($TDOC)
参照元:teladochealthTeladoc Health(テラドックヘルス)は有料会員数が5,200万人を超えるオンライン診療サービスを提供する企業です。2021年2Q決算では売上高5億300万ドル(前年比109%増)となり、2021年の見通しは20億ドルから20.25億ドルに増加しています。
参照元:teladochealth株価と業績が比例しない
先ほどからARKKの上位保有銘柄であるTesla、ROKU、Teladoc Healthの収益を振り返っていますが、どの銘柄も売上は右肩上がりで今後の見通しも強く売上高は今よりも高くなっていくことはほぼ確実と思われるほど、強いトレンドがあります。
ただし、企業の業績とは裏腹に株価は単純ではありません。
参照元:TradingView年初来のパフォーマンスはS&P500が+18.31%なのに対して、 TSLA:-7.18%、ROKU:+41.43、TDOC:-22.23%という結果になっています。売上が去年よりも向上しているにも関わらず、テスラとテラドックに関しては株価がマイナス成長という結果になりました。チャートを見ればわかりますが、2021年5月以降も株価が急激に落ちていますので、2021年4月を起点にして株価成長を見た場合にはもっとヒドイ結果となっていると思います。
マイナスになっている要因としてはコロナショックによってハイテク銘柄の期待値が一気に上がった時に買われ過ぎてしまったこと、ワクチン普及や金利の引き締め(テーパリング)開始の時期が前倒しになっていることが考えられます。
ここからが重要な部分となりますが、私たち投資家は売上が右肩上がりでも、今回のように株価が右肩上がりにならない可能性もあるということを覚えておかなければいけません。株価は需給によって価格が左右されますので、どんなに業績が高くても投資家から人気がなければ株価が下がる場合があります。逆を言えば、業績があまりよくない状態でも株価が上がることもあるということでもありますが、それはダミーだと思います。
持論にはなりますが、私が信じているのは5年や10年など長期的な目線で見た場合において売上が右肩上がりなのであれば、株価はほぼ確実に右肩上がりになると信じています。投資家というのは株式銘柄の価値をEPS(一株あたりの純利益)で計算する文化があるからです。
実際には存在するものの、売上が成長しているにも関わらず万年割安な銘柄というのは存在しないと私は信じています。そういう考えであれば、私たち投資家は常に会社の業績(決算)を見続ければ、高い確率で儲けることができると思っています。
結論
「破壊的イノベーション(ARKK)は投資家に利益をもたらすのか」ということに関してですが、長期的に見れば現状も今後も利益は出ると考えています。しかし、S&P500よりも高い実績を上げられるのか、将来グロース株がバリュー株よりも高いパフォーマンスを上げられるのかは、正直不明です。
現在の相場から見れば、難しい部分もあるかもしれません。盲目的に銘柄を長期保有(ガチホ)すれば儲かるというような簡単な相場ではないめ、毎回決算を見ながら長期的に成長率が高そうな銘柄を長く持ち続けることが最も投資家に利益が生まれる投資方法だと思っています。
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