FIRE(早期リタイア)とは

freedom


皆さん、こんにちは。Gazです。

最近、若い世代や投資に興味がある方の中で「FIRE(ファイア)」という言葉が流行しています。そのキッカケは2018年に米国でソフトエンジニアをしていたピーター氏が30代で仕事を早期退職をしたのち、自身の自由な生活をブログで発信したことから火がつき、世界中に「FIREムーブメント」が広がっていた経緯があります。

FIREとはFinancial Independence, Retire Early(経済的自立をして早期退職する)の頭文字をとって作られた言葉で、毎年かかる生活費を株式や債券などの資産運用だけで工面していくことにより、労働を早期にやめ自由な時間を手に入れるという考え方です。そして、FIREを達成させるためには以下2つの条件が提示されています。

  • 25年分の生活費を投資に回す
  • 投資利回りはインフレ調整後4%以上

誤解を恐れずに言えば、上記の条件を達成すれば人間の代わりにお金を運んでくれるマネーマシンが完成します。投資の成果を毎年の生活費に充てることによって人間は働かなくて済むと言う算段です。


FIRE(早期リタイア)に騙される人とは

私たち日本人の立場で先ほど提示された2つの条件を達成するのは、年齢が若かろうと実はかなり至難の業です。その理由は以下の通りです。

  • 生活費25年分の貯金が不可能
  • 投資先は米国株、優良な公社債に限定

まずは生活費25年分の貯金を稼ぐことがいかに大変かということを説明していきます。たとえば、現在の日本人(一世帯あたり)の平均支出は24万円程度だと言われています。それを参考に25年分の生活費を算出すると、7,200万円(= 24万円 × 25年分)となります。

7,200万円の貯金をわずか30代で貯めれる人が日本にどれぐらいいると思われますでしょうか。先日20代の貯金額(中央値)がたった5万円ということで話題になりましたが、20代で1,000万円も貯めていれば日本では「宇宙人」として扱われる世界観で、30代で7,200万円も貯金ができている人がいれば、それは神様に近い存在なのかもしれません(ごく一部のインフルエンサーや芸能人、実業家など稼ぎまくっている方々しか達成できない領域で、一般的な会社員では不可能な数字です)。

FIRE(早期リタイア)を達成させるための条件の1つ「7,200万円の貯金を用意すること」がいかに無謀な目標かことかを理解いただけると幸いです。


投資先は米国株になる

では次に2つ目の条件となる「投資の利回りはインフレ調整後4%以上にする = 投資先は米国株、優良な公社債に限定される」ということを解説していきます。

30代でFIRE(早期リタイア)を達成させるためには、人生の終わりを80歳と仮定すれば30代から50年間は投資から得られる利益に支えてもらう必要がありますので、自ずと投資先は最低50年間はずっと右肩上がりで成長し続けられる見込みのある投資先でなければいけません。

ちなみにそんな見込みのある投資先は現時点では米国の株式指数であるS&P500が最有力候補です。日経平均や上海総合指数(中国の株式指数)、SENSEX(インドの株式指数)など他の国の株式指数についても今後右肩上がりが期待されたりもしますが、”長期的に”と考えると米国株よりは期待値は下がります(右肩上がりではない可能性もあります)。


為替リスクが重要

投資先が米国株の場合、日本人にとって不利になるのが「為替リスク」です。米国株というのはドル建資産となりますので、1ドル = 100円から1ドル = 80円に円高が進んでしまうと、米国株の株価が変動しなかったとしても20%も株価が下落しているのと同じ効果を発揮します。

つまり、万が一S&P500が50年間平均4%以上のリターンを出し続けてくれたとしても、為替の変動によって4%のリターンを達成できなくなるリスクがあるということなんです。アメリカ人がS&P500に投資をする難易度と日本人がS&P500に投資をする難易度はイコールではなく、日本人の方が投資パフォーマンスを上げるのが難しいということになります。

「投資の利回りはインフレ調整後4%以上にする」という難しさは為替リスク以外にも、そもそも米国の株式指数が50年以上もインフレ調整後で4%以上のパフォーマンスを維持できるかという問題や中国、インド、ヨーロッパなどの市場が今後どのように変容していくかなどのリスクもあるので、簡単に達成できるわけではないということを覚えておいていただけると幸いです。

今20代、30代の方も含めて今後FIRE(早期リタイア)を達成したいと考える方は、普通に頑張っても達成できない可能性が高く、無謀な挑戦をしていしまうと思います。FIREムーブメントに囚われすぎて失敗してしまわないよう計画は自分の頭で考えるようにしていきましょう。


FIRE(早期リタイア)で得する人とは

FIRE(早期リタイア)の目的の多くは「現状の仕事から抜け出したい」「家族との時間を増やしたい」「自分のやりたいことだけに時間を使いたい」というものだと思います。そのために1億円近い資産をためて長期的に投資のリターンを4%以上に保つという本当に難易度が高い手段を達成しなければいけないわけですが、再現性が低いために多くの人は途中で挫折してしまうはずです。

では、どうすればFIRE(早期リタイア)を達成できるかということですが、ここは発想を転換させて見てください。目的は「現状の仕事から抜け出したい」「家族との時間を増やしたい」「自分のやりたいことだけに時間を使いたい」などですが、これらの手段は1つではありません。

私は1億円貯めるでもなく、投資で継続的なリターンを得るでもなく、目的を達成する手段があると思っています。その1つは「好きなことで稼げることを見つける」ということです。さらには、そのことが70歳、80歳になっても継続できることであれば尚良いと思います。それができれば、1億円の資産を貯めて運用し続けることと同等以上の価値が生まれると思います。

たとえば、漫画を描くのが好きな人であれば副業で漫画を出版してみるとか。釣りやアウトドアが好きな人はYouTubeやブログなどの自分専用のメディアで商品を紹介したり、オリジナルグッズを作って世の中に販売してみるなど、自分の好きなことで稼げるようになれば、会社に依存することもないですし、家族の時間が持てるようになったり、自分のやりたいことに使える時間が格段に上がっていきます。

辛い仕事をして1億円貯めることと、好きなことを小さくチャレンジしながらマネタイズしていく方法、どちらがあなたにとって簡単で再現性が高いと思いますでしょうか?どちらが1回しかない人生を楽しく過ごせると思いますでしょうか?

そのことを考えて、実行できる人が「FIRE(早期リタイア)で得する人」だと私は思います。


応援のお願い

以下のリンクをクリック頂けますと私自身ブログの更新も続けやすくなります。お手数ですが応援のほど何卒宜しくお願いいたします🙇‍♂️