貯金できない1人暮らし

2020年8月に実施された「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、一人暮らしも該当する単身世帯の平均貯金額は20代で100万円もないことがわかっています。


年齢別の平均貯金額(単身世帯)
年代 平均値 中央値
20代203万円81万円
30代484万円206万円
40代1,066万円400万円
50代1,601万円622万円
60代1,872万円860万円

年収別で見ても、日本人平均年収以下は貯金額400万円貯めるのも一苦労という状況です。


年収別の平均貯金額(単身世帯)
年収 平均値 中央値
収入なし1,059万円202万円
300万円未満788万円191万円
300~500万円未満958万円367万円
500~750万円未満1990万円750万円
750~1,000万円未満2,443万円1,708万円
1,000~1,200万円未満2,005万円1,500万円
1,200万円以上3,302万円2,040万円

支払いが多くて貯金できない【パーキンソンの法則】

貯金できない理由は大きく分けて「収入が少ない」もしくは「支出が多い」です。

【貯金が貯まる方程式】
    貯金 = 収入 - 支出

特に支出をする際、「パーキンソンの法則」に注意して下さい。

パーキンソンの法則は20世紀のイギリスの行政組織の分析から生み出された法則です。


【パーキンソンの法則】
    第一法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
    第二法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

たとえば、今月のお酒代は○円までと予算決めたはずなのに必要以上に外食を繰り返してしまったり、収入が上がったことで家賃の高い部屋に引っ越すなど、お金はあればあるほど使ってしまったことはありませんでしょうか。

人によっては、それが漫画やアニメだったり、キャンプ用品や釣り道具など、上限がない趣味代を使い過ぎてしまうことは誰しもあるはずです。

パーキンソンの法則から学べることは、「時間やお金はあるだけ使ってしまう」ということです。

何かルールを設けたり、決め事をしないまま、自分の直感や感情に左右されてしまうと、欲望に逆らえず際限なくお金を使ってしまう可能性が高いことになります。


貯金できない女性

日本では男性よりも女性の方が相対的に収入が低くなっていますが、性別に関わらず、貯金できない人は必要以上にお金を使い過ぎている傾向が高いと思います。

総務省が毎月実施している家計調査(家計収支編)では、家計の総支出額と項目ごとに支出額が算出されています。

日本の家計支出は一世帯あたり25万円程度ですが、2001年から2021年までの約20年間で家計支出を項目がどのように変化しているのかを見てみると、保健医療の支出が爆上がりしている一方で、被服費や教育費はだんだん下がっていることがわかります。

家計支出2001 - 2021年


毎月の支払いが多い人というのは、医療サービスや健康関連商品を頻繁に利用する人、教育費や服代などを節約できてない人の可能性があると思います。

2020年から2021年にかけてはコロナの影響で生活スタイルが急変していることもあり、交通費や通信費への支出が一気に上昇していますが、家具や家事関連の支出に関しては下げていて、世の中のサービスをうまく利用していれば、上記の画像のように支出を抑えることは難しくないはずです。

服代で言えば、ユニクロやしまむらなどの高品質かつ低価格なファストファッションが台頭してきたことにより、日本人の服代はだいぶ抑えられていると思いますし、YouTubeやインターネットの普及により無料で受けられる教育コンテンツなども増えてきたように思えます。


先ほど紹介した総務省の家計支出のデータ項目をもう一段細かく階層を分けて見てみると、支出額が20年前と比べて50%以上変動している項目が7項目ありました。

家計支出50%以上変化したもの


20年間で最も支出が増加したのは、サプリメントや医薬品に類似する錠剤、粉末、顆粒、液状の商品「健康保持用摂取品」です。20年前と比べて約75%も上昇しました。

2番目に上がったのはトイレットペーパーや洗剤、ラップ、ゴミ袋などの家事用消耗品です。コロナで家にいる時間が増えたことから、2020年と比べると上がり方が急になっています。

対して、減っているのは交通費や被服関連サービス(クリーニング、レンタル衣装など)が並びますが、家族の「お小遣い」も20年前と比べると62%も減っているのが現状です。

世知辛いですね。。。


最も支出額が減ったのは和服。

着物を着る機会も減り、質屋に出しても売値がつかない商品が増えるなど、納得の結果かなと思います。

これらのデータを参考にしながら、支出額を減らすべきものとそうでないものを区別してみるのも1つのやり方だと思います。