皆さん、こんにちは。Gazです。

とある記事にてSPY(S&P500に連動したETF)よりもVHT(バンガード社が提供するヘルスケアセクターETF)の方がパフォーマンスが良く、暴落時にも下落幅が小さく安定しているため、ポートフォリオの一部に加えてみては?という内容を拝見しました。投資に正解はないですし、その主張に反論するのも違うと思いますので、私なりの見解をブログで紹介していこうと思います。参考になるのかは閲覧頂く皆様にお任せします。


ETFのパフォーマンスを比較

まずはSPYとVHTのパフォーマンスを確認していきましょう。VHTは2004年に設定されたETFとなるため、2004年から2021年6月までのパフォーマンスを比較してみました。

SPYとVHTを比較
参照元:tradingview

約17年間のトータルリターンはSPYが263%に対して、VHTは383%と100%以上も高いパフォーマンスを出しています。しかもリーマンショック時の下落幅はSPYよりもVHTの方が小さく、これを見れば多くの投資家はSPYやS&P500に連動するETFに投資するよりもVHTに投資する方が高いリターンを得られると思うはずです。

ただし、そこに落とし穴があります。それはチャートを切り取る期間によってパフォーマンスの見方は大きく変わるという点です。まずは2004年から2012年までのチャートをご覧ください。

SPYとVHTを比較(2004年~2011年まで)

VHTはリーマンショックの下落幅が小さく、2012年までのパフォーマンスは+11%程度アウトパフォームしてますが、2004年からリーマンショックが起きるまでは常にSPYがVHTをアウトパフォームし続けているため、この期間での勝負は引き分けのような結果となります。

では次に2012年から2016年までの期間を見ていきましょう。

SPYとVHTを比較(2012年~2015年まで)

この期間はぶっちぎりでVHTがSPYを大きく引き離します。この時期のアメリカはオバマ政権下でヘルスケア改革(オバマケア)が行われていた時期になり、SPYとVHTのパフォーマンスはダブルスコアほど離れてしまいます。この時期にVHTに投資をしてた投資家はきっと笑が止まらなかったでしょう。

では最後に、直近約6年間のパフォーマンスを見ていきましょう。直近6年間のパフォーマンスはVHTがSPYを追い抜くことはありませんでした。

SPYとVHTを比較(2015年~2021年まで)

両者のパフォーマンスは約28%ほど乖離しています(VHT:72.46%、SPY:100.14%)。コロナショック後も一時的にパフォーマンスは拮抗しますが、その後また差を大きくしていきます。両者のこれまでの成績をまとめると以下の通りです。

  • 2004年~2011年まで:引き分け
  • 2012年~2015年まで:VHTが強い
  • 2015年~2021年まで:SPYが強い

すべての合計期間で見ればVHTがSPYをアウトパフォームしていますが、その原因を細かく分析してみると2012年~2015年までの期間においてヘルスケアセクターは強い株価成長を遂げたことが大きな要因というのが理解できます。そして直近のパフォーマンスはSPYが勝っているわけですから、将来の予想としてどちらの銘柄のパフォーマンスが高くなるのかはわからなくなっているはずです。むしろ、SPY方が優勢という見方をする投資家がいるかもしれません。


結局どっちが良いの?

過去のパフォーマンス結果を見れば引き分けのような結果となりましたが、仮にチャートで勝敗がついたとしても将来の株価がどちらが高くなるのかは絶対にわかりません。将来の株価を予想するためには、市場規模や業界のテクノロジー、経済のトレンドなどを総合的に分析する必要があります。

最もポピュラーなやり方で言えば、ETFの組み入れ銘柄上位の企業を分析してみるのも有効です。

組入銘柄上位
組入Rank VHT SPY
1Johnson & JohnsonApple
2UnitedHealth GroupMicrosoft
3PfizerAmazon
4Abbott LaboratoriesFacebook
5AbbVieAlphabet Class A
6Merck & Co.Alphabet Class C
7Thermo Fisher ScientificBerkshire Hathaway
8Medtronic plcTesla
9DanaherJPMorgan Chase
10Eli Lilly & Co.NVIDIA

組み入れ比率の高い上記銘柄を分析することによって今後どのぐらいの収益拡大が見込めそうなのか、もしくは株価暴落が起きた際に下落幅を小さく抑えることができるのかを予想していくと確からしい答えが生まれるはずです。


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