皆さん、こんにちは。Gazです。

今回は巷を賑わせている「仮想通貨レンディング」のリスクについて話をしてみようと思います。TwitterやYouTubeを使っている方であればインフルエンサーがおすすめしていたり、一度は聞いたことがあると思います。また現在興味を持っている方も少なくないはずです。今回はそのデメリットやリスクに詳しくなる記事にしましたので是非最後まで読み進めていただけると嬉しいです。


仮想通貨レディングサービスを提供している企業

仮想通貨のレンディングとはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を以下のような企業に貸し付けることで、年利1%〜14%の金利収入(仮想通貨)を得る資産運用術です。

仮想通貨レンディング事業者

金利相場は年率1%~14%程度の開きがありますが、これは顧客が企業へ貸し付ける仮想通貨の種類によって金利が相場が変わってきます。価格変動が激しい仮想通貨ほど金利は低く設定されており、ステーブルコインのような安定した通貨ほど金利が高く設定されています。


仮想通貨レンディングの仕組み

では仮想通貨レディングサービスを提供している企業がどうして顧客に年利1%~14%の金利収入を渡せるのか、顧客から仮想通貨を借りることによってどんなビジネスをしているのかを説明していきます。

まず、ビジネスモデルは大きく分けて3つあることを押さえておいてください。

  • 「取引所」で儲けるパターン
  • 「貸金業」で儲けるパターン
  • 「裁定取引」で儲けるパターン


「取引所」がレンディングで儲ける仕組み

レンディングの仕組み1

取引所がレンディングで儲ける仕組みは上の図のようにシンプルです。投資家から預かった資産を他の投資家に貸し付けることで投資家から金利収入を得るモデルとなっています。なぜ投資家がわざわざ取引所から仮想通貨を借りるかというと、それは少ない資金で大きな儲けを狙うためにレバレッジ取引をしたり、仮想通貨が下がる場合に空売りで儲けることができるからです。その場合は取引所から仮想通貨を借りなければ「レバレッジ取引」も「空売り」も実行することができません。仮想通貨を借りた投資家は借りた期間と量に応じて取引所に金利と仮想通貨を返還する義務が発生します。投資家がレバレッジや空売りをすればするほど取引所は金利収入を得られますので、その一部を仮想通貨を貸してくれた投資家に渡すというのが仮想通貨レンディングで儲けられる仕組みとなっています。

コインチェックやGMOコインなど取引所を運営している企業は顧客から仮想通貨を借りることによって金利収入を得るチャンスが増えますので、このビジネスモデルでさらに儲けを増やしやすくなります。


「貸金業」がレンディングで儲ける仕組み

レンディングの仕組み2

次に貸金業がレンディングで儲ける仕組みは取引所のビジネスモデルとよく似ていますが、その違いは2つあります。

  • 貸し付け相手は事業者
  • 貸し付ける資金は現金

貸金業の場合が貸し付ける相手が投資家ではなく、事業者になります。事業者は設備投資や企業買収などを目的に貸金業から資金調達を行います。銀行など数ある貸金業の中から仮想通貨レンディング事業を行っている貸金業者にお金を借りる理由は1つです。それは金利が安く設定されているからということになります。このビジネスモデルを採用している米国企業のBlockFiでは、事業者が持っている仮想通貨を担保にしてもらうことで一般的な金利よりも安く資金の貸し付けを行なっています。その結果としてBlockFiの業績は右肩上がりです。

BlockFi revenues

参照元:THE BLOOCK

HPを見ると金利は4.5%と書かれており、私は高いな!と思ったのですが米国ではこの金利でも安いみたいです。


「裁定取引」がレンディングで儲ける仕組み

裁定(さいてい)取引(アービトラージとも言いいます)というのは、取引所毎に購入できるビットコインやイーサリアムの価格差を利用して儲ける投資手法を意味します。


詳しくは上記の記事で仕組みを確認頂ければと思いますが、簡単に説明すると以下の通りです。

  • 取引所AのBTC価格(売値):110万円
  • 取引所BのBTC価格(買値):100万円

この状態が発生した際、取引所Bから大量にBTCを仕入れた後で取引所Aで買い付けたBTCを全部売れば1BTCにつき10万円の儲けが発生するということになります。

実際には損をするリスクもあるなど簡単な投資手法ではありませんが、価格変動が激しいビットコインやステーブルコインを使ってこの方法で儲けることは十分に可能です。


デフォリトリスクについて考える

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仮想通貨レンディングの仕組みが理解できましたら、次はデフォルトリスクについて考えていきましょう。デフォルトというのは仮想通貨レンディングを行う事業者が倒産し、金利収入および預けた資産を回収できなくなることを意味します。

大前提として仮想通貨レンディングという投資方法は儲けがゼロか100かの投資方法です。元本が保証されたり、5%の金利収入が2.5%に減るということはありません。損失が出る時は全部無くすか、年利数%の金利収入を受けるかの2択だけなんです。そんな仕組みだからこそ、仮想通貨を貸し付けるレンディング事業者のビジネスモデルを十分に分析し、倒産の心配がないかを見極める必要があります。

上場している企業であれば毎期ごとに発表される収益を分析することで、赤字になる可能性や資金繰りがうまくいかなくなる可能性を十分に理解しておきましょう。親会社や関連会社がある場合がそちらの財務や動向にも注目しておく必要があります。

貸金業の場合は貸付先の企業を見極める力や契約条件が大事になってくるので、過去の顧客で貸倒されたケースの有無や貸し付け条件、審査内容などが確認できる場合は徹底的に確認をすることでデフォルトリスクがどの程度なのかを見極める必要があります。また運営するチームや執行役員などの経歴を見た際に企業分析や審査業務に長けた人がいない場合も注意が必要です。

裁定取引の場合は正直再現性が未知数です。ステーブルコインであれば、仕入れ値さえしっかりしていれば価格が戻りやすいと考えるかもしれませんが、そもそも仮想通貨のステーブルコイン自体が破綻する可能性もありますので、そういう細部までしっかりと事業の再現性を見極めることが重要になってきます。

これは私見になりますが、取引所ビジネスにおいては他の二つと比べると比較的手堅い事業になると思います。仮想通貨の価格が下がっても価格変動が激しければ激しいほど儲かるビジネスですし、関連会社の財務もしっかりしていて上場もされている企業であれば、経営が破綻してしまうというのは考えにくいかもしれません。ただし、可能性はゼロではないので自己責任でお願いします。


流動性のリスクについて考える

仮想通貨レンディングで危険なのはデフォルトリスクよりも流動性のリスクです。流動性のリスクとは売りたい時に売ることができず損失を広げてしまうリスクを意味します。仮想通貨レンディングでは少なからず最低1日は資産が拘束されます。長いものだと数ヶ月間資産が返還されません。その間コインチェックのNEM流出事件中国の仮想通貨規制のような事件が発生することで金利以上に仮想通貨の価格が下がってしまえば投資家の利益はマイナスになってしまうのため、保有資産のうちレンディングにどの程度資産を配分するかも重要になってきます。

また流動性のリスクについて考える際には円やドルを軸に考える方法も重要です。これは新興国通貨への投資にも言えることですが、たとえば年利10%の金利が発生する仮想通貨があったとします。そのレンディングサービスを続ける限り毎年10%ずつ保有する仮想通貨の枚数は増えていきますが、その仮想通貨が円やドルと比較した場合に毎年10%以上価値が下がり続けていたら、投資家の保有資産が増えることはありません。仮想通貨のレンディングサービスは継続している間、仮想通貨がの価値が下がらないことを前提に考えられています。仮想通貨が上がり続けている2020年、2021年の相場で仮想通貨が下がることを考えるのが難しいかもしれませんが、仮想通貨の価値が下がった場合のことも考えてレンディングサービスを利用するかを判断してほしいと思います。


資産を増やす方法はいくらでもある

2020年のビットコイン価格は+275%、2021年5月までは年初来で+105%以上成長しています。仮想通貨レンディングを利用していれば、これらの成長率に金利収入をプラスした利益を得ることができたわけですが今後も同じだけのリターンが見込めるのかはわかりません。

最後に言いたいことは、数ある投資の中から仮想通貨レンディングという投資方法を選択するなら、それ以外の投資方法も十分に検討するべきということです。中にはつみたてNISAやiDeCoを使って投資信託を積み立てる方法もあれば、GAFAやMicrosoft、Netflix、TSMCなど将来性の高い企業の株に投資をする方法もあります。そういう投資方法を十分に検討した上で、自分に最適な投資方法を選んでみてください。


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