キャッシュフローとは
キャッシュ・フロー(Cash flow)とはお金の流れのことを意味し、企業の経営状況を判断する上で損
益計算書(プロフィット・ロス)と貸借対照表(バランスシート)と並ぶくらい重要な指標として利用されます。
キャッシュフローの判断
キャッシュフローは経営者など運営者が自由に利用できる資産(キャッシュ)がどのくらいあるのかを判断します。
そして、自由に利用できる資産が多ければ多いほど健全な運営方法だと判断できます。
逆にどんなに売上や資産規模が大きかったとしても自由に利用できるお金が少ない場合、キャッシュフローは悪いと判断され、運営そのものが良くないものと判断されます。
投資とキャッシュフローの関係
一般的には企業状況を判断されることにキャッシュフローは利用されますが、投資においてもキャッシュフローは極めて重要な指標となります。
その考え方について、次の項で説明していきます。
投資をする上でのキャッシュフローの考え方
投資をする上でのキャッシュフローの考え方は2つあります。
投資家のキャッシュフロー |
|
投資案件ごとのキャッシュフロー
投資案件ごとのキャッシュフローとは、投資開始後の利益額と負債を返済するまでの期間を意味します。
たとえば不動産投資の場合、1,000万円で物件を購入後家賃収入が毎月10万円入ってくると想定すると、負債返済までの期間は100ヶ月(8年4ヶ月)となります。
8年間は家賃収入が負債返済に充てられるため、自由に利用できるお金はゼロということになります。
万が一1,000万円で購入した物件を手放す場合でも買い手が着くまでに相当の時間がかかることが予測されるため、投資商品としてのキャッシュフローはあまり良いとは言えません。
対して、株式取引などの投資については株の値上がり利益で儲けることができるため数時間、数秒単位で現金を移動させることができるほか、利益はリアルタイムで証券企業から振り込まれます。
不動産投資に比べるとだいぶキャッシュフローがいいことがわかります。
投資案件ごとにどのようなキャッシュフローとなるかを判断することが大切です。
税務のキャッシュフロー
税務のキャッシュフローとは、投資によって得られた利益から税金を支払うまでのお金の流れを意味します。
株式投資や仮想通貨投資などは金融商品を日本円に換金しなければ「利益」として認識されないため、税金の支払い義務が発生しません。
しかし、一度日本円に換金することで売却益(キャピタルゲイン)を得た場合は、その利益額から20%から最大55%の税金をその年の3月以降に支払う必要があります。
キャッシュフローがマイナスでも黒字になる!?
投資のキャッシュフローではあまりありえませんが、企業運営の場合営業利益がプラス(黒字)でもキャッシュフローがマイナスとなるケースがあります。
それはパソコンや機械などのレンタルで儲けるリース企業に多い実態です。
通常、会社では従業員に充てがうパソコンやデスク、工場であれば機械などを購入する必要があります。
新品を一括で購入すると、単月でのマイナスが大きく返済に時間がかかってしまうため、リース契約という方法で会社の備品を調達するのが一般的です。
リース契約というのは数年間などある一定期間解約できない代わりに毎月支払うレンタル料を安くできるというメリットがあり、企業も業績に応じて無理なく返済できる契約となっています。
もし月額レンタル料が10万円で5年縛りのリース契約を結んだ場合、リース会社の単月の売り上げは10万円ではなく600万円を計上することができます。
実際に顧客から600万円が振り込まれるのは5年後にもかかわらす、600万円の売り上げを計上するため会社はものすごい黒字のように見えますが、実際にはレンタル用の機材を購入するための負債と顧客からの毎月の収入を考えれば、キャッシュフローはマイナスとなることが予測できます。
売り上げや営業利益だけにこだわりすぎると、キャッシュフローがマイナスとなっていることに気づかず会社のリスクを正確に判断できない可能性がでてくるということになります。
キャッシュフローが投資を良くする
キャッシュフローを理解することで、投資対象の企業判断に使えるだけでなく、投資家自身のキャッシュフローも意識することで運営方法の改善につながるはずです。
まずは自己資金と投資案件ごとのキャッシュフローを確認するところからはじめてみてはいかがでしょうか。