この記事では積立NISAを検討されている方向けに、平均利回りや利益想定を検証した結果を説明していきます。

この記事でわかること
  • 積立NISAの平均的な利回りがわかる
  • 積立NISAを20年間運用した場合の利益想定を出せる




積立NISAの平均利回り

積立NISAの投資先は2019年5月時点で162種類の投資信託が存在します。

平均利回りは投資信託の種類ごとに異なるため、まずは投資信託の分類についてご紹介します。

積立NISA投資先の分類
分類 代表指数 指数成長率
(過去20年)
平均利回り
(過去3年)
日本株式日経平均株価184%10.16%
先進国株式MSCI World Index284%11.64%
新興国株式MSCI Emerging Markets Index349%10.84%
米国株式S&P500255%13.36%
全世界株式MSCI ACWI Index284%11.33%

積立NISAは上記の5つと、もう一つ様々な指数を混合させたバランス型という投資信託に分類することができます。

過去20年間の指数成長率が最も成長しているのは「新興国株式」ですが、投資信託としての成績は「米国株式」が一番です。

さっそく、1つずつどんな特徴があるのかを説明していきます。


積立NISA「日本株式」の平均利回り

「日本株式」に分類される投資信託は日経平均株価、TOPIXと同じ値動きを目的としています。

日本株式ファンドの利回り(2019年5月時点)
ファンド名 利回り
(過去6ヶ月)
利回り
(過去12ヶ月)
利回り
(過去36ヶ月)
野村・日経2252.52%0.74%11.84%
eMAXIS日経2252.50%0.78%11.84%
ニッセイ日経2252.56%0.90%12.00%
ニッセイ日本株-2.98%-10.26%6.51%
ニッセイTOPIX-0.49%-6.96%8.61%
利回り平均値(3年間)10.16%

東証一部上場企業のうち225社を対象にした日経平均株価をベンチマークにしている日経225系ファンドでは3年間のトータルリターンが10%を超えています。

しかしTOPIX(全東証一部上場企業の平均株価)系ファンドでは6ヶ月と1年のトータルリターンはマイナス、3年間のトータルリターンも6〜8%と日経225に比べて約半分のパフォーマンスしか出せていないことがわかります。


積立NISA「先進国株式」の平均利回り

先進国株式とはモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル社が提供する世界の株式を対象にした指数MSCI World Index(MSCIコクサイ・インデックス)と連動した投資信託です。

組入銘柄にはマイクロソフトやアップル、Amazon、Facebookなどが含まれます(先進国株式には日本株や新興国の株式は含まれません)。

先進国株式ファンドの利回り(2019年5月時点)
ファンド名 利回り
(過去6ヶ月)
利回り
(過去12ヶ月)
利回り
(過去36ヶ月)
ニッセイ外国株式8.74%9.29%11.80%
SMTグローバル株式8.54%8.91%11.62%
eMAXIS先進国株式8.46%8.76%11.41%
たわらノーロード先進国株式8.73%9.29%11.93%
野村・外国株式8.49%8.82%11.47%
利回り平均値(3年間)11.64%

日本株式と比べると先進国株式の直近6ヶ月の利回りがよく、わずか半年で8%ほどの収益が発生している状況です。

2018年12月に大きな下落相場があったため、1年間のトータルリターンと6ヶ月の実績はあまり差が出ていない状況です。


積立NISA「新興国株式」の平均利回り

新興国株式も先進国株式同様にモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル社が提供する指標「MSCI Emerging Markets Index」と連動した投資信託です。

世界最大のゲーム会社テンセントアリババグループなどの中国系企業、携帯電話メーカーのサムスン(韓国)などの株価が組み入れられた指標です。

新興国株式ファンドの利回り(2019年5月時点)
ファンド名 利回り
(過去6ヶ月)
利回り
(過去12ヶ月)
利回り
(過去36ヶ月)
eMAXIS新興国株式13.81%-2.45%10.85%
SMT新興国株式13.91%-2.27%10.88%
たわらノーロード新興国株式13.83%-2.51%10.84%
野村・新興国株式13.77%-2.44%10.79%
iFrees新興国株式8.76%0.17%-
利回り平均値(3年間)10.84%

MSCI Emerging Markets Indexは1,000以上の株式銘柄で構成され、約30%が中国市場の銘柄となっています。

MSCI Emerging Markets Index

中国市場は国内GDPを見ても急成長しており、今後中国企業の株価が上がっていくことはかなり確かな未来となっています。

先進国株式と同様に2018年末に大きな落ち込みがあったものの急回復し、直近6ヶ月のリターンは急激に伸びています。


積立NISA「米国株式」の平均利回り

米国株式はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数「S&P500」に連動した投資信託。

ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出されています。

組入リスト上位はマイクロソフトやアップルなど、先進国株式と同じ銘柄が並んでいます。

米国株式ファンドの利回り(2019年5月時点)
ファンド名 利回り
(過去6ヶ月)
利回り
(過去12ヶ月)
利回り
(過去36ヶ月)
楽天・全米株式8.53%13.11%-
フィデリティ・米国優良株8.45%9.86%10.81%
eMAXIS Slim米国株式8.58%--
eMAXIS NYダウ5.75%12.74%15.92%
iFreeS&P5008.54%13.88%-
利回り平均値(3年間)13.36%

米国株式の組入銘柄はアメリカ企業だけです。

先進国株式と比べるとマイクロソフトやアップル社などの株価が影響されやすい傾向にあります。


積立NISA「全世界株式」の平均利回り

全世界株式は日本を含めた世界中の株式銘柄で構成されています。

米国株式ファンドの利回り(2019年5月時点)
ファンド名 利回り
(過去6ヶ月)
利回り
(過去12ヶ月)
利回り
(過去36ヶ月)
楽天・全世界株式8.14%5.43%-
eMAXIS全世界株式9.09%7.30%11.33%
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)9.35%7.78%-
eMAXIS Slim全世界株式8.68%--
SBI全世界株式8.13%5.22%-
利回り平均値(3年間)11.33%

MSCI ACWI Indexを参考にすれば、全体の5割以上はアメリカの銘柄となっています。
MSCI ACWI Index

積立NISAの平均利回り想定

積立NISAの投資信託の平均利回りは過去3年間で11.46%あったと理解できました。

ここでは積立NISAの利回りを3.82%と想定して20年間積立NISAを運用した場合、どのくらい儲かるかを想定してみましょう。

積立金額に応じた20年間の利益は以下のようになります。

積立NISAの資産推移
積立金額 10年目 20年目
千円147,325円359,448円
5千円736,625円1,797,240円
1万円1,473,251円3,594,480円
3万円4,491,752円10,783,441円
33,333円4,910,786円11,981,481円

毎月1万円ずつ積立NISAを運用した場合は20年後に約359万円の資産を形成できる想定です。

359万円のうち、119万円は運用による利益で実際に積み立てた金額は240万円となります。

積立NISAの上限金額33,333円を積立した場合は投資元本800万円に対して約389万円分の運用益を得られる想定です。


わずかな投資金額でこれだけの資産形成ができる可能性が広がっています。

これはあくまで想定なので、結果を保証するものではありません。そこだけはご注意ください!


まとめ:積立NISAの利回りが高いのは「米国株式」

2019年5月時点で積立NISAの平均利回りが最も高い分類は「米国株式ファンド」でした。

特に以下の投資信託が好成績を記録しています。


利回りで積立NISAを決めない

ここまで積立NISAの平均利回りと利回りが高い銘柄について調べてきました。

最後お伝えしたい重要なことがあります。


それは「利回りだけで投資支度を選ぶと危険」ということです。


利回りの高い投資信託にはリスクがある

利回りが高い金融商品は急激な価格変動を起こす可能性が利回りの低い商品よりも高くなります。

高い実績を担保している投資信託ほど、リーマンショックのような恐慌が起きた場合は最も下落率が高くなりやすいということです。

投資の世界ではリターン(利回り)の高い金融商品ほどリスクも高いというのが定説です。高い実績に惑わされてしまうと、急激に資産を失ってしまいます。

リターンの高い商品にはどのようなリスクがあるのかを取引する前に調べることが重要です。決して利回りランキングだけで判断し、最も高い金融商品を購入する方法は危険ということを覚えておいてください。


信託報酬も重要

投資信託を選ぶ際には手数料である「信託報酬」も調査しましょう。

資産の数パーセントですが、最大20年間投資することを考えれば膨大な金額となります。