「初心者でも気軽に税制優遇を受けながら、投資を始めることができる」と様々な金融メディアで取り上げられる積立NISAですが、投資経験のない方にとって本当に「積立NISAは大丈夫なのか?」と疑問に思うのも無理はありません。

なぜなら、積立NISAも金融商品としては複雑かつ理解しにくい金融商品だからです。


これから投資を始めたいと考えている方がまず最初に知りたいのは、積立NISAのメリットとデメリット。

この記事では「積立NISAのデメリット」に注目し、徹底解説していきまます。

この記事でわかること
  • 積立NISAのデメリットがわかる
  • 積立NISAの注意点がわかる
  • メリットとデメリットどっちが大きいかがわかる

これから積立NISAを始めようと考えている方は、始める前にこの記事を確認してくださいね。

では早速、説明していきます。





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積立NISAのデメリット

デメリット

価格変動リスクがある積立NISA

積立NISAは投資した金額よりも資産価値が下がるリスクのある(元本保証がない)金融商品です。

積立NISAの資産価値は毎日変動しており、今月積立NISAを1万円分購入しても、来月引き出す時にはその1万円が保証されているわけではなく、10100円になっている可能性もあれば、9900円になっている可能性もあります。


期待できるリターンと同じくらい、資産価値が減るリスクが積立NISAにはあります。この考え方はすべての投資商品に共通する考え方です。

将来的に上がると言われるような投資商品であっても「必ず上がる」わけではありません。常に価格が上がる可能性と下がるリスクが同じ程度発生しています。


積立NISAを始めるなら、価格が上がることを想定すると同時に下がることも想定しなければいけません。

銀行預金や国債などのように元本が保証された金融サービスではないという認識が必要不可欠です。


投資先が限定される積立NISA

積立NISAでソフトバンクやファーストリテイリングなどの国内外の個別銘柄に投資することができません。

積立NISAの投資先は金融庁に登録されている163種類(2019年7月22日時点)の投資信託およびETFに限定されています。

投資信託の仕組み

投資信託とは、上記の図のように金融のスペシャリストが世の中にある株式などの金融商品から優良な銘柄だけを1つにまとめた金融商品が投資信託です。

一般的に投資信託というのは数百種類の金融商品を組み合わせています。多いものでは数千種類以上の銘柄が組み込まれていることも珍しくありません。

積立NISAで投資信託を購入する投資家は、たった1つの投資信託を購入するだけで数百種類の投資先に投資している投資家と同じ手法をとることになります。


損益通算できない積立NISA

損益通算に関しては、現在投資をしていない人、これからNISA以外で投資をする予定がないのであればデメリットにならないので、ここは飛ばしても問題ありません。


損益通算とは、証券口座を複数持っている場合に互いの利益と損失を合算して確定申告することです。

証券口座を複数持っていなくても、前年に100万円分損失し今年100万円の利益を得た場合は前年と今年の利益を合算して確定申告(繰越控除)することができるため、無駄な税金を支払う必要がなくなる制度が損益通算です。


積立NISA以外の投資が儲かり積立NISAで損をした場合、積立NISAの損失分で税金の支払い額を抑えることはできないので注意が必要です。


非課税期間は2037年まで

積立NISAは2018年1月からスタートした制度で、期限は2037年12月31日までと決まっています。最大20年間非課税で投資することが可能となりますが、2038年以降は課税対象となってしまうので、2019年8月から積立NISAを始めた場合の最大投資期間は18年と4ヶ月ということになります。

積立NISAの開始時期が遅ければ遅いほど、投資期間が短くなるというデメリットが起こります。


積立NISAの注意点

積立NISAでは、気をつけないとデメリットにもなりかねない注意点があります。


非課税枠は繰り越し不可

積立NISAが1年間で投資できる最大金額(年間非課税投資枠)は40万円となりますが、余らせた分を翌年に繰り越すことができません。

たとえば、今年積立NISAで投資した額が30万円だった場合は翌年に余った分(10万円)をプラスして50万円分の投資ができるようになるわけではなく、常に年間投資枠は最大40万円で余らせた分を繰り越すことができないので注意が必要です。


ロールオーバーはできない

ロールオーバーとは、非課税期間終了後も過去の非課税投資枠を1年毎に移し続けて、非課税投資期間を延長する制度です。これは一般NISAとジュニアNISAだけに認められた制度で、積立NISAではロールオーバーをすることができません。

ロールオーバーについては以下の記事をご覧ください。


証券口座の移動は年1回

積立NISAの制度上、1月1日から9月30日までの間に新規で買い付けを行っている場合は同年中の金融機関変更ができない決まりとなっています。証券口座の乗り換えは10月から12月の間に済ませる必要があります。

積立NISAの取扱い銘柄が少ない金融機関でNISA口座を開設してしまうと、万が一証券口座を移す場合には苦労してしまうので予め取扱い銘柄が多いネット証券などを選択するのが賢明です。


積立NISAはメリットとデメリットどっちが大きい?

メリットとデメリット

積立NISAにはデメリットがあることを紹介してきました。

次は、そのデメリットが投資を躊躇させるものなのか。それともメリットの方が大きく気にするほどのことではないのか。

私なりの考えを伝えていければと思います。


価格変動リスクは受け入れるべきデメリット

積立NISAに関わらず、すべての投資商品に言えることがあります。

それは、まともな投資のリスクとリターンの大きさはほぼイコールであり、ローリスク・ハイリターンな金融商品はこの世には存在しないという事実です。

ただし、ハイリスク・ローリターンな商品(詐欺商品やぼったくり商品)は結構あります。まともな金融機関にも普通にラインナップされているので注意が必要です。


大きなリターン(利益)を求めるのであれば、必ず大きなリスクを受け入れる可能性があります。利回り20%を目指せる金融商品であれば、年間損失がマイナス20%以上になることも受け入れなければいけません。

また絶対に損をしたくないと考え、ローリスク商品に投資するならリターンも少なくなるというのが現実です。

価格変動リスクの大きさ
リスクの大きさ 投資の例
ハイリスク為替FX、仮想通貨
ミドルリスク投資信託、ソーシャルレンディング
ローリスク国債、銀行預金

運用資金と投資目的に応じて、どの商品を使うかは投資家の自由ですが、リスクを受けれなければリターンはありません。

積立NISAの投資先である投資信託は銘柄(ファンド)にもよりますが、比較的ミドルリスク・ミドルリターンな商品が多くあります。平均期待利回りは3%〜5%を少ないととるのか、大きすぎるととるのかは投資家次第です。

投資信託の利回りについては以下の記事をご覧ください。


積立NISA(投資信託)はほぼ完璧

積立NISAの投資先である投資信託は他の金融商品と比べて、損しにくい仕組みがあります(損をしないわけではありません)。その要素が以下の3つです。

  • 分散投資
  • 積立投資(ドルコスト平均法)
  • 長期投資

積立NISAは1銘柄投資するだけで、世界に存在する数百から数千種類の個別銘柄に投資しているのと同じです。投資先を分散させることによって価格変動リスクが軽減し、損しにくい仕組みとなっています。


さらに積立NISAは毎月一定額を積み立てる投資方法です。

価格が上がった時には少なく購入し、価格が下がった時には多く購入することが出来る仕組み(ドルコスト平均法)のため、高値掴みするリスクも抑えられます。


長期投資は短期投資に比べて価格変動リスクが高くなりますが、定期的に状況を見極めながら投資することによって大きな利益を狙いにいくことも十分可能です。成長し続けている市場のインデックス投資を選択すれば小さいリスクを長期的に受け入れることによってハイリターンが狙える商品でもあります。


税制優遇の効果は大きい

積立NISAの税制優遇の効果はかなり大きいものです

平均利回り5%想定で20年間毎月33,333円ずつ積立すると、1,370万円分の金融資産が形成されます。

積立NISAの場合はここから税金がかかることはありませんが、一般口座で1,370万円分の金融資産を現金化すると約278万円の税金を国税庁に支払わなければ行けないため、最終利益は1,091万円に減ってしまいます。

この差はかなり大きく、現行の積立NISA制度では2037年を超えると税制優遇を受けられなくなってしまいます。


しかし、NISA制度は恒久化される可能性が出てきており、開始時期に関わらず20年間の税制優遇を受けることが出来るかもしれません。


結論

積立NISAはデメリットが少ない

積立NISAデメリットを説明してきましたが、ほとんどのデメリットは受け入れられるべきものが多く、大きなデメリットがないことがわかります。

そして、積立NISAのデメリットも細かく原因を分析することによって、新たな使い道が見えてきます。


ただし、投資先のファンドを間違えてしまうと、かなり厳しくなるのも現実。

投資先選びについては以下の記事をご覧ください。