SFDとは何か?
Swap For Difference
SFDとは現物取引と証拠金取引(仮想通貨FX)の価格乖離幅を縮小するために設けられたルールの1つで「Swap For Difference」の略称となります。Differenceは「差、違い」という意味で、ある地点で発生している現物価格とFX価格の乖離幅(Difference)を交換(Swap)するルールとなります。
SFDの仕組み
SFDの仕組みを簡単に説明すれば現物とFXの価格乖離が縮小する取引をした投資家にはボーナスを付与し、逆に価格乖離が拡大する取引をした場合にはペナルティを支払わせるルールです。
SFDの仕組み(まとめ) |
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SFDは価格乖離幅が大きくなったときのみ発動するルールです。価格乖離が小さかったり、全くない状態ではSFDのポーナスやペナルティは発生しません。
SFDの具体例
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上記条件の中、仮想通貨FXで取引をするとSFDが発動します。
92万円(仮想通貨FX)で「買い注文」の取引を終了させた場合は価格の乖離幅が大きくなるため、約定価格である92万円から数%のSFD手数料を取引所に支払わなければいけません。仮にSFD手数料が1%だった場合は1回の取引で9,200円の手数料を取引所に支払うことになります。
次は92万円(仮想通貨FX)で「売り注文」の取引を終了させた場合を想定します。売り注文の場合は価格乖離幅が小さくなるので、SFD手数料としてボーナスが付与されます。仮にSFD手数料が1%だった場合は1回の取引で9,200円の手数料を取引所から受け取ることができます。
bitFlyerがSFDを導入
SFDの条件
日本の仮想通貨交換所であるビットフライヤーが以下の条件でSFDを導入しました(初回導入からSFDの設定条件は改善しており、2019年7月時点での条件を表示しています)。
約定の種類 | 新規注文 | 決済注文 |
価格乖離を拡大する方向の約定 | SFD徴収 | SFD徴収 |
価格乖離を縮小する方向の約定 | SFD付与 | SFDなし |
ビットフライヤーでは決済注文で価格乖離が縮小する方向に約定した場合のみSFDは付与されないルールとなっています。
価格乖離幅 | SFD比率 |
5% 以上 10% 未満 | 約定金額の0.25% |
10% 以上 15% 未満 | 約定金額の0.50% |
15% 以上 20% 未満 | 約定金額の1.00% |
20% 以上 | 約定金額の2.00% |
乖離幅が大きくなるほどSFD比率が大きくなり、より多くのペナルティが発生する仕組みです。SFDを発表した当初(2018年2月時点)ではよりSFD比率が高く、最高で3%の比率が設定されていました。
SDF導入後の効果
SFDはボラティリティを低くし、急激な価格変動を抑制する効果があると期待されていましたが、結果をみればそれは真逆の効果となりました。
真逆となる理由はシンプルです。bitFlyerでは価格が縮小する方向に約定すると当時は3%ものボーナスが発生したため、ボーナス目当てに大量に注文が入るようになったのです。すると、値動きが激しくなり、大きく損失をする投資家と大きく利益を出した投資家が急増する結果となりました。
ビットフライヤーは取引所の手数料で収益をあげるため、SFDによってボラティリティが上がると収益が向上しますが損失を被る投資家も急増します。損失を被った投資家ほどビットフライヤーを非難する結果となり、SFDの改善が求められ、結果としてSFDの比率を下げることとなります。