2018年から始まった「つみたてNISA」ですが、それは1人1口座しか持つことができない少額投資非課税制度。
つみたてNISAは前からあるNISA(一般NISA)とは併用することができないとあって、どっちを優先すればいいのか困惑しています。
投資期間や上限金額、投資先まで異なるNISAとつみたてNISA。
かなり試行錯誤してしまう人が多いのも事実です。
この記事でわかることは以下の通り。
この記事でわかること |
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では、早速説明していきます。
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NISAってどんな制度?
少額非課税投資制度
一般的に株式投資や投資信託の売却益には約20%の税金がかかってしまいます。下図のように株式投資で年間100万円の儲けを出した場合は約20万円を国税庁に支払わなければいけないのが日本の決まりです。
税金を差し引いて計算すると、投資家の儲けは100万円から80万円に減ってしまいます。しかし、全く同じ投資でもNISAを使うことによって100万円の利益を出しても税金を1円も払わなくて良いのがNISAの仕組みです。
NISAとは、一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる売却益に関しては税金がかからない少額投資非課税制度です。
これだけ税金が優遇されている投資はNISA以外にはなく、投資家であれば必ず利用した方がいいと言われるほど、超優遇された税制措置となります。
正直、これを使わずに投資をするなんて本当にありえません。
NISAは一人1口座しか持てない
NISAには「NISA」「ジュニアNISA」「つみたてNISA」の3種類がありますが、どれも併用することができません。金融庁が定める制度上、1人1口座しか持つことができない決まりとなっています。
口座を登録する際はマイナンバーを提出しなければいけないので、間違って作ってしまうこともあり得ないのです。
NISAとつみたてNISAはどっちが得?

ここから本題である「NISAとつみたてNISAはどっちが得なのか」について説明してきます。
どっちが得かという質問の答えについては、結局その人によります。以下の表でNISAを選ぶべき人とつみたてNISAを選ぶべき人の考え方をまとめてみました。
NISAを選ぶべき人の考え方 |
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つみたてNISAを選ぶべき人の考え方 |
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この結果を見た際に、おそらく9割以上の方は「わたしはつみたてNISAを選ぶべきだ」と考えるはずです。私も投資の専門家やファンドマネージャーなどの仕事に関連していない限り、「つみたてNISAを選ぶべき」だと考えます。
では、次にNISAとつみたてNISAの違いについて説明していきます。
NISAとつみたてNISAの違い
金融庁のHPを参考に、NISAとつみたてNISAの違いを表にしてみました。
項目 | 一般NISA | つみたてNISA |
対象年齢 | 20歳以上 | 20歳以上 |
非課税投資期間 | 5年間 | 20年間 |
年間非課税投資枠 | 120万円 | 40万円 |
累積非課税投資額 | 600万円 | 800万円 |
投資対象商品 | 投資信託、株式等 | 条件を満たした投資信託のみ |
投資方法 | 制限なし | 継続的な買付のみ |
金融機関の変更 | 各年変更可能 | 各年変更可能 |
NISAは非課税投資期間が5年間と短いものの、年間投資枠や投資対象が優遇されており短期間で集中的に投資をしていくスタイルとなります。
一方でつみたてNISAは年間非課税投資枠が40万円(月換算すれば3,3333円)しかありません。ただし、投資期間は最大20年もあるので長期的に少しつづ利益を増やしていく方法ということがこの表から読み取ることができます。
つみたてNISAは損するリスクが低い
つみたてNISAには損失リスクを低くする仕組みが詰まっています。その仕組みは以下の3つです。
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投資信託は分散投資に最適
つみたてNISAは投資信託にしか投資することができません。投資信託とは、投資専門家を信じて託す金融商品です。
上記の図のように金融のスペシャリストが世の中にある株式や不動産などの金融商品から優良な銘柄だけを1つにまとめた金融商品が投資信託です。
一般的に投資信託というのは数百種類の金融商品を組み合わせています。多いものでは500種類以上の銘柄が組み込まれていることも珍しくありません。
つみたてNISAで投資信託を購入する投資家は、たった1つの投資信託を購入するだけで数百種類の投資先に投資している投資家と同じ手法をとることになります。
分散投資の対義語は集中投資ですが、なぜ分散投資が投資のリスクを下げるのかについて説明します。
例えば10社に1万円ずつ投資した場合と1社に10万円投資をした場合を想像してみてください。たまたまそれぞれの投資先に含まれる企業が1社倒産したとします。
10社に1万円ずつ投資した投資家は1万円の損失額で済みますが、1社に10万円投資をした投資家は全額失ってしまいます。投資先を分散した方が万が一のことが起こった際のリスクが低くなることは明らかです。
投資先は多いほどリスクが低くなるというのは投資の鉄則でもあります。
積立投資は価格変動リスクに強い
積立投資とは毎月決められた一定金額を等間隔で投資していく投資スタイルです。積立投資のコツは取引期間と取引金額を一定に保つこと。決して投資家の判断で取引金額を変えてはいけません。
では、なぜ積立投資が価格変動リスクに強いか。
それは以下の図で説明します。
まずは価格が40円から120円まで変動する金融商品を4ヶ月間に分けて1万円ずつ積立投資した場合の利益額を計算してみましょう。
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | 3ヶ月目 | 4ヶ月目 | |
1枚の価格 | 100円 | 120円 | 50円 | 40円 |
投資金額 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 |
購入枚数 | 100枚 | 83枚 | 200枚 | 250枚 |
累計購入枚数 | 100枚 | 183枚 | 383枚 | 633枚 |
累計評価損益 | 10,000円 | 21,960円 | 19,150円 | 25,320円 |
積立投資には毎月1万円ずつ投資をしていくことで価格が高い時には購入枚数が少なくなり、価格が安い時には購入枚数が多くなるという特徴がでてきます。
投資とは「安い時に買って、高い時に売る」ということが鉄則です。購入価格を毎回揃えることによって高い時には購入枚数を減らし、安い時にはたくさんかうことができるのが積立投資のメリットです。
そして重要なのは価格変動リスクに強いということですが、その答えは集中投資した際の累計評価損益と比較してみると明らかになります。
1ヶ月目 | 2ヶ月目 | 3ヶ月目 | 4ヶ月目 | |
1枚の価格 | 100円 | 120円 | 50円 | 40円 |
投資金額 | 4万円 | 0円 | 0円 | 0円 |
購入枚数 | 400枚 | 0枚 | 0枚 | 0枚 |
累計購入枚数 | 400枚 | 400枚 | 400枚 | 400枚 |
累計評価損益 | 40,000円 | 48,000円 | 20,000円 | 16,000円 |
集中投資は価格が上昇している時は大きな利益を発生しますが、逆に価格が下がってしまうと極端に評価損益を下げてしまうハイリスク・ハイリターンな投資方法です。
4ヶ月目の累計評価損益をそれぞれ比較してみると、積立投資の場合は25,320円なのに対して、集中投資では16,000円にまで下がってしまいます。同じ金融商品に同じ4万円を投資しているのにも関わらず、これだけの差がでてしまうのです。
つまり集中投資はハイリスクハイリターンな投資方法、積立投資はローリスク・ローリターンな投資方法だということがわかります。
ここで、底値で集中投資すればもっと儲かるじゃないか!!というご意見があるかと思います。
たしかに最も安い時に集中投資することで大きく利益を出すことが可能です。
しかし、底値で購入することは投資のプロでも難しく、底値がどこかを判断するのは至難の技。ましてやこれから投資を始めようと考えている方の場合はほぼ不可能です。底値で買うことができないのであれば、いかに価格が下がった時に損をしないかということを考え、投資する方が利益を発生させやすくなります。
長期投資は利益幅が大きい
つみたてNISAが低リスクな理由を「分散投資」と「積立投資」で説明してきましたが、
最後は「長期投資」について説明していきます。
正直これは過去の株式チャートを見てもらった方が早いので、まずはこちらをご覧ください。

これはアメリカ株の平均指数である「ダウ平均株価」を過去30年間に遡ってみたチャートです。見てわかる通り、株価は常に右肩上がりで増え続けています。
ここで重要なのは短期的な価格変動よりも、長期的な価格変動の方が大きく動くということです。数ヶ月間の投資よりも、10年以上ずーーーっと同じ銘柄を持っていた方が利益が高くなるという仕組みになっています。
これはアメリカに限ったことですが、おそらくこれからは新興国と言われる中国やインドなどのアジア経済も同じように伸びてくる可能性が高いと言われており、長期投資の方が確実性が高いのは間違えなさそうです。
ただし、日本のように経済が衰退している国は別です。

上記のように上がったり下がったりを繰り返しているので、長期投資をしても利益が大きくなるとは言えません。投資する市場によって長期投資が有利なのかは見極める必要がありますが、アメリカ市場への投資に限ってはウォーレンバフェットのように長期投資の方が成功しやすいでしょう。
結論、つみたてNISAがおすすめ
ここまでNISAについて説明してきましたが、どちらを選ぶべきか考えはまとまりましたでしょうか。
早速、NISAを始めてみようと思う方はつみたてNISAの取扱い銘柄が多いSBI証券で始めてみましょう。
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もう少しつみたてNISAのことについて知りたいという方は、当ブログを参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。