確定申告や年末調整など、何かと面倒な作業。NISAをこれから始めようと考えてはみるものの面倒な作業が発生するのではないかと不安になることも多いと思います。

本記事ではNISAを始めることによって降りかかるであろう面倒な作業を未然に防ぐためにも年末調整と確定申告について解説していきます。




NISAで年末調整は不要

結論から言えば、NISAで年末調整の手続きをする必要はありません。

そもそもNISAとは少額投資非課税制度といって、税金がかかない投資方法です。積立NISAやジュニアNISAも同様に税金を支払う必要がない制度になっているため、NISA口座を開設しているからといって元々の税金が安くなったり、多く支払うようなことはありません。


年末調整とは

年末調整とは、税金控除や申告が必要な収入などの過不足を調整し正しい税額を収めるための手続きです。

家族がいる方であれば配偶者控除や扶養控除を申請したり、生命保険や高額な医療費を支払っている場合も年末調整で申告すると、一部の税金が控除され税金の支払いが少なくなります。


主婦や学生も年末調整は不要

会社員の方は毎年12月になると年末調整の時期となり様々な手続きをしていますが、一般的に年末調整をしていない主婦や学生であっても、NISAで年末調整をすることはありません。

個人事業主(フリーランス)や副業をされている方で毎年確定申告をされている方でもNISAを加味して確定申告することはないので、NISAのルールをはみ出して運用をしない限りは誰もNISAで年末調整をすることはないのです。

NISAで年末調整する場合は?

NISAや積立NISAでは年間で投資できる金額に上限があります。

NISA比較表
項目 NISA 積立NISA ジュニアNISA
非課税期間5年間20年間5年間
年間非課税投資枠120万円40万円80万円
累積非課税投資額600万円800万円400万円

その上限を超えて投資をした場合は誰でも確定申告が必要となります。会社員の方以外も例外ではなく、主婦や学生、個人事業主の方も例外なく確定申告が必要となりますので注意が必要です。


積立NISAなら年間40万円

積立NISAであれば年間で投資できる金額は40万円と決まっています。月に直すと毎月33,333円ずつの投資が可能になる計算です。

万が一、積立NISAをしているにもかかわらず毎月5万円ずつ投資をしてしまうと、年間60万円投資していることになります。年間40万円分までの利益は免税されますが、残り20万円の投資によって利益が発生した場合は確定申告が必要となるのが日本の法律です。

上限枠内に抑えれば不要

それぞれのNISAで設定されている年間の上限金額をオーバーしなければ、NISAで確定申告をする必要はありません。そのことだけ注意しておきましょう。


年末調整しないNISA対策

NISAでは年末調整が発生することがありませんが、さきほど説明した通りで確定申告の必要性がでてくる場合があります。これからは面倒な確定申告を避ける対策について説明していきます。


NISA以外で投資をしない

NISA口座を開設した証券会社以外で口座を開設し投資をした場合、別の証券会社で発生した利益には課税義務が発生します。年間20万円以上の利益を出した場合であれば確定申告を免れることはできません。

確定申告をしたくない場合は取り急ぎNISA以外の口座で投資をすることと、NISAの年間投資上限額を超えて投資することは控えましょう。


特別口座(源泉徴収あり)を利用する

NISA口座で非課税対象枠以上に投資をしたいけど、確定申告はしなくないという方は、証券会社で口座を作る際に、「特別口座(源泉徴収あり)」を選択するのがおすすめです。

どの証券会社にも「一般口座」「特別口座(源泉徴収あり)」「特別口座(源泉徴収なし)」という申し込み方法があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

口座比較表
項目 一般口座 特別口座
(源泉あり)
特別口座
(源泉なし)
特徴税金計算も確定申告も自分で行う証券会社が納税を代行確定申告だけは自分で行う
メリット豊富な商品を取引可能確定申告不要、全てお任せ20万円以下なら税金ゼロ
デメリット手間が多く、面倒税金を多く払うこともある20万円以上の儲けは要申告

特別口座(源泉徴収あり)のメリットは、万が一確定申告が必要なタイミングとなった場合でも面倒な税金計算をする必要もなく、確定申告も合わせて証券会社が代行してくれるところにあります。どうしても非課税枠を超えて購入したい金融商品や好きな株式銘柄などがでてきてしまった場合に、しっかり証券会社が対応してくれます。

ただし、1つ気をつけておかなければいけない点があります。それは、非課税枠以外の投資利益額が20万円以下でも確定申告を代行してしまうという点です。本来、年間利益額が20万円以下の場合は確定申告が免除されています。20万円以下でも確定申告をしてしまうと、その利益額に合わせて税金を支払わなければいけなくなります。

特別口座(源泉徴収あり)は自分で確定申告をする口座と比べると余計に多くの税金を払ってしまうこととなります。金額感はおおよそ年間で1万円弱程度となりますが、それくらい気にならないという方は、特別口座(源泉徴収あり)」を選択するのがおすすめです。


株式数比例配分方式を利用する

NISAでは、配当金の受け取り方法によって課税対象になるケースがあります。

配当金とは、株式を発行する企業が利益の一部を株主に還元する利益(お金)のこと。配当金の受け取り方法は以下の3つです。

配当金の受け取り方法
受け取り方式 詳細
株式数比例配分方式証券口座で配当金を受け取る方法
配当金領収証方式郵便局またはゆうちょ銀行に「配当金領収証」を持参し、配当金を受け取る方法
登録配当金受領口座方式指定した銀行口座で配当金を受け取る方法

「株式数比例配分方式」というのは、口座開設した証券企業を通して配当金を受け取る方法です。それ以外の方法は、郵便局や銀行の口座を通して受け取る方法となります。

証券会社を通さずに配当金を受け取ってしまう場合、NISA口座の対象から外れるため、課税対象となるというのがルールです。配当金の受け取り方法については、迷わず「株式数比例配分方式」を選択するのが無難です。