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Facebookがなぜ仮想通貨を?

新たな金脈

なぜ世界的企業であるFacebookが仮想通貨を発行するのかと疑問を持っている方もおおいはず。そこには相応の理由があります。

FacebookがLibra(リブラ)という仮想通貨?新しい通貨の発行を目指す目的の1つは「銀行に変わる金融プラットフォーム」を立ち上げて、収益を拡大するためというのが大筋です。日本でもLinePayやPayPayなど決済競争が起きているようにデジタル決済市場が今後大きくなっていくことは間違えありません。Facebookはその世界市場を取りに来ているというのが大きな見方となります。


ターゲットは発展途上国

世界には移民や経済的な理由で銀行口座を持つことができない人々が17億人も存在し、そのほとんどが発展途上国。発展途上国では自国の通貨がインフレで価値が目減りしていくことも少なくありません。そういった経済危機に瀕した国の通貨を持つ国民はより価値が安定した通貨を持ちたいと思う需要をFacebookという超有名企業が一円以下のお金までスマホ1つで管理可能となるメリットは価値の安定です。


リブラとビットコインの違いは何?

価値が安定しているリブラ

ビットコインと今回発表されたリブラの大きな違いは「価格が一定である」という点です。ビットコインは過去のチャートからも明らかなように1BTCが200万円の時もあれば、1BTCが30万円になったりと価格がたった数年の歴史を見ただけでも大きく変動していることがわかります。たとえば100万円分のボーナスをもらった後使わずに半年間保管しただけで価値が3分の1になったら、それは不便でしかありません。価格変動の大きすぎる通貨は価値を保管することができないので、ビットコインはこの点において危険性が高い通貨となります。

一方でリブラはいつどこででも価値が担保される「ステーブルコイン」という仕組みを採用しています。100万円と交換したリブラコインはどれだけ時間がたっても、100万円分の価値を保管します。ビットコインのように急激に価値があがったり、下がったりしないため、安心してリブラを持ち続けることが可能となります。

どうやって価値を一定に保つか?ステーブルコインってどんな仕組みと思う方は以下の過去記事を参考にしてみてください。



中央集権型であるリブラ

ビットコインはパーミッションレス型といって世界中の誰もがアクセス権限をもっており、国や特定の組織が一方的な理由で仕組みが変更されることはありません。しかし、リブラはコンソーシアム型といって複数の企業や特定の条件を満たしたユーザにしか使えないクローズドなデジタル決済を構想しています。

今後は不正を働いたアカウントや規約違反するようなバリデータを検知した場合は凍結、削除などをFacebookを中心に判断および実行されていくビジネスモデルが公表されていくはずです。

ブロックチェーンではないリブラ

リブラではブロックチェーン技術を謳い文句としていますが、実際にはビットコインブロックチェーンのような公開台帳技術ではありません。取引情報の保管には「マークルツリー」というデータ構造を採用し、取引承認も独自開発するBFT型アルゴリズムを採用する予定。ゆくゆくはPoSへの移行も検討している様子ですが、限られた条件ではオープンであるものの基本的にはクローズドなプライベートブロックチェーンという方向性を目指していると言えます。


Libra(リブラ)とは?

28社とのパートナーシップ

libra

リブラがこれほどまでに注目される最大の理由は世界的有名企業がパートナーシップに名を連ねていることです。

パートナーネットワーク
企業名 事業領域
Facebookソーシャル・ネットワーク
calibraウォレット事業
BisonTrailsブロックチェーン開発
CREATIVE DESTRUCTIONゲームストリーミング
PayPal決済
Coinbase仮想通貨交換業
mercado pago店頭決済
PayU決済
Uber配車、ライドシェア
mastercardクレジット決済
iliadフランスの通信事業
farfetchファッションブランド
ANDREESSEN HOROWITZベンチャーキャピタル
Booking Holdings旅行
kiva融資
women's world banking融資
mercy corps途上国支援
vodafone携帯電話
union square venturesベンチャーキャピタル
Rabbi Capitalベンチャーキャピタル
Thrive Capitalベンチャーキャピタル
VISAクレジット決済
lyft配車、ライドシェア
stripeオンライン決済
breakthrough initiatives地球外生命体探索
eBay電子商取引、EC
Spotify音楽ストリーミング
Anchorage仮想通貨カストディ
xapoウォレット事業

Facebookだけでもイスタグラムを含めて人気となるはずですが、paypalやuber、VISAなどの超大手企業が参加することによって、実現すればリブラの利便性がかなりの広がりを見せることは間違えありません。また、今回のパートナーシップの中には銀行業を取り扱う企業は含まれていません。現在の銀行業に変わるネットワークをIT企業によって作っていくという狙いもあるように見えます。

本人確認はウォレットで実行

リブラユーザのKYC(本人確認)はCalibraという仮想通貨ウォレットサービスを通して行われる予定です。匿名性を兼ね備えたネットワークと一部で謳っているものの、AMLや犯罪防止対策を兼ねたKYCが行われる構想となります。

Calibraは2019年6月18日にFacebookによって設立されたウォレット開発の新会社です。公式サイトはこちらになります。


2020年にローンチ予定

ペイパル元社長のデビット・マーカス氏がプロジェクトを牽引し、2020年にリブラがローンチされる予定と発表していますが、はたしてそれが実現可能なのかは、まだわかりません(解決しなければいけない問題が山のようにあり、現状では実現困難という見方が大半)。


リブラのデメリット

アメリカ当局は悲観的

リブラが発表された直後に、アメリカでは公聴会が催されFRBのパウエル議長がリブラに対して悲観的な声明を出している。そもそも1企業が法定通貨の代わりとなる国際通貨を持つことができるかどうかも疑問です。Facebook側は2020年ローンチを目指すが、現在の法律や政府の動向を考えると現実的にはかなり難しいことがわかっています。


法定通貨で価値を担保するリブラ

リブラは法定通貨で価値を担保するタイプのステーブルコインとなります。しかも法定通貨は1つではなく、ドル、ユーロ、ポンド、円の通貨バスケット制を構想しています。世界有数の法定通貨を扱うことよって、各国の政府や当局はリブラを牽制する懸念が生まれます。


アルトコインが崩れる可能性も

リブラはUberやInstagramなど複数のプラットフォームで使える利便性とスマートコントラクトに近い仕組みを実装する予定となるため、現時点でスマートコントラクトを売りにしているETHやEOSなどを中心にした仮想通貨の価値がリブラに奪われる可能性もでてきています。またステーブルコインも同様に時価総額が低いステーブルコインは全てリブラに変わる可能性もあります。

当然リブラが実現した場合の話となりますが、Facebookなどパートナー企業による莫大な経済力と現時点での利用ユーザ規模を考えれば、優秀なエンジニアはアルトコインよりもリブラに集中する可能性は否めません。


リブラの将来性

日本の対応は曖昧

2019年6月29日、金融庁はリブラが仮想通貨(暗号資産)にあたらない可能性が高いという見解をしめしている様子。そして、7月12日に財務省は金融庁や日銀とリブラに関する連絡会を設置。今後日本ではどのように扱われるかが議論される。

ビットコインとの競合はなさそう

超大手企業がデジタル決済事業に舵をきったことにより、ビットコインの市場規模が縮小していくのではないかという懸念が生まれている。しかし、ビットコインは完全にオープンなイノベーションであり、リブラが代替できるものではないため、市場規模が奪われるというのは偏った見方にも考えられます。


実現すれば利便性は高い

各国政府の対応や法律、ガバナンスなど様々な問題があり、実現は困難となりそうですが、万が一実現した場合は相当の利便性を確保できることとなります。Facebookやインスタ、uberなどの利用者は同じ通貨で決済されるため、換金手数料が削減され、より便利な国際通貨として発展していくはずです。