米国ETFの選び方

個別株投資の分析なら”バフェットコード”や”銘柄スカウター”など、便利なツールが沢山あるのですが、

ETFや投資信託となると、良い分析ツールが中々ありません。。

今回は投資を始めたばかりの人向けに米国ETFの選び方をまとめておこうと思います。


人気米国ETFランキング

ETFとは、決められたテーマで株式や債券など複数の投資銘柄が1つになっている金融商品のことです。

投資テーマが「世界」なら世界中の国々の数千銘柄が組み入れられていたり、投資テーマが「日本」なら225社の銘柄に少額から投資をすることができます。

まずは目的のETFがどんなテーマで絞られているかを確認していく必要があります。


取り急ぎ、2022年5月時点での人気ETF(運用資産上位銘柄)を列挙しますので、投資対象や特徴を確認してみて下さい。


1位:SPY

【SPYの詳細情報】
    国:米国
    資産の種類:株式100%
    投資対象:S&P500(米国大型株500社)
    組入銘柄数:500銘柄
    経費率:0.09%/年
    運用方法:指数連動型
    算出方法:時価総額加重平均型
    分配金:あり
    運用資産額:$3.74億
    設定日:1993年1月22日

SPY(SPDR S&P 500 ETF Trust)はステートストリート社が提供するS&P500指数連動型のインデックスファンド。

組み入れ上位銘柄にはAppleやMicrosoftなど、米国の名だたる企業が並びます。

ブラックロック社やバンガード社が提供するS&P500連動型のインデックスファンドより歴史が長く、過去のチャートを長期的に見ると、年間平均6~7%程度を維持しており、安全かつ長期的に資産を運用したい投資家にとって絶大な人気を誇っています。

あの世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャーハサウェイも、わずかですがSPYへ投資をしています。

バンガード社が提供するS&P500連動型インデックスファンド(VOO)の経費率が0.03%と安く設定されているため、最近はそっちを選ぶ投資家も多いようです。


2位:VTI

【VTIの詳細情報】
    国:米国
    資産の種類:株式100%
    投資対象:米国大型株~中小型株
    組入銘柄数:4,124銘柄
    経費率:0.03%/年
    運用方法:指数連動型
    算出方法:時価総額加重平均型
    分配金:あり
    運用資産額:$2.69億
    設定日:2001年5月24日

あの厚切りジェイソン氏も推しているVTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF)は米国企業のほぼ全てに投資をしているETFです。



SPYが大手企業だけに投資をするETFなら、VTIは大手に加えて中小企業にも投資をしているので、S&P500よりも米国経済の影響を受けやすいと言えます。

しかもSPYよりも分散効果が高いにも関わらず、経費率(運用コスト)はSPYの3分の1しかありません。

パフォーマンスもS&P500と相関関係が強いため、経費率を抑えながら分散効果を高めたい人にとっては最良の手段の1つです。


3位:QQQ

【QQQの詳細情報】
    国:米国
    資産の種類:株式100%
    投資対象:NASDAQ100
    組入銘柄数:100銘柄
    経費率:0.2%
    運用方法:指数連動型
    算出方法:時価総額加重平均型
    分配金:あり
    運用資産額:$1.71億
    設定日:1999年10月3日

QQQ(Invesco QQQ Trust Series 1)とは、NASDAQ100指数に連動する米国株のインデックスETFです。

これまで紹介した銘柄の中で最もApple、Microsoft、Amazon、Google、Meta(旧Facebook)の組み入れ比率が高いため、2017年以降の株価成長率が異常に高く、近年人気となっているETFの1つです。

しかもNASDAQ100指数には金融セクター銘柄が含まれないため、よりテクノロジー企業の比率が高くなっています。

QQQにレバレッジ3倍をかけたTQQQも人気となっており、激しい値動きに期待したい投資家に注目されています。


直近のデータをシミュレーションしたことがありますので、参考に上記記事をご覧ください。


4位:VTV

【VTVの詳細情報】
    国:米国
    資産の種類:株式100%
    投資対象:バリュー株
    組入銘柄数:350銘柄
    経費率:0.04%
    運用方法:指数連動型
    算出方法:時価総額加重平均型
    分配金:あり
    運用資産額:$9,981万
    設定日:2004年1月26日

VTV(米国バリューETF)とは、バンガード社が提供する大型バリュー株ETFです。

組入銘柄上位にはバークシャーやユナイテッドヘルス、ジョンソン&ジョンソンなどが組み入れられており、金融株とヘルスケアセクターが多めに組み入れられています。

GAFAやテスラなどのグロース株は時に株価が過大評価されていると言われることもあり、PERが比較的低い傾向にあるバリュー銘柄だけに投資をしたい方、ポートフォリオの比率を上げたい投資家にとって、選択肢の1つになるはずです。


5位:AGG

【AGGの詳細情報】
    国:米国
    資産の種類:債券100%
    投資対象:国債、高格付け社債(BBB以上)
    組入銘柄数:10,249銘柄
    経費率:0.04%
    運用方法:指数連動型
    分配金:あり
    運用資産額:$8,300万
    設定日:2003年9月22日

AGG(iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF)とは、6割以上の米国政府債券、AAAからBBBまでの社債、地方債が組み入れられています。

債券は株式と違って大きな値動きは期待できないものの、分配金収入が安定しており、株価暴落時に強い金融商品の1つです。

コアサテライト戦略に使うなど、あまり投資リスクを取りたくない方にとって選択肢の1つとなります。



その他のETF

上記5銘柄以外にも紹介したいETFは沢山あります。

世界中の株式へ丸ごと投資ができる「VT」、高配当銘柄だけが組み入れられている「VYM」、VWO(新興国ETF)、GLD(ゴールドETF)、特定のセクターだけに投資をするETF、指数に連動しないアクティブETFなどです。

米国で取り扱われているETFの中には、日本では同じ商品がないものもあります。

投資の選択肢を広げて正しい分散投資を実行するためにも、様々なETFを知っておくことは本当に重要です。


リスク許容度でETFを選ぶ

ETFを選ぶ際の指針は投資家の性格、保有資産額、これまで身につけた金融知識、将来かかるであろう生活費、投資目的など様々です。

私自身はそれらを総合的に考えた上で、どれだけ投資リスクを許容できるかという「リスク許容度」に合わせて、ETFを選ぶべきだと思っています。

【リスク許容度とは】
    投資の収益がマイナスになってしまった場合、どの程度の損失度合いまで耐えられるかという指標です。
    たとえば、投資元本が半分以下になっても経済的に困ることがなく、精神的にも落ち着いていられる人はリスク許容度が高い投資家と言えます。
    逆に投資元本がマイナスになるのは、どうしても受け入れられないという人はリスク許容度がとても低いということです。

リスク許容度を5段階(数字が大きいほどリスク許容度が高い)で示した場合、以下のような選択肢となるはずです。


リスク許容度に合わせたETFの選択肢
リスク許容度 ETFの選択肢
5QQQ、VWO、VGT
4VYM、VIG、SPYD
3VTI、VOO
2VT
1BND、AGG


リスク許容度が高い投資家

リスク許容度が高い投資家の特徴は20代から30代など比較的年齢が若かったり、労働収入が高く安定している人、保有資産が大きい人、生活コストが普通よりも低い人、保有資産に対して投資額を少なく出来る人などが該当します。

総合的に見て資産が増えるスピードが普通の人よりも早い人というのは高い投資リスクを背負ったとしても後から巻き返すことができるため、アグレッシブな投資をしても万が一に対応できますし、その分高いリターンを享受する可能性も高くなっていきます。

ただし、闇雲にリスクを取れば良いというわけではありません。

選択肢に迷う場合は出来る限りリスクを抑えるべきですので、VOOやVTIなどを選択肢の候補にしていくのが常套手段です。


リスク許容度が低い投資家

リスク許容度が低い投資家の特徴は基本的にはリスク許容度が高い人と真逆のパターンです。

家族構成が大きく生活コストが高い方、労働収入が低く保有資産も少ない人、金融知識が全くなく勉強する予定もない人なども該当します。

リスク許容度が低い場合、若い方であれば資産分散効果の高いVT、年齢が高い方であればBNDやAGGなどの債券ETFが選択肢の1つに入ってくると思います。


投資信託と比較する

ETFを選ぶ際、日本の投資信託の中に同様の投資商品があるかを確認することが重要です。

たとえば、VOOやSPYなどS&P500ETFを選ぶ場合、同様の投資商品が投資信託にはあります。

【S&P500連動型の投資信託】
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500

上記の投資信託は「つみたてNISA」という非課税投資制度を組み合わせることができる上に、ETFよりも手数料や税金をうまく回避することで投資パフォーマンスを向上させています。

ただし、運用コストはETFの方が安いため、どちらが効率的に運用できるかは見極めなければいけません。

私の感覚では、一概には言えませんがETFよりも投資信託の方が日本人にとっては効率的な方が多いと思っています。


投資したいETFを見つけた場合は同様の投資信託を探して、投資効率を必ず比較しましょう。