仮想通貨取引所が発行する配当型トークンは持っているだけで仮想通貨資産が増えるという仕組みによって人気を集めています。
一方でそれを規制する金融庁の動きもあり、実際投資家がそこに参加していいものなのか、法律に抵触してしまうのではないかという懸念があるのも事実です。
この記事では、配当型トークンに関わる法律と違法かどうかを解説していきます。
配当型トークンは違法か【基礎編】
配当型トークンとは?
配当型トークンとは、トークン(仮想通貨)を持っているだけで新しい仮想通貨が配当されるトークンのことです。
配当型トークンの発行主体は主に仮想通貨取引所です。
仮想通貨取引所は手数料収入の一部を配当として配当型トークンの保有者に配ります。
人気のある仮想通貨取引所が配当型トークンを発行し、潤沢な収益の一部を配当に充てることができれば、配当型トークンを購入したいという投資家が増えます。
投資家が増えることで仮想通貨取引所の取引が活発になると、取引所の収益が上がります。
仮想通貨取引所の収益が上がれば配当型トークンの価値(時価総額)も上昇するというのが配当型トークンビジネスの考え方です。
配当型トークンは株主優待と似ている
配当型トークンは資産を保有しているだけで配当金がもらえるという点において、株主優待の仕組みと似ています。
株券の場合は早くても四半期に1回(一般的には1〜2回/年)のタイミングで配当金が配られますが、配当型トークンでは毎日もしくは毎週など早いサイクルで配当金が配られるのが特徴的です。
配当型トークンは違法か【規制編】
ICOで配当型トークンを購入するのはNG
配当型トークンを新しく作るには、新しく発行した仮想通貨を投資家などに買ってもらう必要があります。これをICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨による資金調達)と言います。
日本国内では資金決済法という法律により、仮想通貨交換業の登録を受けていない事業者がICOを実施することは不可能です。
金融庁は海外で行われている「日本人を対象としたICO」に規制をかけることもあります。
ただし、ICOへ参加する日本の投資家を規制したり、逮捕するようなことはまだありあせん。(ICOへの参加がOKという意味ではありません。)
配当型トークンに関する規制がない
ICOを起こす事業者も金融庁から一方的な規制が刊行されることはあっても、法律上ICOについて明記されているものはありません。
ICOに関する規制やルールはこれから新しく作られていると考えられており、2019年時点では明確なルールが制定されていないというのが正確です。
おそらく海外ICOに日本人が参加しても取り締まることが難しい上に、それを規制すべきかどうかも曖昧な状況なので、ICOに参加したからといって法に触れるかというとそれも難しい判断です。
配当型トークンを規制する理由
過去の金融庁の動向を見ていると、ICOや配当型トークンの規制は強まっていくように考えられます。
それはICOによる金融犯罪や詐欺、大きな損失を被る投資家が多く発生してしまうリスクが高いからです。
ICOの99%がそういった悪質なものであるものの、中には正しく利用するプロジェクトもあるため今後は正しい規制のもとで正当な事業者だけがICOを起こせるルールが日本国内でも整備されていくのではないかというのが大まかな将来像になるはずです。
過去の仮想通貨による犯罪や詐欺については以下の記事を参考にしてみて下さい。
配当型トークンの税金
配当型トークンは課税対象
現状の税制では、配当型トークンによって得た配当分はバッチリ課税されます。
ちょっと難しいかもしれませんが、配当型トークンは仮想通貨マイニングと同様に考えることができるからです。
国税庁の正式な回答では以下の通りです。
「仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は所得税又は法人税の課税対象となり ます。」
より詳しく税金について知りたい方は以下の記事がおすすめです。