集中投資をする目的

ハイリターンを狙いたい

集中投資を選択する投資家の目的は現状の資産をたった1年間で2倍、3倍に増やしたいというように大きなリターン(利益)を得ることです。集中投資は短期間で集中的にリスクをとることによって高いリターンを得やすくなる仕組みです。


専門的に学べる投資方法

集中投資は少数銘柄に特化した投資方法なので、様々な投資商品に手をつけることなく1つの金融商品の知識を深掘りしていくスタイルです。学習する分野を絞ることによって集中してファイナンスの知識やテクニカル指標などの投資学習をすることにより、より綿密な投資スタイルを確立しやすくなります。

たとえば株式投資1つ見ても様々な株式銘柄が国内外に存在し、1つの株式銘柄を分析するにしても有価証券報告書やライバル企業を含む市場動向など様々な指標やデータに目を通す必要があり、場合によっては企業IRや広報へ直接インタビューするなどして投資対象の将来性を見極めなけれないけません。このような作業を一人の投資家が50件、100件と四半期ごとに分析するのはほぼ不可能です。ただし5件から10件程度であればそれは可能な範囲となります。集中投資は投資対象を絞ることによって、より繊細な投資ができるようになる投資方法です。


集中投資のデメリット

損失リスクが大きい

全て投資家にとって最も避けなければいけないものが「リスク」です。リスク以上に避けなければいけないものはありません。投資家は投資資金(種銭)がなくなってしまえば、2度と投資をすることができません。言い換えれば、種銭さえあればいくらでも投資は可能です。

集中投資は投資対象が少ないので、1つの投資銘柄の値動きが暴落すると全資産が一気に少なくなってしまいます。たとえば、二人の投資家がそれぞれ100万円を元手に投資を始めたとします。一人の投資家は分散投資で100万円のうち1万円分をA社の株式を購入。もう一人の投資家は集中投資で100万円全て投資資金をA社の株式購入に充てました。その後、A社は倒産し株式価値がゼロとなった場合、分散投資をした投資家は1万円の損失となりますが、もう一人の投資家は100万円全て失うこととなります。

もちろんA社の株価が2倍に増えれば、集中投資をしている投資家の方が利益率が高いことは言うまでもありませんが、同時に損失リスクも高くなるというのが集中投資の最大のデメリットです。


ローリスク・ハイリターンは不可能

投資というのは基本的に「ゼロサムゲーム」だと言われています。ゼロサムとは自分の損失が誰かの利益となり、誰かの損失が自分の利益となるという考え方です。市場規模が膨れ上がる株式市場ではなかなかそれを感じることができないかもしれませんが、いままで儲けることができている投資家の利益は最終的に誰かが損失を被ることによって成り立っています。

これらの投資原理を理解すれば、リスクが少なくてハイリターンが得られるという投資は不公平な投資市場ということになります。つまり、詐欺です。

これから集中投資を始めるにあたってローリスク・ハイリターンな投資商品はこの世には存在しないということを覚えておいてください。そうでなければ、詐欺にひっかかってしまうかもしれません。


集中投資するべきかを考える

今の生活に満足できるか

集中投資をするべきかどうかを考えるにはまず、自分の人生においてどの程度のお金が必要かを考えましょう。たとえば平均年収400万円の方が家賃や食費などの生活費を差し引いた後で自由に使えるお金は5万円から10万円程度です。老後資金も含めて、この金額で自分の人生が満足できると考えられるのであれば無理に投資をする必要はありません。

ただし平均年収400万円もにかかわらず以下のような夢を持つ場合には年収を上げるか、資産運用でお金を増やすことが必要となります。

  • 子供がほしい
  • 世界中を旅したい
  • 制限なく外食を楽しみたい
  • 環境の整った老人ホームに入りたい。など

あくまで一例にしかすぎませんが、自分の人生においてどの程度お金があればいいのかを真剣に考えた上で、投資が必要なのか、そうではないのかを判断することが大切です。

利回り数%で満足できるか

集中投資と真逆の投資方法は長期分散投資という投資方法があります。長期分散投資ではおおよそ平均的な利回りは3%から5%と言われています。(利回りは3%から5%はあくまでも平均なので長期分散投資をしている投資家でもマイナス10%程度損失をする投資家もいれば、10%以上の利回りを達成している投資家も存在した上での平均値であるということを理解しておいてください。)

仮に平均利回り3%で毎月5万円を長期分散投資で回した場合に見込める資産推移は投資元本1,800万円(= 5万円 × 12ヶ月 × 30年間)で、運用益は1,113万円という結果になります。25歳から毎月5万円ずつ分散投資を始めれば、30年後には2,913万円を貯めることができる可能性があります。(投資は確実性があるものではないため、必ずこの結果になるわけではありません。)

積立投資

もしこの記事を見てくださっている方が、毎月5万円の投資で30年後に2,900万円を貯めることによって自分の人生が満足できるものだと考えるのであれば、無理に集中投資で投資リスクを取らずに長期分散型の投資方法を身に着けるべきです。

ただし、この数字を見ても自分の人生にはもっとお金がほしい。もっとお金を使わないと自分の人生は楽しくならないと考える方は長期分散投資をしても夢が叶わないので、集中投資を勉強していく必要があります。


集中投資で注意すること

高すぎるレバレッジ設定

集中投資とは文字通り金融商品を絞ることも含まれますが、仮想通貨FXや為替取引などでレバレッジ設定を高くして短期間で利益を回収しようとすることも集中投資の1つです。レバレッジの設定を上げると投資によって発生する利益額も大きくなりますが、同時に損失リスクも膨れ上がることに注意しなければいけません。

集中投資で失敗する方の特徴は高すぎるレバレッジ設定によって無理矢理にでも利益を取りに行こうとする行為です。レバレッジをかけた投資で失敗すれば当然投資資金となる種銭は大打撃を受けます。ポイントは勝率何%の投資でレバレッジを上げるのかということです。

レバレッジ設定の調整は投資経験やファイナンス知識によって変化しますが、全く勝ち目がわからない状態でレバレッジを上げる行為は投資ではほぼ自殺行為です。高い勝率を実現できるとわかっているのであればレバレッジを調節するべきですし、勝率もまだわからない、もしくは投資に慣れていない時期にレバレッジを上げるのは集中投資では控えるべきです。


最悪の事態を想定する

集中投資は分散投資に比べると、投資資金がなくなりやすい投資スタイルです。だからこそ「どこまで失敗できるか」「後何回失敗していいのか」を把握しておくことが重要です。

たとえば、仮想通貨FXなどの注文方法に「IFD-OCO」という注文方法があります。IFD-OCOとはあらかじめ買い付けしたい金額、利益を確定させたい金額、損切りしたい金額を設定しておくことによって値動きに合わせて自動で取引をしてくれる注文方法です。万が一チャートを見ていなくても、自ら決めた金額の範囲内で利益(もしくは損失)が確定するので、すべて予測の範囲内で投資をすることができます。

このように注文方法1つとっても、リスクを管理する方法が存在します。集中投資をするということはそれだけで大きなリスクを抱えているので、「チャートが確認できないときはどうしよう」など不要なリスクをとる必要はありません。

大切なのはリスクの所在と規模感を十分に把握し、投資資金を減らさないことに注力することです。