ビットコインキャッシュとは

ビットコインキャッシュ(通称:BCH)とは、2017年8月1日にビットコインから派生した仮想通貨。

ビットコインキャッシュはスケーラビリテの問題をきっかけに世界中の開発者たちの間で意見が対立したことで誕生しました。スケーラビリティの問題とは、ビットコインを利用する人が急激に増えた場合にビットコインの送金手数料が高騰し、送金速度も遅くなるという問題です。

2019年のビットコインと比べるとビットコインキャッシュは送金手数料が安く通貨として利用しやすい仕様になっています。


ビットコインキャッシュは無償で付与

ビットコインキャッシュは2017年8月1日に誕生し、ビットコインを保有している人に対して1:1の割合でビットコインキャッシュを付与されたところから取引が始まります。2017年8月1日以前にビットコインを保有していれば、同じ数量のビットコインキャッシュを無料でもらうことができたという事実です。


ビットコインとビットコインキャッシュの違い

BTCとBCHの比較表
項目 BTC BCH
公開日2009年1月2017年8月
通貨単位BTCBCH
発行上限2,100万枚
アルゴリズムPoW
ブロック生成時間10分
ブロックサイズ1MB32MB
採掘難易度NDADAA

ブロックサイズの違い

ビットコインとビットコインキャッシュの大きな違いは、比較表を見ても分かる通り「ブロックサイズの違い」です。ビットコインのブロックサイズが1MBなのに対して、ビットコインキャッシュは32MBのブロックサイズを持っています。

ブロックサイズが大きいことで、取引処理が早くなるというメリットが生まれます。

たとえば1万回分の取引処理を1MBに収められるとして、100万回分の取引処理をビットコインとビットコインキャッシュそれぞれで実行した場合にかかる時間を比較して見ましょう。ビットコインは10分に1MB分の取引を処理することができるので、100万回の取引処理をするためには16時間40分かかる計算になります。

    10分間 × 100MB / 1MB = 1,000分(16時間40分)

対して、ブロックサイズが32MBのビットコインキャッシュは100万回の取引処理を40分で完了することが可能です。

    10分間 × 100MB / 32MB = 32分

上記の計算式では32分となりますが、ブロック生成は10分間隔で行われるため、32分で完了するはずの取引処理は次の10分である40分に完了するという仕組みになります。


送金手数料が安い

ビットコインキャッシュはビットコインに比べて、取引処理が早いと同時に取引にかかる送金手数料を下げる効果もあります。2019年では1回の送金でかかるコストは1円以下です。(1円以下で国際送金が可能ということになります。)

その証拠に2018年9月に公開されたホリエモンのYouutbeチャンネルにてロジャー氏がアシスタントの寺田有希さんにビットコインキャッシュを送る動画が公開されています。以下の動画で送金にかかったコストはわずか0.13〜0.15円と解説されています。



ビットコインキャッシュのデメリット

ビットコインキャッシュにはマイニングの採掘難易度が高いというデメリットがあります。ビットコインキャッシュのマイニングシステムににはDAA(Difficulty Adjustment Algorithms)という10分間隔で採掘難易度が調整される仕組みが導入されています。

需要に対してのハッシュレートのレスポンスが早く、思うようにマイニングの成果が出づらいというデメリットが発生します。


ビットコインキャッシュのハードフォーク

ハードフォークとは新機能追加するなど大型のアップデートのことを意味します。過去にビットコインのハードフォークによってビットコインキャッシュやビットコインゴールドやビットコインダイヤモンドなどが誕生した経緯により「ハードフォーク = 仮想通貨の分裂(スプリット)」と勘違いしている方が多いようです。

そして、ビットコインキャッシュも2017年8月以来いくつかのハードフォークを繰り返すことで現在の仕様までたどり着きました。


2017年8月1日のハードフォーク

2017年8月1日に行われたハードフォークで初めて世の中にビットコインキャッシュが誕生しました。

ビットコインキャッシュはブロックサイズが1MBから8MBへと変更され、今までよりも大規模な取引を処理することができるようになりました。


2018年5月15日のハードフォーク

2018年5月15日(正確にはMedian Time Past1526400000時点)のハードフォークでは、以下のアップグレードが行われました。

アップデート内容
  • デフォルトのブロックサイズ制限を増加
  • 取引注文のコンセンサスルールを削除
  • 改良された難易度調整アルゴリズム
  • 一部の非アクティブ化されたオペコードを再アクティブ化
  • プロトコル拡張ポイントの追加


2018年5月にはビットコインキャッシュのブロックサイズが8MBから32MBへ変更し、ビットコインと比べると32倍のブロックサイズとなりました。


2018年11月15日のハードフォーク

2018年11月15日(正確にはMedian Time Past1542300000時点 )にアップグレードされる内容は以下の3点です。

アップデート内容
    項目1:オラクルとクロスチェーンの利用を可能にする(外部ブロックチェーンからのメッセージ検証を可能にするスクリプト言語の改善)
    項目2:スケーリング用の基盤となる取引注文を導入
    項目3:その他いくつかの小さな技術的修正と改良

BicoinABCから発表されている内容の原文は以下のURLから確認することができます。

BitcoinABC:Announcing Bitcoin ABC 0.18.0

ビットコインキャッシュの将来性

ビットコインキャッシュの最優先事項は取引にかかるコストを限りなくゼロに近づけ、世界中の多くの人々に利用されることです。2017年に起きた仮想通貨の爆発的な需要によって、送金に関する問題が明らかとなった際にビットコインキャッシュは迅速に対応し続けています。実際にプロダクトをリリースしているということは、通貨の信頼性をあげる上では最も有効な方法です。

2017年8月から1年3ヶ月の間に「即時承認」と「スケーリング」を目標にしながら三回ものハードフォークを実施したことはかなり優秀です。その結果、ビットコインよりもビットコインを支持する人が増えています。


決済に使われるビットコインキャッシュ

ビットコインキャッシュを決済方法として導入している日本企業が実は結構あります。

大阪市浪速区にあるosarucoffeeでは本格的なコーヒーをBCH決済で楽しむことができます。

芸人のたむけんさんでおなじみの焼肉店でもBCHで決済することができますし、仮想通貨決済できるお店はどんどん広がっています。