仮想通貨はバブルだとか、ビットコインは今後上がるなどの情報はデータがなければ正しく判断することができません。
この記事では、仮想通貨の状況を正確にデータで振り返ることができるようにまとめています。
これから仮想通貨投資を始めようと思う方は、市場を予測する前に仮想通貨市場規模や、どの程度使われているのかという正確な情報に触れてみてください。
仮想通貨取引に関する統計データ
一般社団法人「日本仮想通貨交換業協会」は2018年12月31日時点での仮想通貨取引に関するデータを公開しています。
外部リンク:日本仮想通貨交換業協会の統計情報
仮想通貨取引状況(2018年12月)
日本仮想通貨交換業協会は2018年12月の月間の仮想通貨取引高および、利用者数を公開しました。
項目 | 金額 |
取引高(現物) | 777,451 |
取引高(FX) | 8,415,281 |
利用者預託金残高 | 278,615 |
上記項目の単位は百万円となります。
項目 | 金額 |
全体設定口座数 | 2,874,971件 |
全体稼働口座数 | 2,116,284件 |
FX設定口座数 | 2,116,284件 |
FX稼働口座数 | 350,993件 |
全体設定口座数および全体稼働口座数にはFX設定口座数とFX稼働口座数が含まれて計算されています。
主要仮想通貨の現物保有状況
銘柄 | 数量 | 金額 |
XRP | 2,542,362,004 | 98,976 |
BTC | 158,016 | 65,650 |
ETH | 1,117,492 | 16,477 |
BCH | 357,437 | 6,159 |
MONA | 44,542,051 | 3,654 |
LTC | 432,364 | 1,453 |
金額の単位は「百万円」
日本国内ではBTC(ビットコイン)よりもXRP(リップル)の保有金額が高いことがわかります。
仮想通貨利用者数の統計データ
2018年4月10日、金融庁は「仮想通貨交換業等に関する研究会」を開催
「仮想通貨交換業等に関する研究会」では日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)から日本国内の仮想通貨利用者に関するデータが多数公開されました。
金融庁:説明資料(日本仮想通貨交換業協会)
日本国内での仮想通貨取引状況
以下の表は、日本国内の仮想通貨取引量を表しています。
年度 | 現物取引 | FX |
平成26年度 | 24億円 | 2億円 |
平成27年度 | 607億円 | 270億円 |
平成28年度 | 1兆5,469億円 | 1兆9,790億円 |
平成29年度 | 12兆7,140億円 | 56兆4,325億円 |
FXは証拠金取引、信用取引、先物取引を含んだ取引量の合計を表示しています。
FXの内訳のほとんど(97%)は証拠金取引が占めており、先物取引はわずか1.43%となっています。
現物取引に比べてFXは4倍以上の取引量が発生しており、為替市場同様にFX市場は日本人にとって抵抗がないことがわかります。
日本国内の通貨別仮想通貨取引量
以下の表は、日本国内の仮想通貨別取引量を表しています。
年度 | BTC | ETH | XRP |
2014年 | 23億円 | - | - |
2015年 | 605億円 | 1億円 | - |
2016年 | 1兆4,720億円 | 577億円 | 70億円 |
2017年 | 10兆4,975億円 | 5,348億円 | 1兆2,822億円 |
年度 | BTC | ETH | XRP |
2014年 | 2億円 | - | - |
2015年 | 269億円 | - | - |
2016年 | 1兆9,786億円 | 3億円 | - |
2017年 | 56兆4,269億円 | 29億円 | 20億円 |
ビットコインとアルトコインを比較してみると、大きな差があることがわかります。
日本人の関心のほとんどはビットコインであり、そのほかのイーサリアムやXRPなどのアルトコインについては取引量が10分の1以下となっている現状です。
日本国内の年代層別顧客分布
以下の表は、日本国内の年代層別顧客分布を表しています。
年代 | 利用者数 | 割合 |
10代 | 15,000名 | 0.53% |
20代 | 807,000名 | 28.78% |
30代 | 960,000名 | 34.24% |
40代 | 630,000名 | 22.47% |
50代 | 280,000名 | 9.99% |
60代 | 89,000名 | 3.17% |
70代 | 21,000名 | 0.75% |
80代以上 | 2,000名 | 0.07% |
合計 | 3,500,000名 | 100% |
日本国内の仮想通貨現物取引の約85%は20代から40代が占めているのがわかります。
10代は1%にも達していません。
年代 | 利用者数 | 割合 |
10代 | - | - |
20代 | 13,610名 | 17.68% |
30代 | 26,282名 | 34.14% |
40代 | 21,880名 | 28.42% |
50代 | 10,762名 | 13.98% |
60代 | 3,576名 | 4.64% |
70代 | 879名 | 1.14% |
80代以上 | 5名 | 0.01% |
合計 | 142,842名 | 100% |
FXは現物取引と比較すると、20代が消極的なのに対して、50代の利用割合が大きくなっています。
資金力の違いなのか、20代はそこまでリスクを負うことに積極的ではありません。
日本国内の仮想通貨預り資産額
以下の表は、日本国内の仮想通貨預り資産額の分布を表しています。
資産額 | 口座数 | 割合 |
10万円未満 | 1,251,830口座 | 77.16% |
10~50万円 | 230,374口座 | 14.20% |
50~100万円 | 61,373口座 | 3.78% |
100~500万円 | 64,867口座 | 4.00% |
500~1,000万円 | 8,071口座 | 0.50% |
1,000~1億円 | 5,560口座 | 0.34% |
1億円以上 | 268口座 | 0.02% |
仮想通貨口座への預り資産の77%は10万円未満となり、100万円未満であれば、全体の95%を占めています。
2018年現在では、取引所のセキュリティが万全ではないため、100万円以上の資産はハードウォレットなどオフラインで管理すべきです。
その状況下で、1億円以上を取引所に預けている人が268もあるということは少し問題です。
日本国内の仮想通貨出入金額
以下の表は、日本国内の仮想通貨出入金額を表しています。
年月 | 入金額 | 出金額 |
2014年 | 3億円 | 2億円 |
2015年 | 35億円 | 29億円 |
2016年 | 510億円 | 351億円 |
2017年 | 1兆9,173億円 | 8,666億円 |
2017年10月 | 575億円 | 369億円 |
2017年11月 | 860億円 | 559億円 |
2017年12月 | 1兆1,714億円 | 1,744億円 |
2018年1月 | 2,530億円 | 2,211億円 |
2018年2月 | 849億円 | 1,448億円 |
2018年3月 | 581億円 | 816億円 |
2017年の仮想通貨への流入金額が1年前の30倍以上伸びていることがわかります。
仮想通貨交換業等に関する研究会まとめ
金融庁の調べで分かった2018年3月時点の日本の仮想通貨市場の状況は以下の通りです。
日本の仮想通貨市場まとめ |
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【最新】仮想通貨取引量の統計データ
仮想通貨の取引量をリアルタイムに調べる方法は他にもあります。
中でもおすすめなのが「cryptocompare 」
通貨別、取引ペア別に取引量を確認することができるため、ビットコインがどの通貨で最も購入されているのかということがすぐにわかります。

上記(左図)は、ビットコインとの取引ペアを表しています。
最も多く取引されているUSDTとは、ドルと価格を揃えた仮想通貨(ステーブルコイン)です。
右図は、ビットコインとドルの取引がどの取引所を使って交換されているかの割合を表します。
この時点でビットコインとドルを交換を最も多くサポートしているのはBitfinexということになります。

ビットコインとの取引ペアの割合を具体的な数字で確認することもできます。
日本円は以前、50%以上を占めていた時期もありましたが、この時点乗り遅れてしまい10%以下に落ち着いています。
ビットコインウォレット数の統計データ
blockchain.comのサイトにアクセスすれば、ビットコインウォレット数の推移が簡単に確認できます。
2013年から上昇し、2017年後半から増加傾向が急激に伸びているのがわかりますでしょうか。
ビットコインや仮想通貨は送り合える相手や利用者が増えれば増えるほど、利便性が向上し価値が高まっていきます。
これはTwitterやLINEなどのSNSと同じ仕組みです。
ウォレット数が増加すればするほど価値が上がるため、市場価格にもやがて反映されると予測するのが一般的な見方です。
【最新】仮想通貨のドミナンス統計データ
時価総額とは、以下の式で求められる仮想通貨の評価額です。
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仮想通貨市場全体の時価総額を100%とした場合、主要仮想通貨であるビットコインやイーサリアムがどの程度の時価総額となっているかを一目で確認することができるのが、ドミナンス(時価総額占有率)です。
上記は2017年1月1日から2019年4月16日までのドミナンスを表しています。
オレンジ色のビットコインが仮想通貨市場のほとんどを占めており、2017年4月以降から割合が下がり、アルトコインブームが起きています。
その後、2018年仮想通貨市場全体が下落相場となり時価総額の低い通貨よりもビットコインのように時価総額が大きい通貨に資金が集まりやすい傾向が続いています。
ドミナンスや仮想通貨の時価総額はcoinmarketcapで確認することができます。
【最新】仮想通貨のハッシュレート統計データ
ハッシュレート(採掘速度)とは、マイニングを実行するコンピュータの計算処理速度のことを意味します。
処理速度が速いマイニングプール(マイニングを組織的に行う企業)ほど、たくさんのビットコインやイーサリアムを報酬として受け取ることができます。
それはマイニング(採掘)量が以下の式で求めることができるからです。
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上記はblockchain.comで確認できるビットコインのハッシュレート分布です。
シェア率1位のBTC.comと3位のAntPoolはBitmainという中国企業が運営しているマイニングプールです。
その他の上位企業のほとんどが中国のマイニングチップメーカーがビットコインのマイニング市場を独占しています。
関連記事:マイニングプールとは?マイニングの意味や電気代を解説
ハッシュレート(採掘速度)は、1秒単位で表されます。
1秒間に1,000ハッシュを計算処理できる場合「1KHs/s」と表記し、計算量が100万であれば1MHs/s、10億であれば1GHs/sと表記されます。
採掘難易度は仮想通貨プロジェクトごとに仕様が決まっているため、ハッシュレートが早ければ早いほど、多くのマイニング報酬を得ることが可能で、マイニング報酬のシェア率に直結します。