エスクローとは

エスクローとは、取引の安全性を保証する仲介者(もしくは仲介サービス)を意味します。

売り手と買い手の間に第三者である仲介者を立てることによって、取引の安全性を担保する役割を果たします。

売り手もしくは買い手が不正を働いた場合に仲介者が不正を正す役割もあります。


エスクローの仕組み

エスクローの仕組みを理解するために、一般的なエスクローサービスの流れを説明します。

登場人物は商品の購入を希望する「買い手」と商品を売る「売り手」

そして、買い手と売り手の取引を仲介するエスクローエージェントの三人が存在する取引の流れが以下の通りとなります。

エスクローサービスの流れ
    手順1:買い手がエスクローエージェントに商品代金を送金
    手順2:エスクローエージェントが商品代金を預かった事を売り手に通知
    手順3:売り手は買い手に商品を発送
    手順4:買い手がエスクローエージェントに商品の受け取りを通知
    手順5:エスクローエージェントは売り手に商品代金を送金し、取引完了

ここでのポイントは2つあります。

  • 商品代金を確認しない限り、商品は発送されない
  • 商品が無事届かない場合、商品代金は売り手には渡らない

商品代金をエスクローエージェントが確認できない場合、商品は発送されない仕組みをとることによって、いたずらや不正注文を防ぐ事ができます。

商品を発送したけど、代金が回収できなかったというトラブルが起きない仕組みです。

買い手は万が一不良品や偽ブランド品などの商品が売り手から送られた場合、それをエスクローエージェントに報告し、取引が不正であるということを申告する事ができます。

当然、購入を希望している商品が届かないわけですから買い手が支払った商品代金は返金され、取引が成立することはありません。

このような仕組みを取ることによって、偽ブランドを売りつける業者や不良品を扱う業者の取引が成立することを防ぎます。

マルチシグとエスクロー

マルチシグとは、仮想通貨取引にもよく利用される署名機能です。

署名とは契約書にサインをしたり、取引を承認する行為を意味します。

関連記事:仮想通貨用語「マルチシグ」の仕組みをわかりやすく解説

マルチシグの大きな特徴は、単一の署名では契約が完了せず、複数の署名がなければ契約は完了しないという仕組みにあります。

マルチシグの仕組みを利用することによって、仮想通貨取引においてもエスクローサービスと似た取引を実行する事ができます。


マルチシグを活用したエスクロー

マルチシグには複数人の署名がなければ商品代金の送金などの取引が実行されないという機能が備わっています。

マルチシグを使って買い手と売り手、エスクローエージェントのそれぞれが署名できる権限を持ち、三人のうち二人が署名すると取引が成立する仕組みを使った場合、以下のような事が可能となります。

  • 商品代金確認後、売り手は商品を発送できる
  • 商品が無事届かない場合、商品代金は売り手には渡らない

ブロックチェーンとマルチシグの特性上、買い手がマルチシグアドレスに商品代金を入金すると売り手とエスクローエージェントは入金金額を確認することができるようになります。

一度代金を入金すると、買い手の独断で取り出すことはできませんので、入金確認後に売り手が不正をしなければ代金を回収できなくなるという事態は起きません。

万が一、売り手が不具合のある商品や悪意のある陥品を買い手に送りつけエスクローエージェント仲介の下不正と判断された場合、エスクローエージェントと買い手両方の権限で商品代金を買い手に返却することが可能となります。


エスクローをマルチシグで行うメリット

ブロックチェーンや仮想通貨を使わずにエスクローサービスを実現する場合、システム管理コストが高くなる傾向にあります。

ブロックチェーンを利用することによって、システムコストを大幅に削減できるのがマルチシグの大きなメリットです。

スマートコントラクトを利用すれば、さらにコストを削減する事ができる上にエスクローエージェントのミスやエラーを防ぐことも可能となり、一石二鳥となります。

これからのオンラインショッピングやオークションサイトでは間違えなく主流となる機能と言えます。


エスクローに関する法律

一時的にでも顧客の資金を預かる点において、銀行業や信託業と類似するため、エクスクローサービスは法律に抵触する可能性があるといわれていました。

2012年に資金決済法が施行されたことにより、資金移動業の登録を行えば取引金額の上限を100万円として、送金業務を行うことができるようになりました。