詐欺被害の現状

2017年より仮想通貨市場が急激に成長したことにより、今なお仮想通貨に関連した企業や事業やが増え続けています。

しかし、資金調達をした仮想通貨関連プロジェクトのうち97%がプロダクト(商品やサービ)完成まで達成しておらず、「詐欺」や「スキャム(Scam)」と言われているのが現状です。

詐欺

まだまだ危なっかしい仮想通貨市場ではありますが、大きなチャンスがあるのも事実です。

この記事では、過去の起きている詐欺の手口や対処法を詳しくまとめていきます。

一人でも多くの方が、健全な仮想通貨投資を楽しめるよう、お役立ていただければ幸いです。


2018年仮想通貨の詐欺被害額

仮想通貨プロジェクトの中には、システム開発者も存在せず、最初から顧客から資金を騙し取ることだけを目的としているものもあります。

悪質な詐欺被害や結果詐欺となってしまった事案などを含めると、2018年2月末時点では世界中で1,440億円もの被害額が発生しています。

1,440億円被害額の中には、コインチェックのNEM不正送金事件も含まれており、1時間に1億円のペースで詐欺被害が発生していたことになります。

商業取引を取り締まる米連邦取引委員会(FTC)では、2018年末には詐欺被害額が3,300億円まで拡大すると予測しています。


詐欺被害の分類

先ほどご説明した1,440億円の詐欺被害額の内訳は以下のようになります。

詐欺被害の分類
分類 割合
ハッキング22%
イグジットスキャム17%
窃盗17%
フィッシング13%
その他31%

最も割合が大きいのは、取引所へのサイバー攻撃やハッキングによる損害です。

イグジットスキャムとは、ICOによって資金調達をした後に、資金を持っている胴元が行方がわからなくなる詐欺のことを意味いします。

インターネット上で取引されるデジタル通貨ではありますが、オンライン上の被害だけでなく、窃盗などオフラインでも詐欺にあう可能性は低くはありません、


仮想通貨詐欺の事例、手口

ここでは、過去に起きた仮想通貨の詐欺事例をご紹介していきます。

事例を共有することで、同じ詐欺手口への被害者を一人でも減らせればと考えています。

すべて網羅できないかもしれませんが、なるべく多くを取り上げて生きますので、是非ご覧ください。


LINEグループ勧誘詐欺

TwitterやYoutubeなどインターネット上で有名なインフルエンサーや企業がファンや限られた人たちへ情報発信ができるツールとして、LINE@という情報発信が流行しています。

有名企業でいうと、ユニクロやサントリーが期間限定のお得な情報をLINE@登録者にだけ配信をしていますし、個人であれば、竹内涼真さんやHIKAKINさんもLINE@で情報発信をしています。

このLINE@という機能を使って、詐欺を働こうとする人たちがいます。

まずは、TwitterやFacebookを使って、LINEグループの登録者限定で投資ノウハウや儲かるビジネスを教えますというような甘い文句でLINEグループ参加を勧誘してきます。

TwitterやFacebookには、あなた好みの美女やイケメンの写真、豪華な食事やビジネス成功者を装った写真がたくさん並べてあるのが、スタンダードです。

LINEグループへの登録後は、友達とLINEをしているような感覚で親密度が深まったところを見計らい、最終的に不正なICOへの参加、情報商材の購入や振込,、IDやパスワードなどの個人情報を要求してきます。

お金を渡してしまった後は、連絡も取れない状況となり、泣き寝入りするしかありません。

実際に被害にあった人の事例を拡散しているツイートがこちら。

LINEグループを信用し、仮想通貨(ETH)を送金したところ4割だけは返金がありましたが、残りの60%分は騙し取られたパターンです。


仮想通貨セミナー詐欺

金融系のセミナーは、証券会社が新規顧客獲得のために無料で開いたりするのが一般的です。

日本株式市場に上場している企業が主催するセミナーであれば、詐欺に出会う確率はほぼありません。

しかし仮想通貨の場合、本来はビットフライヤーやbitbankなどの金融庁の登録を受けている仮想通貨取引所がセミナーや勉強会などを企画し、新規顧客開拓をするのが妥当ですが、2018年現在では金融庁からの規制が厳しい状況のため、新規顧客獲得へ力を入れるのは難しい状況です。

つまり取引所以外の企業がセミナーや勉強会を開いているわけですが、無料で参加できる仮想通貨セミナーのほどんどは教材販売、不当なICOへの勧誘など、詐欺的なセミナーが多いのが事実です。


フィッシング詐欺

フィッシング詐欺とは、個人情報を盗み出す行為を言います。

一般的には、クレジットカードの情報や銀行口座の暗証番号を盗み出し、勝手にお金を引き落とす行為を意味します。

仮想通貨の場合、盗まれる対象となる情報は以下のような情報です。

  • 秘密鍵
  • 取引所へのログインID、パスワード

仮想通貨は相手の秘密鍵があれば、世界中どこにいてもネットさえつながる環境であれば、簡単に資産を盗むことができます。

取引所へのログインIDやパスワードも同様に、勝手にログインし犯人のウォレットへ資金を送信することが可能です。


これらの個人情報が盗まれる原因は「フィッシングサイト」にあります。

フィッシングサイトとは、個人情報を抜き取るためのWEBサイトで有名な取引所サイトやWEBウォレットサイトとそっくり、全く見分けがつかない作りが特徴です。

フィッシングサイトは、Googleアドワーズ広告を使って検索画面の1番上に掲載されており、中を見ると取引所やウォレットサイトと同じ作りのため、ユーザはいつも通りIDとパスワードを入力して仮想通貨を購入したり、資金移動しようとします。

Googleアドワーズ広告を説明するために「仮想通貨 購入」と検索したところ、一番上に広告がでてくるのがわかりますでしょうか。

アドワーズ

Googleアドワーズ広告を使えばこのように1番上に表示されるので、取引所やウォレットサイトを装えば、ユーザは1番上にあるサイトということで信用して、クリックしてしまいます。

そして、いつも通り情報を入力してしまうのです。

フィッシング

入力した時点で情報はすでに読み取られており、後は犯人があなたになりすまして、本物のサイトであなたと同じ情報を入力し、仮想通貨資産を盗み出すという手法です。


有名人による勧誘詐欺

有名人の影響力を使って仮想通貨ブロジェクトを宣伝する手法が仮想通貨でも行われています。

当ブログでもいつくかの記事で紹介しています。

関連記事:松居一代氏が購入した仮想通貨ミンドルには要注意!!
関連記事:GACKT【大城 ガクト】氏が参加する仮想通貨プロジェクト「spindle(スピンドル)」に要注意!

海外では、50cent、マイクタイソン、ジェイミーフォックス、ケイティペリーなど数々の有名人が仮想通貨プロジェクトの集客目的に使われるなど、もはや有名人や影響力の高いインフルエンサーを使ったマーケティング手法が流行していると言えます。

悪質なのは、仮想通貨やICOを広めている有名人が仮想通貨についてよく理解していないことです。

仮想通貨について理解しないまま購入を勧めてしまうので、有名人を信用しているユーザが騙されるキッカケを引き起こします。


SNSを使った集団詐欺

集団詐欺はTwitterや2chなどネットを使って行われます。

手法の流れを説明すると、以下のようになります。

    1:まず、1枚あたり価格が安い仮想通貨を仲間内で大量に購入します。
    2:その後、仲間全員でTwitterやYoutube、LINE、discord、テレグラムなどありとあらゆるネット媒体を使って「この銘柄は必ず上がる」と仮想通貨素人を煽(あお)ります。
    3:素人が騙されて、価格が上がったら売り抜ける
    4:売却益を仲間で分配し、ドロン。

煽り手法は日々進化しており、「価格が上がったらフォロワーの中から1名に100万円プレゼント」というような高額還元のツイートをしたり、「この銘柄は○○取引所に上場が決まっている」など価格が高騰するようなイベントやニュースを騒いでいたりします。


コンピュータウィルスによる盗難

コンピュータウィルスによる仮想通貨資産の盗難は、詐欺というカテゴリには当てはまらないかもしれません。

しかし、第三者によって勝手に資産を盗むことができるため、ご紹介させていただきます。

コンピュータウィルスによる盗難は、特定のWEBサイトや電子メールを閲覧することでコンピュータウィルス(マルウェア)に感染させ、相手のパソコンを操作し、資産を盗むという手法です。

コンピュータへのハッキングをする犯人は、世界を見ても若年層に多い傾向があり、中学生や高校生が企むことも珍しくありません。

日本でも仮想通貨を盗むウィルスを作成したとして、高校生が逮捕される事件が起きました。


詐欺プロジェクトの特徴

ここからは、詐欺プロジェクトに多い特徴を紹介していきます。

以下に該当するプロジェクトや案件に投資する際は十分に気をつけましょう。


絶対儲かると断言

詐欺セミナーでよくある「絶対に儲かる」というフレーズが出てきたら、詐欺プロジェクト確定です。

投資の仕組みを理解すれば簡単ですが、必ず儲かるということは絶対にありえません。

つまり、投資家の儲けを約束したり、価格保証があるなどを謳い文句にしているプロジェクトは完全に詐欺です。


最低購入金額がある

株式市場では、最低購入金額がある金融商品もありますが、仮想通貨には最低購入金額という設定はありえません。

仮想通貨市場で最も時価総額が高いビットコインでさえ10円単位で購入することができます。

もし、セミナーやLINEなどで「投資は最低10万円以上ないと受け付けられない」というような言い方をされた場合は、詐欺案件だと考えましょう。


仮想通貨の代理購入

仮想通貨を購入は取引所で直接購入するのが基本です。

ICOなど取引所に上場してない銘柄はプロジェクトの公式サイトから本人確認を経て、購入に至りますが、仮想通貨初心者の方々なら、取引所以外で仮想通貨を購入することはないと考えてほぼ間違えありません。

危険なのは、仮想通貨の代理購入です。

過去に日本でも仮想通貨の代理購入を斡旋していた企業が金融庁の指摘を受けた経緯があります。

外部リンク:Blockchain Laboratory Limited

代理購入は詐欺の常套手段なので、絶対に避けましょう。お金を預けてしまったら最後、戻ってくることはありません。


広告を利用している

WEB広告やyoutubeなどの動画で仮想通貨関連の広告を1度は見たことがある人も多いと思います。

時価総額の高い有名仮想通貨銘柄のほどんどは、広告を展開したことはありません。

広告を打たなくてもTwitterやテレグラムなどのSNSで十分に情報が広がっていくからです。

逆に広告を展開している仮想通貨ブロジェクトは、資金調達がうまくいっていない可能性があります。

ICOでトークンセールをしても買ってくれる人が少なければ、トークンに価値がつくことはなく、取引所で売買できるようになった時点で最初の価格よりも値下がりする可能性が高くなります。


プロジェクトメンバーの詳細が不明

仮想通貨ブロジェクトには必ず公式サイトが存在しますが、その公式サイトにプロジェクトのチーム紹介が掲載されていないプロジェクトは危険です。

プロジェクトメンバー

一般的には、チームの信用性を高めるためにlinkedinというSNSのURLも合わせて紹介されています。

linkedinは仕事用のFacebookのようなもので、過去務めた企業や役職が時系列でまとめられているSNSです。

詐欺ブロジェクトでは身分をできるだけ隠蔽しようとするため、linkedinやFacebookのリンクをつけない傾向にあります。

また、チームの中にCTO(最高技術責任者)やエンジニアの顔がないプロジェクトも危険です。


仮想通貨詐欺を見抜く方法

仮想通貨詐欺を見抜く方法は、以下の5つのポイントを確認することです。

確認する5つのポイント
  • 公式サイトおよびホワイトペーパーのプロモーション内容
  • ブロックチェーンに関わるシステムのソースコード
  • 信頼できるマーケティング活動
  • 論理的かつ公平なトークンの価格設定と販売方法
  • 法律や税制への対応


実はこの手法は過去の記事に詳しく書いてしまっているので、今回は別の方法をご説明します。

関連記事:仮想通貨ICOの詐欺を見抜く方法

仮想通貨詐欺を見分けるポイントは以下の2つが重要です。

詐欺を見分けるポイント
  • どんな問題が解決するのか
  • ブロックチェーンが必要かどうか


仮想通貨詐欺のほとんどは、ビットコインやイーサリアムの二番煎じで、どんな問題を解決するのかが不明瞭になっているものばかりです。

たとえば、NEMのソリューション(問題解決)は、「富を再分配すること」です。

現在の世界は、ビル・ゲイツ(マイクロソフトCEO)やジェフ・ベゾス(アマゾンCEO)など世界のトップ長者10人の総資産が、世界の下位50%の人口が持つ資産と同額と言われているほど、貧困格差は甚大です。

資産家はより資産を増やし、貧困層はより貧乏になる社会をブロックチェーンを使って変化させようとするのがNEMです。

NEMのように解決する目的が明確であればあるほど、時価総額が大きく価値が高くなる傾向にあります。


目的が確認できた次は、ブロックチェーンや暗号技術を使って実行する意味があるかという観点からプロジェクトを見極める必要があります。

仮想通貨の詐欺案件では、テクノロジーについて語られることが少なく、値動き(価格の高騰や儲け)について謳っていることが多い傾向にあります。

ホワイトペーパー(プロジェクト概要)に書かれている内容も「○○取引所への上場が決まっている」「高額な配当がある」など、投資家に夢を見せるような値動きについての情報などが多く、ソースコードや具体的な事業やそれらを支えるパートナーなどがいることが少ないのです。

つまり、ブロックチェーンや仮想通貨関連技術をどう使うのかが明確にわかるプロジェクトでなければ、投資をしない方がベターです。


他人の意見に流されない

詐欺にあうケースとして、友人など普段信頼している人からの誘いだったり、有名企業、有名大学卒など肩書きの多い人に詐欺案件をつかまされることも多くあります。

最近では、TwitterやFacebookのフォロワー数が多いアカウントなどの発言を信用した結果損をしてしまうケースも増えています。

大切なことは、誰が何を言おうと最終は自分で考え、納得できるかを見極めることです。

有名メディアに掲載されているから間違えない!○○さんと○○さんがおすすめしているので信用できる、というような考えは危険です。

投資の世界に元本保証はないですし、絶対に上がる投資案件など存在しないことを前提に考えるべきです。


インフルエンサーや有名人が拡散している仮想通貨は、その後価格が下がって損する可能性も高くなります。

投資は価格が上がる前に安く仕入れるのがルールですが、既に多くの方々に知られている案件は価格が既に上がり始めている、もしくは上がりきっている状態にあることが多く、「価格が上がる前」ではない可能性があるということもあります。

他人の意見を参考にすることは大切ですが、全てを鵜呑みにしてしまうと、損をしてしまうリスクもあることを覚えておきましょう。


ビットコイン原論文を読んでおく

仮想通貨とは、どんな技術なのか。

知っていると知らないとでは、詐欺案件を判断するのに大きな差がでてきます。

大げさな言い方をすれば、「タイムマシーンを作るので資金を下さい」というICOに資金がたくさん集まっており、投資家に夢を見せることで資金を騙し取っているプロジェクトもあります。

当然、仮想通貨でタイムマシーンを作ることはできません。

仮想通貨関連の技術を理解するには、ナカモトサトシが書いたビットコインの原論文を読むことをお勧めします。

外部リンク:日本語で読むビットコイン原論文

原論文を読むことで、ビットコインの成り立ち、仕組み、リスクやベネフィットなどが理解できます。

ビットコインの技術をベースにイーサリアムやNEMなどありとあらゆる仮想通貨が成り立っているため、どんな仮想通貨プロジェクトを判断する時でも役に立ちます。