仮想通貨は、お金や世界(プラットフォーム)を信じるという意味で1つの信仰を信じる宗教とよく似た側面を持っています。


国民全体が「これはお金である」と信じきれなければ、法定通貨はお金としての役割を果たしません。

日本円やドルの相場が他の通貨に比べて高いのは、自国民以外でも日本円やドルを信用している外国人が多く存在するから(信じている人の総量が多いから)です。

法定通貨は、単に国を信じるということではなく、その国に存在している経済、憲法(法律)、企業、国民など国にあるあらゆるものを加味して、国で使われている通貨を信用していることになります。


そして、信用にはいくつかのプロセスがあります。

今回はNEMを例にとって、信用のプロセスについて考えていきたいと思います。

仮想通貨ブロジェクトがユーザから信用を勝ち取るためのプロセスは以下の3つに分けられます。

信用の三段構造
    1階:「アイディア」を信用する
    2階:「プラットフォーム」を信用する
    3階:「他のユーザ」を信用する

「アイディア」を信用する

ここでいうアイディアとは、プロジェクトが掲げるゴール(目標設定)だったり、思想のことです。

NEMであれば「新しい経済運動」「富の分配を公平にする」というのがアイディアに当てはまります。


NEMを知らない人のために説明をすると、NEMはNew(新しい)Economy(経済)Movement(運動)の略称だと言われています。

トマピケティの21世紀の資本にも書いてある通り、今の世の中(資本主義)は、お金持ちがもっとお金持ちになりやすい世界になっています。そして、貧乏な人はずっと貧乏のままで、時間が経つごとに貧富の差は開いていくばかりです。

そんな世の中を変革したいというアイディアを提唱しているのがNEMになります。


おそらく、NEMのアイディアに共感している人は、「資本主義のトップにいる人たちがお金を持ちすぎていて、本当に必要な人たちにお金が回っていないという考えをもっている人」だと思います。

逆に、現在の資本主義で満足している人だったり、国の貧困問題や世界の恵まれない子供たちに対して興味がない人はこの考えに賛同しにくく、NEMを信用することはできないかもしれません。

ここで信用の1階層目にあるアイディアを信用する人たちが、NEMを信用するかどうか2階層目に進んでいくことになります。

「プラットフォーム」を信用する

NEMのプラットフォームでは、「新しい経済運動」「富の分配を公平にする」ことを起こすために様々な機能が用意されています。

今回は、よくキーワードになりやすい3つを紹介します。

NEMを支える機能3選
    1:TipNEM
    2:Mosaic
    3:ハーベスト(収穫)

TipNEMとは

TipNEMは、Twitter上で簡単なコマンドをツイートするだけでXEMおよびMosaicをやり取りできる機能です。XEM以外にもMosaicで作成した独自トークンを送ることができるのが面白い特徴です。

たとえると、路上アーティストに対して「投げ銭」をする感覚と同じです。ツイッター上で自分が気に入ったアカウントに対して、仮想通貨XEMを好きな額だけ渡す事ができます。

投げ銭

日本では「人生の勝算」(著書)でも有名な前田祐二氏が運営する「Showroom」が投げ銭(ギフト)プラットフォームとして有名ですし、海外でも17Liveなどちょうど去年くらいから急激な盛り上がりを見せている"投げ銭"がNEMでもできるということです。


投げ銭方法はそんなに難しくありません。

ツイート内容がいいなと思った相手や普段応援している人に気軽にXEMを送れるため、スマホ1台あればお金がなくてもTipnemを使ってトークンを稼ぐことが可能です。

人気が出れば、たくさんトークンも溜まりますし、取引所を使えば日本円と交換することもできるため、普段お金のないひとであっても平等にチャンスがあるシステムになっており、「富の分配を公平にする」というゴールを達成するための一部としてTipNEMが機能しています。



Mosaicとは

簡単に言いますと、オリジナルトークンを作れる機能です。

自分の好きな言葉や文字列を32文字までつなげたトークンを発行し、発行枚数や小数点以下の設定などトークンの仕様を設定することもできます。

たとえば、NEMを使えば「arigato」という通貨(トークン)を作って、誰かに感謝したい時に送れる通貨を作る事ができますし、有名人の名前そのままのトークンを発行したり、有名企業のトークンを発行することも可能です。

トークンの価値が上がればXEMや他の通貨と交換することもできるかもしれません。(トークンはあくまで取引所に上場しなければ交換することはできませんし、上場には厳しい審査があります。)

新しいトークンで新しい経済を作る事ができる機能がモザイクです。


ハーベスト(収穫)とは

ハーベストはNEM取引を承認することで、報酬が得られる仕組みです。

ビットコインマイニングの仕組みをご存知であれば、即お分りいただけると思います。

もし、マイニングを知らない方は、NEMを使ってアルバイトができると思っていただけると簡単です。


1万XEMを持って専用のツールをインストールすれば、NEMの取引承認合戦に参加することが可能で、運良く承認作業を勝ち取ると、承認したトランザクションに応じて、XEMとして報酬を得ることが可能です。

よくツイッターでも報酬をもらった時の報告が上がっています。




このようにハーベストを使ってXEMを稼ぐこともできます。

ハーベストのチャンスは大量のXEMを持っている人ではなく、取引回数や取引相手などを加味して分配されるので必ずしもお金持ちがさらにお金持ちになる構造ではありません。

NEMに貢献度が高い人に富が集中するという仕組みになっています。


ここまでで、3つの機能を紹介しましたが、どれもゴールを達成するために有用な方法論ということをご理解いただけますでしょうか。

NEMには新しい経済を作ったり、育てたりすることができる機能がそろっていますし、実行力次第で大きな富を勝ち取ることが可能な経済構造になっています。

「他のユーザ」を信用する

ここでいう他のユーザは、プラットフォームを使っているユーザです。

世界は大きく分散化する方向へ向かっています。そして、もっとも早く感じされるのがWEBサービスだと思います。


たとえば、ホテルや飲食店をレビュー(評価)するサイトは日本でも海外でもたくさんありました。これらのサイトではサービスを提供する側の評価はあっても、顧客(利用ユーザ)を評価する仕組みがありませんでした。

あくまで中央集権的な存在(運営会社)によって仕組まれたマーケティング戦略や運営方針従ってホテルやお店の評価をアピールするものなので、顧客や店を非難しようが、クレーム客だろうがおかまいなしの状態です。


しかし、近年はAirbnbやUberなどの存在が登場し、マナーの悪い客やクレーマーが存在しづらくなっています。

それはお店やサービス提供者側からも利用ユーザを評価できるようになったからです。


東証一部に上場している有名な大企業であっても、無能な上司やクレーム気質な管理者の元で働きたくないと思うのと同様に、美味しいレストランでも他の利用者の声や食事の音がうるさいのであれば、落ち着いて食べることができないし、そんな店に通いたくはないはずです。

プラットフォームを利用するのは、あくまでユーザです。ユーザのプロモーションが上手いのがライザップだったり、東京大学だったり、リクルートだったりします。

こういったプラットフォームで活躍する人たちを信用できるようになれば、もう特定の仮想通貨プロジェクトのファンになってしまっているでしょう。


このように、信用の階段を上がることによって仮想通貨プロジェクトは評価されるし、信用を勝ち取れるようになるんだと思います。

また、もしそのプロジェクトがどうしても信用できない場合は、何が足りないのか、問題点はなんなのかを探る緒にもなるかもしれません。